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2018.12.31

大分県豊後大野市で行われた伝統的な収穫祭「緒方町五千石祭」に参加してみた

マイケル聡士

こんにちは!

ゲストハウス「LAMP豊後大野」のスタッフのマイケルです。

少し前になりますが、平成最後の秋分の日に豊後大野市緒方町で今もなお受け継がれる祭り「緒方町五千石祭」に参加し、地域の方々と神輿を担いできました。

古き良きお祭りなのですが、知名度があまりないのです……。少しでもみなさんに「日本の古き良きお祭り」を知ってもらいたく、今回は「緒方町五千石祭」についてご紹介します。

なぜ参加することになったのか

それは、ポストに届いた 1枚の紙封筒(神封筒)「神輿担ぎの依頼書」から始まりました。

そこには、2018年でちょうど50周年を迎える記念すべきお祭り「緒方町五千石祭」の文字。

まだ地区に来て半年経たずの若者、知り合いのいない完全なるアウェイ戦、概要もわからない行事、突然の参加依頼……。

戸惑いました。しかし、1枚の紙(神)を差し出してくれた区長の人柄に惹かれ、参加を決意し、飛び込んでみることにしました。

何事も、経験と勉強です! 五千石祭の1日の流れとともに、私のアウェイ戦をご覧ください。

「緒方町五千石祭」とは

大分県豊後大野市緒方町で毎年9月23日、秋分の日に開催されている連合祭です。

緒方地区の15社の神社の秋祭りを連合祭として豊後大野市立緒方小学校でおこなうもので、農作物の収穫を祝って各社の神輿が集結します。各神社の「獅子太鼓」「獅子舞」「白熊(はぐま)練り」が演じられ、大分県指定無形民俗文化財の「御嶽流緒方神楽」や、大分県選択無形民俗文化財の「千盆搗」も奉納されます。

昔は地区ごとに祭りをおこなっていたようですが、高齢化や過疎化が進んだことにより規模がだんだんと小さくなっていきました。それでは、あまりにも寂しい……。そこで、「各地域の祭りを集結させて盛大なお祭りをしよう!」というコンセプトで、この「緒方町五千石祭」は始まったのです。

緒方町五千石祭、始まる

集合時間はAM6:00。朝早い。祭りに出かける男たちの気合いの表れでしょうか。私の住んでいる豊後大野市の馬場地区は、森園天満社という小高い山の上にある神社が集合場所。

地域の方々には「7:00でええよ」、「むしろ初めてじゃから見とくだけでもええんじゃ」、「途中から担げばええと思うで」など、最初から投げ出したくなるような総攻撃を受け、どうすればいいかわからない状態で当日を迎えました。地域の情報戦に敗北した瞬間でした。

とりあえず、(たぶん)呼ばれた気がしたので、AM6:00に神社に向かいました。

神輿の担ぎ手が祭りで渡されるもの

豊後大野のお祭りといえば、「緒方三社 川越しまつり」があります。

そこでは、担ぎ手にふんどしを配りますが、 この祭りでは、「狩衣」と「烏帽子」が支給されます。

狩衣とは
平安時代以降の公家(朝廷につかえる貴族)の普段着で、その名の通り狩りをするために作られた物。現在では神職の常装であり、烏帽子とセットで神事に使われることが多い。

烏帽子にも被る向きがあるようです。逆に被っていたら、太鼓役の方が直してくれました。アウェイの人にもやさしい。また、狩衣の着方なども教わりました。お祭りくらいでしか着る機会がないのでいい経験です。

 

着替えが終わると神事が始まりました。お神輿に祀られる神様は、人間に姿を見られないよう青い布のようなもので巻かれ、境内から降ろされます。

 

担ぎ手が後方でバックアップに入ります。もう肩が痛くて担げない! 誰かヘルプ! ってときにも心強い!

 

いよいよ神輿は人間の住む下界に! 神様のお通りです。

 

小高い山の上から降ろされ、いよいよ神輿は町の中を通っていきます。

 

写真ではわかりづらいですが、神輿の下を人がくぐろうとしているところです。神輿の下をくぐるのは縁起が良いことなのでしょうか。ご老人たちがありがたそうに手を合わせて神輿の下を次々と通過していきます。

 

大人だけではなく子供も小さい神輿を担いで地域の家を練り歩きます。「わっしょいわっしょい」のかけ声がとても可愛らしい! 地域の方々が神輿に賽銭を入れている様子です。

各社の神々が集結!

地区を回り終えると、いよいよ神輿は小学校へ。

 

こんなにも沢山の神輿が集結しているところを見たことがありますか? もう小学校がパワースポットです。ただただこの壮大な風景を呆然と眺めるばかり。こんな景色は今までの人生で初めて見ました!感動!!

 

神輿は仮配置されて、いよいよ一気に本配置場所へ祀られます!

