みなさんこんにちは。
LIGで編集者をしているやぎです。
私は「外部メディアコンテンツ制作チーム」という、外部のさまざまな企業が運営するオウンドメディアの記事制作を行うチームに所属しています。なので仕事柄、ご依頼を受けてSEO記事を制作することもあります。
あまり大きな声では言えませんが、実はSEOに関する知識があまりない状態で入社したので、当初は先輩の説明を理解するのに苦労しました……。一からSEOの知識を習得するってそれなりに大変です。「一通りのことを学んだものの、ここで一度SEOを基本からしっかりおさらいしたい!」と思っていたところ、なんとLIGが、運営している「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」の受講生に向けて、SEOのプロを呼んで講座を開催するというじゃありませんか……!
ということで、せっかくなので参加してレポートを書きました。STUDIO by LIGに興味がある方も、単純にSEOについて知りたい方もぜひ最後まで読んでくださいね。
「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」とは?
「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」は、7万人のWebデザイナーとクリエイターの卒業実績があるデジタルハリウッドと、Web制作会社のLIGが業務提携をしたクリエイター養成スクールです。Webデザインに加え、今後のWeb業界に必要な編集、ライティング、撮影を学べる講座を共同開発して提供しています。LIGのクリエイター陣のいる環境で、実践的な講義を受講でき、卒業後は就職や転職のサポートも受けられるのが特長です。
今回の講座はこのSTUDIO by LIGの受講生に向けて開催され、主にWebデザイナー、動画クリエイターを目指す生徒が参加しました。なぜデザイナー志望者に向けてSEOライティングの講座を開いたのかというと、Webサイトのデザインだけでなく、サイトのコンテンツとなる記事制作についても知識を提供できたら、という思いがあってのことだそうです。実際に、当日は約20名ほどの生徒が集まりました。つまり、デザインだけでなくライティングについても学びたいという、とても意識の高い方々、ということになりますね……!
講座概要と講師のプロフィール
前置きが少し長くなりましたが、今回私が参加した講座はこちらです。
- LIVE授業 SEOライティング講座
- 日時:2018年12月15日(土)12:00〜14:00
場所:旧いいオフィス上野
対象者:「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」の受講生
そして、講師をしてくださったのはこちらの方。
- 新城 真寿美さん
2014年の新卒時からSEOコンテンツ・SEOマーケティングの業務に従事。2016年にLIGに入社してからはLIGブログの執筆・編集・マーケティングを担当。現在はSEOを得意とするWebマーケティング会社の株式会社クヌギで、取締役としてコンテンツ施策をメインとしたコンサルティングを行う。
講義編
講座は、講義が30分、ワークショップと講義のまとめが90分の計2時間で構成されていました。まずは講義編からダイジェストでお伝えします!
株式会社クヌギでは、SEOでの施策を内部・外部・コンテンツの3つに分けて考えており、もっとも重視しているのは「コンテンツ」を使った施策だそうです。サイトの中にいいコンテンツを用意できれば、広告費を抑えて自社の売り上げにもつなげられるとのこと。
では、「いいコンテンツ」とは何なのか?
