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2019.04.04

成功するオウンドメディアと失敗するオウンドメディアの違いとは? 編集者の個人的経験による考察

きょうこ

2018年にLIGに入社したエディターのきょうこ(@cloverbooks)です。メディア事業部で、クライアントのオウンドメディアの運用やコンテンツ制作をしています。

御徒町のWhisky STANDで仕事をする着物姿の編集者

イースト・トーキョー台東区から全世界へ向けて発信しているグローバルなLIGブログなので、初登場にあたり、ご挨拶の気持ちをこめてトラディショナルな民族衣装にしてみました。ちなみに、この日の着物は、水色の刺繍付下げと七宝柄の名古屋帯です。

くるりで誂えた着物

大好きな着物屋さん「くるり」で誂えました。

LIGブログ編集部のケイさんから「最初に書くLIGブログは、自己紹介的な内容を」と言われ、お手本として示されたのが、「残念なイケメン」もりすけさんの入社記事

え……。

もりすけさんはTwitterのフォロワー27万人以上の人気コメディアンですよ! いきなりハードル高すぎ。

ちなみに、もりすけさんの席は私の向かい側なので、会社にくるとこんなキラキラした光景が私の前に展開しています。

残念なイケメンのもりすけ

LIGは副業・複業OKなので、社外でもミュージシャンやタレントなどの活動をしている人がたくさん。才能溢れる人と一緒に働いて刺激をもらえる環境こそ、すごい福利厚生だなと思います。

さて、そんなもりすけさんの記事のようにはいきませんが……、今日は自己紹介とあわせて「成功するオウンドメディアと失敗するオウンドメディアの違いとは?」というテーマについて書いてみました。

かんたんな自己紹介から

まずかんたんに自己紹介しますと、大学卒業後、健康・医療関係の出版社に勤めた後にフリーランスとなり、美術・デザイン・映画を専門ジャンルとする編集者&ライターとしていろいろな雑誌や書籍の仕事をしていました。

あるとき、ひょんなご縁からアニメーション映画制作会社のスタジオジブリに入社することになり、インハウスエディターとして月刊広報誌「熱風」の編集やジブリ関連本の編集、執筆に携わりました。

たとえば、こういう本(宮崎駿著『折り返し点 1997〜2008』岩波書店)の編集を担当しました。

宮崎駿監督の引退宣言(その後、撤回!)にともなうスタジオ休止のタイミングで退職し、再びフリーランスに。

「紙メディアの仕事はやり尽くした。これからはWebメディアだ!」と心機一転、Webメディアの編集者としてインターネットの大海を小舟であちらこちら放浪し(ITベンチャー4社をジョブホッピング)、ようやくLIGという港にたどりつきました。

私が紙メディアからWebメディアに移った理由

紙からWebへの移行について「どうして?」とよく質問されるのですが、いちばんの理由は「社会が変化しているから」。猟師が獲物を追いかけて狩場を変えるのと同じで、ごく自然な流れです。

編集者というのは時代の変化の波でサーフィンしながらインプットとアウトプットをくりかえす仕事なので、市場が築地から豊洲へ移転すれば問屋も一緒に移るように、メディアが紙からWebへ河岸をかえれば編集者も移動するのは自然なことだと思いました。

もしも現代に岩波茂雄さん(岩波書店の創業者)が生きていたら、岩波文庫を創刊するでしょうか? いいえ、みんながアクセスしやすいデジタルメディアかプラットフォームをつくり、サブスクリプションにするでしょう。

ちなみに、岩波茂雄さんが出版業を始めるときに、作品だけでなく開業資金まで提供してくれたのが夏目漱石だったことは有名な話です。夏目漱石という最強のコンテンツメーカーがエンジェル投資家でもあるなんて、勝ったも同然ですよね!

今だったら村上春樹さんが「はい、これ、ぼくの書き下ろし長編小説。新潮社や講談社からはもうたくさん本を出したから、キミの新しいWebメディアのローンチ祝いに、これを掲載するといい。データはグーグルドライブにアップしといたから、キミの会社から電子書籍にしていいよ。あと、開業資金として10億円振り込んだから」みたいなことです。

要するに何が言いたいかというと、編集者というのは、

●時流に合ったコンテンツを読者に届けられる企画力
●(お金や人材など)いろいろなリソースを集められる信用力

が必要とされる仕事だということです(自分のことは思いっきり棚に上げます)。

オウンドメディアを成功させるために必要なものとは?

