長野県信濃町でバックカントリースノーボードをやってみました

長野県信濃町でバックカントリースノーボードをやってみました

井手

井手

皆さんこんにちは! LAMP野尻湖の井手です!

突然ですが皆さんバックカントリースノーボードをご存知ですか?

スキー場では飽き足りない人々が、さらなる刺激を求めて山を登り、整備がされていない区域外の未圧雪エリアをスノーボードで滑り降りることをいいます。

LAMP野尻湖のあるここ信濃町は長野でもトップクラスの豪雪地帯で、パウダースノーを求めて世界中から多くの人々が訪れております。

今回はそのパウダースノーをもっとも楽しめるバックカントリーを実際にやってみました!

まさかの雪崩警報からの……

え!? まさかの当日雪崩警報で1日がスタートしました……。

内容を読めば読むほどテンションが下がります。

今回は、信濃町役場地域おこし協力隊の西田さんにご同行いただきました!

西田さんはバックカントリーの経験も豊富で、とても頼りになる方です。

そして何より優しい。

午前は悪天候だったため、様子見も兼ねて斑尾のスキー場を滑りました!

なんだスキー場か……と最初正直思ったんですか、斑尾のスキー場はツリーランのコースが多く、バックカントリーの練習にはもってこいでした。

天候回復!

お昼になると天候も回復し、いよいよバックカントリーへ出発準備!

軽くおにぎり食べて、道具を準備していたところ、あれ? 何か自分のスノーシューと西田さんのものが違うような……。

右が西田さんのスノーシューで、左が僕が持参したものです。

西田さんのものは真ん中と両サイドにスパイクが付いているのに対し、僕のものには真ん中だけ。。

詳しく聞いたところ、西田さんのものは山登り用で僕のものは平坦な雪道用のスタンダードなものだとか。

また、西田さんのものにはかかとをあげる機能もついており、上る際に足に負担が少ないのだとか。

ただでさえ初心者なのにやばいやばいやばい……と不安になっている僕を横目に西田さんは「大丈夫っしょ!笑」と一言!

優しいような、不安なような。。

準備完了!!

か、か、かっチョいい!!!

ガンダムのバックパックみたい。右側についてるポールがビームサーベルみたい!! 一瞬でテンションMAXになりました!

やっぱり道具とか身に着けるものは形から入るのが大事ですね!

いよいよ出発です!

朝より天気はいいですが、まだちょっと雲行きが怪しい。

歩いていると目の前に、

警告の看板が……

怖い怖い。。生きて帰ろうと心に決めました。

超大事! レスキューの練習

さらに少し歩いたところで一旦荷物を降ろし、万が一に備えレスキューの練習をしました!

バックカントリーの事故で多いのが雪崩による事故です。

雪崩に巻き込まれた人を助けるに必要なのがビーコンという発信機で、今回はその使い方を練習しました。

居場所を知らせるビーコン

まず雪の上で探す手順を教わりました。

ビーコンには常に電波を発信するモードと電波を受信するモードの2つモードあり、基本的に発信モードに設定した状態で山に入ります。

万が一雪崩に巻き込まれた場合、探す側はモードを受信モードに切り替え、埋まっている人を探します。

西田さんいわく、直線に進みながら発信元を探すよりも、斜めに進みながら探す方が効率が良いのだとか。

あとほかにもいろいろと教わったはずなのですが、緊張と興奮でほとんど覚えていません。西田さんすみません。。

とりあえず、練習あるのみ! ということでまずは西田さんにお手本を。

ジップロックに僕のビーコンを入れ、受信モードにしたままランダムに雪中に埋め、それを探してもらうという方法でやりました。

ぴぴっ! っといきなり反応!

こっちかな? と歩く西田さん。

ぴぴぴぴぴっ! と音が大きくなるほうへテクテク……。

たぶんこのへんかな~? っとしゃがむ西田さん! さらにぴぴぴぴぴぴっと激しく鳴り響くビーコン。

ここかな~? と掘り始める西田さん。

おお? あったかな?