制作に携わる人なら誰もが一度は考えたことがあるはずのこの疑問に対して、新城さんはGoogleで検索エンジンの仕事をしている方がTwitterに投稿した文を引き合いに出して、「Google社の人でさえ、いいコンテンツとは何かをずっと考え続けているんです」と話していたのが印象的でした。
とはいえ、Googleも「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」の中で、「基本方針」として下記を明示してくれているようです。
- Googleが明示する基本方針
-
- ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。
- ユーザーをだますようなことをしない。
- ユーザーにとって役立つかどうかを確認する。
- ウェブサイトに独自性や価値、魅力があるかを考え、同分野の他のサイトとの差別化を図る。
※ 抜粋のうえ、一部要約しています
つまり新城さん曰く、競合となる上位サイトの記事を模倣するだけではダメで、ユーザーの潜在的な欲求に働きかける情報を、ターゲット・テーマ・切り口・結論のいずれかに独自性を持たせて、具体的かつ説得力のある形で提供する必要があるのだとか。
Googleの方針を踏まえたうえで、実際にこのすべてを満たした記事をつくるのはなんだかちょっと難しそうです……。
と思ったところで、コンテンツ作成の前の設計の段階で、選定したキーワードに対してユーザーの検索意図をどう読み取ればいいのかを学べる、ワークショップが始まりました。
ワークショップ編
まず、キーワードの検索意図には、ユーザーの「買いたい、行動したい、知りたい」などの欲求があり、これらを自分ごととして徹底的に考える必要があるとのこと。ただ、場合によっては1つのキーワードに複数の検索意図が含まれていることもあるため、個人が想像を膨らませるだけでは限界があるそうです。
それをしっかりと補うには、「調査・分析」が不可欠! ということで、ワークショップの前に根拠を確保するための3つの方法を教えてくださいました。その際、新城さんの「Googleは今あるサイトの中から相対評価を行うしかないだけで、上位表示のサイトが必ずしも正しく最良のコンテンツであるとは限らない」という発言にハッとしました。
考えてみれば、私の場合は編集者という職業柄、ふだんから取材やアンケート、書籍・調査結果をもとに記事を制作するわけですが、SEO記事の制作においてもそれが求められているわけなんですね。
それが理解できたところで、「犬 トイレ しつけ」のキーワードを題材に、参加者各自で下記について上から順番に考えていきました。
- ユーザーの検索意図を想像する
- 検索意図からユーザーが欲している情報を想像する
- 上記をもとに、記事の主張をどうするか決める
- 1つの主張に対し、根拠を3つ考える
この方法と順序で考えていけば、しっかりと記事の骨組みをつくれそうですね……! ある程度まとまったところで、新城さんが各テーブルを回って一人ひとりにどこが良くて何が足りないか、フィードバックをくれました。
この記事を読んでいる方も、参考にしてみてください。
講座のまとめ編
ワークショップの後はふり返りがあり、そのなかで新城さんが「SEOは記事内でユーザーの悩みや欲求を解消することが大切で、再検索させたら負けです!」と力強く言っていたのがとても印象的でした。
そして講座のまとめとして、SEO記事を制作する際は、以下の3つを意識することが大切だと話していました。
- 100人が読んで、100人が同じ解釈ができるような文章表現を心がける
- ユーザーが何らかのアクションを起こせる、または意思決定ができるコンテンツをつくる
- 取材、編集はさぼらない
最後に質疑応答の時間があり、実際にライターをしている受講生から「ひとりでSEO記事をつくらざるを得ない場合は、どうしたらいいでしょうか?」という質問が上がりました。それに対して新城さんは、「ライターひとりで記事をつくるのはやはりダメなので、編集者としっかりすり合わせをしてください。編集者が頼りにならない場合は、取材をするか文献をあたるか、あるいは誰か信頼できる人に意見を求めるなど、できるだけいろいろな情報を集めるようにしましょう」と答えていました。
ほかにも何名かから質問が上がり、新城さんが一つひとつに丁寧に答えたのち、講座は幕を閉じました。
最後に
まずはユーザーの立場でキーワードの検索意図をとことん考え、そのうえで上位サイトの記事だけに頼らず、あらゆる方法で地道に情報を得る。さまざまなツールを使ってキーワードや数値を分析することも大事ですが、その前にまずこの基本をしっかりとおさえることが重要なんだと、講座を受けて改めて感じました。
初めてSEOについて考えた人にとっても、基本を学んだうえで参加した人にとっても、SEOの要について考えて整理できる有意義な時間になったのではないでしょうか。
「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」では、WebデザインやWebプログラミング、ネット動画制作について各コースの講義で学べるほか、今回のように「LIVE授業」としてさまざまなテーマに沿ったクリエイティブな講座も受講できます。
ご興味のある方は、まずはぜひ各コース内容を見てみてください。
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