すべての企業がメディア化する時代に

私のLIGでの仕事は、いろいろなクライアント企業が運営するメディアのためのコンテンツ制作です。既存のメディアもあれば、メディアの立ち上げから行うこともあります。

マスメディアがかつてのような影響力を失う中で、「マスメディアに広告を出すより、自社メディアでコンテンツマーケティングをするほうが効果あるんじゃない?」という流れになってきています。すべての企業がメディア化する時代といわれ、多くの企業が自社メディアをもち、インハウスエディターを雇用することも増えてきました。

ちなみに最近はすっかり「オウンドメディア」という名称が定着しましたが、突然出現したわけではなくて、要するに昔からある「広報誌」の進化系。企業のブランディング、潜在顧客へのアプローチ、採用広報、社内広報、ファンとのコミュニケーションなどの目的のためにつくられ、それが紙からWebに移り、オウンドメディアと呼ばれるようになりました。

オウンドメディアを推進していく一番の要となるエンジンは、なんといっても、その会社の経営者や担当者の情熱や意志やビジョンです。そして、その思いをコンテンツという形にして効果的に読者へ届くようにするのが、私たちプロ編集者の仕事です。

実際、成功するオウンドメディアと失敗するオウンドメディアの違いは何なのでしょうか?

結論からいうと、成功するオウンドメディアにあるものは「決裁権をもつ人の揺るぎないモチベーション」と「リソース(資金と人材)」です。

オウンドメディアは長期戦です。5年、10年と継続してこそ威力を発揮するので、そのためのエンジンと燃料が必要不可欠。そのエンジンとなるのが「決裁権をもつ人のモチベーション」で、燃料が「資金と人材」ということですね。

スタジオジブリ時代を振り返って

ここでまた私の体験談に戻りますが、「スタジオジブリに勤めていた」と言うと、「編集者がなぜ映画制作会社に?」と質問されることがあります。しかし、スタジオジブリの場合、もともと徳間書店という出版社の映画事業部からスタートした会社なので、自社メディアやコンテンツの編集をするためのインハウスエディターがいるのは当たり前のことでした。鈴木敏夫プロデューサーも編集者ですし、制作するコンテンツが雑誌から映画へと変化したので、肩書きも編集者から映画プロデューサーへとスライドしたわけですね。

スタジオジブリの広報誌「熱風」は、鈴木プロデューサーの情熱でつくられています。たとえば私が在籍時に企画・担当した特集には「村上春樹」(2010年3月号)、「ヤンキー」(2012年11月号)、「グローバル企業とタックスヘイヴン」(2013年5月号)などがありますが、ジブリ作品とはまったく関係のない内容です。

特集の企画を考えるにあたり、(私が勤めていた当時)言われていたことは、「熱風」の想定読者は宮崎駿である、と。宮崎さんが関心のあるテーマを深く掘り下げるか、もしくは宮崎さんが興味をもちそうな現代社会の出来事を取り上げなさい、と。

でも、博識な宮崎さんがすでに関心をもっているテーマに生半可に手を出そうものなら、コテンパンに返り討ちに遭うのは目に見えていたので、私はもっぱら現代社会の新潮流を切り取るほうで企画を考えていました。ですから「熱風」は、企業の広報誌という体裁をとりながらも、つまるところ「鈴木プロデューサーから宮崎監督へのラブレター」としてつくられているんだな、と私は思っていました

大事なのは「この人を喜ばせたい!」というモチベーション

なぜこんな話をしたかというと、オウンドメディアを運営するうえでの大事なヒントが、ここにあると思うからです。

多くの人が、オウンドメディアを商品やサービスを売るための魔法のツールのように勘違いして即効性を求めますが、それが失敗の原因となっています。

オウンドメディアの運営には、それをやると決めた人(かつ決裁権のある人)の揺るぎないモチベーションが不可欠で、もうひとつ、喜ばせたい人が具体的に決まっていることが実はとても大切なのです。

メディアでもコンテンツでも、雑誌でも映画でも、「この人を喜ばせたい!」という対象をしっかり念頭においてつくるのはとても有効です。宮崎監督も映画をつくるとき、「この映画を観せたい!」と思う小さな友人(知人のお子さんなど)を具体的に想定してつくると著書で語っています。

オウンドメディアの効能には、「好印象で認知される」「採用が楽になる」「営業がスムーズになる」などがありますから、やったほうがいいのはまちがいありません。誰かの志や情熱をサポートするために、私たちプロの編集者がいます。