早い! 早すぎます! けっこう考えて、足跡も残さないように歩きまわったあとに埋めた場所を、わずか数十秒で見つけ出されました。

嬉しいような悔しいような。

じゃあ次は僕の番!

いいよ~! っと隠し終えた合図を出す西田さん!

さすが! 見つけるのだけでなく隠すのもお上手なのか!

「・・・・・・」。
受信モードにしてるのにまったく音が鳴りません。

少し前に歩いてみても「・・・・・・」。

ぴぴぴぴぴっと急に音が鳴り響きました!!

ビーコンには矢印が3つ付いていて、その矢印を追って居場所を探すわけなのですが、僕のは矢印が真ん中を刺したと思ったら右端を刺したりと、安定しません。

結局見つけるのに数分かかってしまいました。

これじゃ助かる命も助かりません。練習あるのみです!

ピットチェック(弱層テスト)

このあと雪崩の可能性を調べるためにピットチェック(弱層テスト)を行いました。

ポンッポンッ。うん、今回は大丈夫そうです。

いざ山頂へ出発!

ということで、スノーシューを装着して本格的な山登りへ出発!

テンションは高いものの、いかんせん坂道がけっこうきつい。。

天気も良くなってきて気分が乗ってきました!!

途中雪庇という雪がせり出した箇所を見つけました。

これに気づかず、上を歩きよく滑落事故があるみたいです。

到着ーーー!!

バッテバテです。途中スノーシューが脱げたり、強風に吹かれたり結構大変でしたが、到着したときの快感は最高です!

そして忘れちゃいけないのが、山頂メシ!!

今回食べたのはセブンのカップ味噌ラーメン。

美味すぎます。山頂で食べるカップラーメンて本当に美味しいですよね。
今回は西田さんがお湯を持ってきてくださっていて本当に感謝です!

一気に食べちゃいました。

そしてそして、

食後のチョコも忘れちゃいけません。

チョコってこんなに美味しいんですね。

最高です。

西田さんもこの笑顔!
山登りやキャンプもそうですけど、一番幸せを感じるのはこの瞬間です。

さあ、お昼休憩も取りましたし、いよいよ……

本番のダウンヒルです!

いい感じの駆け出し。

調子に乗って手を振ってみました。(びびってへっぴり腰ですが。)

パウダーを切って走るのは本当に快感です!

このパウダーをブハッと切ったときはとくにそうです!

いい感じに決まりました。

西田さんも行きます!

上手い! そしてしなやか!

あっという間に遠くまで。

西田さんはこのあともマッシュを見つけてはジャンプしたり、木と木の狭い間を猛スピードで抜けたり、本当にお上手でした!

*マッシュ=自然にできたジャンプ台

そして無事帰還!

本当に良い経験でした!

皆さんいかがでしたでしょうか?

バックカントリーはゲレンデでは味わえない、スリルや爽快感がありとても楽しいものでした!

しかし、スキー場のようにパトロールが事前にコース安全を確認している訳ではないため、行く先々に多くの危険性が潜んでおります。

雪崩に巻き込まれたり、雪庇に気づかず滑落することもあれば、木の根元にある穴に落ち誰にも気づかれず窒息死または凍死するなど、多くの死亡事例があります。

参考:

1)日本雪崩ネットワーク『ロープの向こう側』

https://www.nadare.jp/assets/cms/jan_A4_web_151215.pdf

2)NHK クローズアップ現代『相次ぐ”バックカントリ”事故』

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3610/1.html

また、怪我はせずとも誤って温泉のパイプを切ってしまい巨額の賠償金を請求されるというケースもあるようです。

皆さんもバックカントリーに行きたいと思ったときはまずはツアーに参加するかまたは、知人で熟練した方に連れて行ってもらうなど、一人では絶対に行かないようにしましょう!

そして、雪山の怖さや、自分の身に降りかかるかもしれないリスクをしっかり理解した上で思いっきり楽しみましょう!

 

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佐賀県唐津市出身。「LAMP野尻」の宿リーダーを経て、現在は「LAMP壱岐」の支配人。好きなものは、釣り、MTG、臭いラーメン。似てる野菜は「ごぼう」。

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