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2018.11.02

きのこ狩りをする上で必要な安全対策まとめ【ツアーガイドが解説します】

どうも! ガイドの遊です!

私がいるサンデープラニング・ゲストハウスLAMP野尻湖では、秋の「きのこ狩りハイキング」というアクティビティが大人気です。

楽しいきのこ狩りの様子は以前にもLIGブログでご紹介していますので、「どんな体験ツアーなのかな?」という方はこちらの記事を見てください。

たくさんのお客様に、この楽しい「きのこ狩り」にご参加いただいておりますが、近年、自分だけで山に入ってきのこ狩りをする方が増えているようです。

今年は全国で、きのこ狩りにおける死亡事故が多発しており、特に長野県内ではすでに10名以上の方が亡くなっております。

それを受けて、各TV局からもきのこ狩りの安全対策についての取材が相次ぎました。

  • NHK ニュース7
  • テレビ朝日 スーパーJチャンネル
  • TBSテレビ あさチャン

上記の番組できのこ狩りの安全について私がお話ししました。

毎年ガイドとして山に入っている自分にとっても、人ごとではないので、今回は自分のガイドとしての経験や知識をもとに、楽しいきのこ狩りと、そこに潜む危険と対策についてご紹介していきたいと思います。

まず念頭に置いて欲しいこと

公園や裏庭などに生えているきのこを採る程度ならよいかもしれませんが、きのこを採りに山に入る場合、そこは救急車がすぐには来れない場所です。

何かトラブルがあった場合、助けが来るまでにとても時間がかかるので、基本的にトラブルはすべて自分で対処しなければなりません。

こんなところに車は入れませんからね。

きのこ狩りにおける危険とは

  1. 誤食(毒きのこ)
  2. 遭難
  3. 滑落・転倒
  4. 低体温症
  5. 脱水症
  6. 野生動物との遭遇

誤食(毒きのこ)

「きのこ狩りをしよう!」と思う方はまず考えてくれているであろうリスクのひとつですね。やっぱり「毒きのこ」という存在は怖いです。一本食べただけで死んでしまうようななきのこもたくさん生えているので注意が必要です。きのこには幼菌・成菌・老菌という成長段階があり、それぞれで見た目がガラリと変わってしまいます。

また、雨や霧によって表面になめこのようなぬめりが出たり、晴天が続いてカラカラに乾いていたりと本当にさまざまなコンディションがあるので、初心者の方が見分けるのは至難の技です。

めっちゃ笑顔ですが毒きのこです。

対策
  • きのこの生育環境・かさ・ひだ・軸・石突きなど、パーツ毎に細かく観察する。
  • 複数のきのこ図鑑を使って調べる。(記述に差異があることもあるため)
  • きのこに詳しい信頼できる人に見てもらう。
  • 判断に迷うもの、断定できないのであれば食べない。

遭難(道迷い)

「ちょっと道端のきのこを採ろう」から発展して「ちょっと森の奥に入ってみよう」になってくると、この遭難の危険性が出てきます。

「今年はきのこが豊作だ!」「あっちにもある! お! こっちにも生えている!」ときのこを追っているうちに道に迷い、遭難してしまうというのはよくある話です。

特に単独で山に入ったときに迷ってしまった場合、相談する相手もいなければ助けてくれる相手もいません。

過信は禁物です。

常に位置確認が重要。迷ってからでは遅い。

常に位置確認が重要。迷ってからでは遅いです!

対策
  • 地図、コンパス、GPS(携帯アプリでも可)を携帯し、常に自分の位置確認をする。
  • 必ず複数人で行動し、常にお互いの位置確認をする。

滑落・転倒

きのこの種類によっては急斜面に見つかるものもあり、それを採りに行った際に足を滑らせ滑落してしまう、またはきのこポイントへ行くためのショートカットとして、崖を上り下りするときに滑落してしまう……なんて事故も珍しくありません。

疲労や突風、濡れた落ち葉、雨後の緩んだ地面などなど、ちょっとした環境の変化で滑落の危険性が増減します。

詳しい原因はわかりませんが、今年はこの滑落で亡くなってしまうケースが多かったです。

致命的な怪我に繋がってきますので、十分な注意が必要です。

嬉しそうですが、よく見るとここはかなりの急斜面です。

対策
  • 急斜面を避ける。
  • ここで転んでしまったらどうなるか……と考えたときに怖いと思う場所には行かない。
  • 笹や木々など、手がかりになるものを掴みながら慎重に上り下りする。