オウンドメディアをつくりたい方や、オウンドメディアをつくったもののコンテンツ制作で困っている方、ぜひLIGにご相談ください。

編集者という仕事のメリット・デメリット

1989年から編集の仕事をはじめて30年が経ちました。大きな変化は「紙からWebへ」だけではありません。

もうひとつの大きな変化に、編集者の「見える化」があります。かつて編集者というものは、黒子に徹して表には出ないのがよし、とされていました。ところが!! テキストよりヴィジュアル、SNS全盛の時代になり、編集者であってもどんどん表舞台に出て、タレント的に活動することが求められるようになってきました。

たとえば、三島由紀夫の担当でもあった編集者の坂本一亀(坂本龍一さんのお父さん)は有名ですが、いま手元にある三島由紀夫の『仮面の告白』の奥付を見ても、坂本一亀さんの名前はクレジットされていません。しかし最近では、奥付に編集者の名前が入っていることも増えてきました。

このように、編集者の存在も見えない黒子から、どんどん可視化されるようになってきています。「ブランド人になれ!」という圧力、というより、ブランド人にならないと生き残れない現実をひしひしと感じますし、そのほうが合理的なのも確かです。

さて、ここで編集者という仕事の楽しさ、メリット・デメリットを私なりに考えてみました。

編集者のメリット

まずメリットとしては、「好きな人に会いに行ける」「好奇心を満たせる」「どこでも仕事できる」がの3つがあると思います。

1. 好きな人に会いに行ける

編集者というのは面白い職業で、名刺一枚あれば、会いたい人に「取材」と称して会いに行けます。これは編集者やジャーナリストの特権とも言えます。もちろん、断られることもあるんですが、それなりに説得力のある理由と、タイミングさえ合えば(新作をリリースした後のプロモーション期間だと、取材を受けてくれやすい)、たいていOKしてもらえます。

2. いろいろなジャンルに触れて好奇心を満たせる

そのつど新しいジャンルの新しいテーマに集中して取り組み、短期間でそのジャンルのエキスパートになるのが編集者の醍醐味のひとつだと思います。

アニメーション映画制作会社にいるときは必死でアニメーションの勉強をしましたし、化粧品会社の広報部にいるときは女性の美容と健康のエキスパートになり、ワインの仕事をしているときはワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」に通ってワイン沼にハマることになったり……。仕事のたびに未知の世界の扉を開けることができるので、飽きっぽい、じゃなくて、好奇心旺盛な人にはオススメの職業です。

3. どこでも仕事できる

編集者の仕事は、会社にいなくてもどこでもできます。自宅も、カフェでも、コワーキングスペースでも、リモートワークが可能(※)です。

私も、ときには気分をかえてLIGが運営するコワーキングスペース「いいオフィス」で仕事をすることもあります。

御徒町の隠れ家バーで仕事をする着物姿の編集者

もっと気分を変えたいときは、御徒町の隠れ家バーで作業をしたり(ちなみにここはLIGが経営する飲食店のひとつ「Whisky STAND」です)。

※ LIGの場合、業務効率上認められればリモートワークをすることも可能です。

編集者のデメリット

さて、編集者のデメリットを考えてみると、取材依頼にしてもそうだしインタビューにしてもそうなんですが、仕事のいろいろな場面で「アナタのこういうところがステキ! 大好き!」と好意を伝えたり、心を開いてもらえるまで猛烈にアプローチするといった恋愛時に近い肉食活動が必要となります。

なので、仕事で恋愛エネルギーを使い果たした結果、プライベートで使う分がカラカラに枯渇してしまって、女性編集者は婚期を逃しがち……ということでしょうか……(涙)。これは個人差が大きく、単に私が非モテなだけの可能性が高いです、すいません。

まとめ

いいコンテンツとは「おもしろくて役に立つもの」。そして、そのコンテンツの送り手と受け手をつなぐのが編集者の役目です。

LIGの企業理念は「わくわくをつくり、みんなを笑顔にする」。私もLIGのメンバーとして、いいコンテンツをお届けすることで、みなさんのLIG(Life is GOOD)に貢献したいと思う所存です。

そして、何を隠そう(みんな知ってる)、このLIGブログはLIGという会社のオウンドメディアなのです!

LIGという会社をもっと多くの人に好きになってもらったり、優秀な人を採用したりできると……いいな!

以上、オウンドメディアの編集者として大切にしていることや気をつけていることを現場からレポートしました! またお会いしましょう! きょうこでした。