 

神輿はここを通るのが決まりのようです。神々が次々と通過していきます。本配置の前に各神社の「獅子太鼓」「獅子舞」「白熊練り」が演じられます。この「獅子太鼓」「獅子舞」「白熊練り」は、祭りの始まりと終わりに演じるようです。

 

豊後大野市緒方町軸丸地区の子ども太鼓の風景。大人から子どもまで、世代を繋ぐ祭りって素晴らしいですよね。

 

獅子舞も奉納されます。

 

太鼓のいい音が響き渡ります。太鼓の音があるとお祭り感がすごく増しますね。どんどん雰囲気が盛り上がっていきます。

 

余興が終わると一斉にお神輿たちは本配置されます。たくさんの人が並べられた神輿の写真を撮っていました。こうして見ると、とても煌びやかですよね。

ここでひとまず神輿担ぎはひと段落。夜まで神々と一緒に祭りを楽しみます。

見応え十分な神楽の奉納

次に神楽の奉納がはじまります。

これは、「五方礼始」と呼ばれる神楽を奉納する際に必ず組み込まれているプログラムです。東・西・南・北・中央を清める意味があり、文字通り五人で舞います。始まりと終わりに演じられます(所要時間20分程度)。割と長い。

神楽の演目は「岩戸開き」「八雲払」「天孫降臨」などなど……。たくさん紹介したいのですが、今回は「八雲払(ヤグモバライ)」を紹介します。

大きな日の丸の扇を持っているのは「スサノオノミコト」です。右脇にいる三人は順に「テナヅチ」「クシナダヒメ」「アシナヅチ」です。スサノオノミコトは、神々の住む高天原で悪態の限りを尽くしたので、罰を受け追い出されることに。出雲国をあてもなく歩いていると親子に出会います。

 

そこで泣いている理由を聞くと「大蛇(ヤマタノオロチ)の生贄にされてしまうから」とのこと。

 

スサノオノミコトは「では、大蛇からあなたを救ったら嫁になることを約束してくれ!」と求婚します。

 

「よっしゃ、やったろ!!大蛇に酒を飲まして一刀両断!! やったぜ結婚!!!」 という流れです。

 

スサノオは歓喜し、このときに歌を歌いました。

「八雲立つ 出雲垣 妻込みの 八重垣作る その八重垣を」

神楽の太鼓とそのほかの楽器のメロディーは楽譜がなく、先祖代々、耳と体で継承されているそうです。こんな素晴らしい重要文化財が無料で見れるのは素晴らしい……!

タイムスリップしたかのような昔の伝説に酔いしれてみてはいかがでしょうか?

各地域の神事

太鼓を叩く人、火を起こして松明を灯す人、進行をする人。たくさんの人が一丸となります。

 

こちらは白熊練立。シロクマではなくハグマと呼ぶことを、このときに知りました。祭りの前までは「なんでこんなに重いモップを上げ下げしたり、投げたりしているのだろうか……」と思っていたのですが、実はこれ、槍を模したもので、モップではないそうです。

 

次に、獅子舞の奉納。獅子舞は1対で舞うのが普通です。しかし、この獅子舞は2対(4対同時)に舞います。獅子舞が1対なのは陰と陽を表しているからであり、2対でおこなうのはとても珍しいらしいです。

 

「御嶽流」の子ども太鼓打ちも大活躍! かけ声とともに一人ずつ太鼓を叩いていきます。

 

祭りの終わりを告げる花火と獅子舞、白熊練り、太鼓が終わると、それぞれの地区の神社へ一斉に帰っていきます。

 

朝早くから神輿を担ぎ、お酒が振舞われた宴会後の神輿は何倍も重みがあって、みんな辛そう……。アウェイ戦は持久戦にもつれ込んだ感じですね。

最後の力を振り絞り、みんなの力を合わせて、気合いで山の上の神社まで担ぎます。

 

えいさ! よいさー! えいさー! よいさー!

誰に教わったわけでもない、かけ声が自然と口から出ます。階段の傾斜が担ぎ手に重くのしかかりますが、最後の最後で大事な神輿を落としてはいけません。気合いと意地で登り切りました。

 

神儀が終わり、ベールを脱いだ神様はまた森園天満宮の境内の奥に戻っていきます。また来年も緒方の町を見守ってくれることでしょう。

最後は一緒になって祭りの終わりを喜び合い、握手をして解散しました! アウェイだったはずのお祭りが、1日でこんなにも一体感と達成感が生まれるなんて! 来年も参加して、またこの感動をみんなで共有したいと思います。

まとめ

ひょんなことから地区の祭りに参加したことをきっかけに、8つの気づきがあったので、まとめて終わりにしたいと思います。

気がついた8つのこと
  1. 思い切って参加してみたら、たくさんの出会いと地域の学びがあった。
  2. 各地域の催しを一度に見ることができる。
  3. 神輿を担ぐという大変貴重な経験ができた。
  4. 奉納される神事の歴史やなぜやるのか、背景などを学んで参加するとさらに面白い。
  5. 地域の方々との交流もあって楽しい。
  6. 見るだけではなく一緒に参加して祭りを盛り上げていきたい。
  7. 祭り自体の知名度が低いことがもったいない。
  8. 日本人なら日本の文化を大切に守りたい。

それではまたお会いしましょう。マイケルでした!

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