低体温症

「山の天気は変わりやすい」とよく言われますが、急に雨が降ってきて体を濡らしてしまうと、低体温症の危険性が出てきます。

低体温症になると、体力・思考・判断力が低下しますので遭難・滑落の危険性が増大します。

滑落などで怪我をして動けなくなったときや、雨の中夜を明かさざるをえなくなったときに低体温症になってしまうと、死亡事故にも繋がります。

また、汗冷えなどでも急激に体温を奪われますので注意が必要です。

雨以外にも沢などで転んでしまって濡れることも。

対策
  • レインウェアの上下を着る、または携帯する。
  • 予備の防寒着を用意する。
  • 速乾性のアンダーウェアを着る。

たったこれだけで死亡事故を回避できるかもしれないのです。

脱水症

きのこ採りで山に入る場合、普通の登山やハイキングよりも体力を使います。

晴れている日なんかは特に大汗をかいて、思っている以上に体の水分がなくなっていきます。

脱水症になると、めまい・吐き気・脱力感・手足の震え・ふらつきなどの症状が出てきますので、これまた、遭難や滑落・転倒などに繋がってしまいます。

沢の水がすべて飲めるとは限りません。

対策
  • 500mlのペットボトルを最低でも一本、できれば二本携帯する。
  • できれば塩分なども同時に摂取できるスポーツ飲料が望ましい。

野生動物との遭遇

これもけっこう怖いです。

クマが一番怖いですが、サルやイノシシなどもできれば出くわしたくないものです。

山に入るということは、野生動物のナワバリに入って行くことと同義ですので、出会ってしまったときの対策は必須です。

クマ撃退スプレーはすぐに取り出せるようにしておくのも重要です。

対策
  • 音の大きなクマ鈴を鳴らしながら行動する。
  • クマ撃退スプレーを携帯する。
  • 出会ってしまったら、走らず騒がず落ち着いて、クマを刺激しないようにゆっくりあとずさりする。
  • もし向かってきたらクマ撃退スプレーを構え、十分にクマを引き付けてから顔に向けて噴射する。

まとめ

以上、きのこ採りをする上での危険について書いてみましたが、まだまだこれらは危険の一端にしかすぎません。

掘り下げて行けばいくらでも書けるのですが、大事なのは、

危険なものは危険だと認識することです。

横断歩道は危ないと知っているから、左右を確認してから渡ります。

駅のホームは危ないと知っているから、黄色い線の内側に並びます。

それと同じことで、

きのこ狩りは危険を伴うと知っているから、しっかりと事前準備対策をして山に入るのです。

倒木にびっしりと生えるきのこを見つけたら、最高に楽しいです。

きのこ狩りはとても楽しいのですが、それも命あってこそです。

たくさんの人が安全にきのこ狩りを楽しんでくれたらと思います。

以下、私がきのこ狩りの際に持って行く持ち物をリスト化してみましたので、参考にしてください。

きのこ狩りの持ち物リスト

□ 帽子(虫、目つき、日差し対策)
□ 撥水性のつなぎ(丈夫でポケットなども多く、肌の露出が少ないため)
□ グローブ(漆などのかぶれ防止、タラの木などのトゲ防止、怪我防止)
□ 長靴(湿地、沢対策、また足首の怪我や蛇などに噛まれないように)
□ レインウェア上下(防雨、防寒、防虫、防汚と大活躍)
□ 予備の防寒着(フリースやダウンなど、また靴下の替えも用意)
□ タオル(汗拭きのほかにも、怪我をしたときの応急処置に便利)
□ 虫除けスプレー&虫刺され(時期によっては蚊対策も必要です)
□ 折りたたみ式簡易座布団(休憩時に重宝。応急処置時のクッション材としても有効)
□ ファーストエイドキット(怪我をしたときにあるのとないのじゃ大違い)
□ 折りたたみナイフ(きのこ採取に使えるほか、緊急時に一本持っていると役に立つ)
□ 折りたたみノコギリ(緊急時に杖を作ったり、担架を作ったりと持っていると便利)
□ 携帯電話(緊急連絡手段のほか、GPSアプリも使えます)
□ 予備バッテリー(緊急連絡もGPSもバッテリーがあってこそ)
□ トランシーバー(ガイド同士で連携し、安全確保をするためには必要です)
□ 地図、コンパス(迷ってから広げても遅いので、常に位置確認をします)
□ 昼食・および行動食(最悪山で一泊してもなんとかなる程度には持って行きます)
□ 飲み物(自分の飲み物約1Lに加え、傷口の洗浄などにも使えるように予備の水500mlを携帯しています)
□ ヘッドライト(夜明かし覚悟)
□ 20Lゴミ袋(収穫時に使えるほか、予備の衣類などを濡らさないようにするため)
□ ライター(夜明かし覚悟)
□ ロープ・カラビナ(緊急時にあると便利)
□ ツェルト(緊急時にあると便利)
□ ポケットきのこ図鑑(現場でちょっと調べたいときに便利)
□ フィールドノート(参加者の氏名や必要情報を記入し、安全管理に役立てます)
□ 収穫用のびく(改造してベルトで装着できるようにしています)
□ ホイッスル(緊急時の合図の他、クマ避けにも使える)

……とまぁ自分用以外も含め、全部で7〜8kgをザックに入れて行動しています。

正直重いですが、「これを持って行くだけで自分の命が、お客様の命が守れるなら」と思い、毎日担いでおります。

そんな私が案内しているきのこ狩りツアーの詳細は下記をチェックしてください!

きのこ狩りツアーへのお問い合わせはこちらから

以上、長野からガイドの遊でした〜。