新卒の私がベテラン編集者のたまき先輩から学んだこと【前編】〜企画考案からライター・カメラマン手配まで〜

新卒の私がベテラン編集者のたまき先輩から学んだこと【前編】〜企画考案からライター・カメラマン手配まで〜

バズー

バズー

取材依頼書作成の前にしておくこと

取材依頼書の作成と平行して、まずは取材対象者の連絡先や窓口を調べておきましょう。取材対象者とまったくつながりがない場合、HPの「お問い合わせはこちら」や「お仕事の依頼はこちら」などの項目から連絡することになりますが、事務所に所属していたり、連絡先がわからない場合もよくあります。ここでは、実際によくあるケースを紹介します。

電話番号のみ、あるいは電話番号とメールアドレスのみが記載されている場合

こちらはよくあるケースです。電話番号がわかっている場合は必ず最初に電話をしましょう。いきなり企画書付きのメールを送っても、相手にされない場合や、メールに気が付かない場合があります。中には「いきなりメールは失礼」と思う方もいるので、一度電話をして担当者の指示のもと企画書を送るようにします。

メールアドレスのみの記載の場合

いくら探しても電話番号が見つからない場合は、最初から企画書付きのメールを送りましょう。その際に、メールの冒頭に「連絡先がこちらしかなく、失礼します」などの枕詞を入れるといい、と教わりました。

伝手(つて)で取材対象者の連絡先を聞ける場合

同僚や先輩・上司のなかに、以前取材対象者に取材をしたことがある人がいる場合は、その人から連絡先を聞くこともあります。私はこのケースを経験したことがないので詳しくはまだ書けませんが、たまき先輩はよく昔の編集者仲間の伝手をたどって取材対象者の連絡先を調べています。

新米である私は、会社の同僚や先輩、上司に聞くことしかできないので、プライベートでフリーのカメラマンやライターが集まるところに行ったり、もともと奇跡的に知り合いだった方とコンタクトを取ったりしました。

連絡先がわからない+活動してるのかも怪しい場合

活動されていない可能性が高く、ほかにつてもない場合はしょうがないですが、諦めましょう……。活動されていないかどうかは、事前の取材者についてインプットする際にでわかる場合がほとんどです。

ブログやHPなどの日記ページやサイトの更新履歴をみるとすぐわかります。更新が1年以上も前になっているなら、活動していない可能性が高いと思います。

本を出版しているが連絡先がわからない場合

インスタグラムを中心に活動していて、本の出版も行なっているものの、HPもなく連絡先がわからなかったという変わったケースもあります。インスタグラムからメッセージを送ろうかと考えましたが、フォロワー数がたくさんいる方にメッセージを送ると、ほかのメッセージと混ざって流されてしまうと感じ、何か手段はないかとたまき先輩に相談したところ「本を出版している方だったら、出版社経由で連絡を取るといいよ」と教えていただきました。

さっそく出版社に連絡をしてみると……見事、取材対象者の方とお繋ぎいただき、取材できることになりました。なかば諦めかけていたので、こんな方法があったのかと驚いたのを覚えています。

さあ、まだまだやることはたくさんあります。連絡先を探している間に並行して行うのが、取材対象者に送る「取材依頼書」と「企画書」です。

取材依頼書・企画書の作成について

この作業もとても大切な作業のうちのひとつです。企画概要のほかに、日程や時間、場所、ギャランティーなど取材対象者に届けたい重要な項目がたくさんあります。具体的な必要項目は以下です。

取材依頼書必要項目
  • 宛先
  • 掲載媒体の詳細
  • 掲載媒体を運営している会社(クライアント)の詳細
  • 企画概要
  • 取材内容
  • 取材日程と時間
  • 取材場所
  • 取材時の撮影カット
  • ギャランティー(支払える場合は明記すると良い)
  • 記事公開後のSNS拡散について(必要であれば)
  • 参考記事と記事URL

取材対象者に公開記事の拡散をお願いしたい場合は、必ず取材依頼書送付の際にその旨を添えて依頼しましょう。取材が終わってから拡散をお願いすると、「拡散料が入っていないからできない」と言われてしまうこともあるようです。そうならないためにも、最初の条件をしっかりと明記することがとても重要です。

私は取材依頼書を作成するのがとても苦手で、特に企画概要の項目ではたくさんの赤字をいただきます。丁寧に伝えようとしすぎていて、回りくどい表現になっていたり、文章のリズムが悪くなっていたりと、全体的に読みにくくなっていました。

上記の課題を解決するためには、言葉の引き出しをたくさん持つことが大切です。たくさんの本や雑誌を読み、自分のなかの語彙力や、表現のレパートリーを増やすことが重要だと教わりました。たしかに、私の文章はもともとない語彙の中から必死に言葉を拾ってつくったものです。その文章では、伝えたいことが100あるうち20も伝わっていない……これは大問題です(そこで、最近は雑誌や小説を週に2冊は読むことにしています)。

取材依頼書が作成できたら、あらかじめ調べておいた窓口へ連絡しましょう。連絡手段にもよりますが、早い方だとその日に、遅くても1週間でお返事が返ってくるので、依頼書の作成から返答まで余裕をもったスケジュールで進行できると良いでしょう。

1週間を過ぎても連絡がつかない場合は、リマインド連絡をするか別の候補の方にあたる場合もあります。どうしてもその方がいいと思った相手には根気強く待って、交渉したこともあります。急ぎで返事がほしいときは、取材依頼書の送付時に「〇〇までにお返事をいただけると大変助かります」のように期限を切ると良いと聞きました。

取材対象者の方に無事オファーができたら、次の工程です。

スタッフの手配について

LIGの外部メディアコンテンツ制作チームでは、専門性の高いメディアの案件も多く扱います。そのため、専門的なライターやカメラマンを手配しなければならない場面も頻繁にあります。

私達が担当していた媒体では、フリーのライターさんやカメラマンさんに大変お世話になりました。記事の依頼から、実際に取材をするまでの流れについてもたくさんのことを教えていただいたので、忘れないようにまとめたいと思います。

依頼する前に大切なこと

はじめてフリーランスの方に依頼する場合には、その方の執筆実績やポートフォリオをあらかじめ確認すると良いでしょう。それぞれ専門分野があるので、担当媒体にあったライター、カメラマンさんなのかを選定することが大切です。

もし、こちらの間違いで専門外のライターさんに執筆をお願いしてしまうと、あがってきた原稿の内容が違っていたり、編集側でリライトが必要になってしまったりと、余計な工数が発生し、クオリティーが担保できなくなってしまいます。これは完全に編集者側の責任です。なので、ここは慎重に進めていきましょう。

依頼したい方を見つけたら、まずはその方の制作実績やポートフォリオを調べて適切かどうかを判断しましょう。そのうえで、取材前にできるだけ対面での打ち合わせを行い、媒体の認識の摺り合わせをするようにします。

「ライターなんだから何でも書けるでしょ」と思ったら大間違いで、それぞれ得意分野や専門分野がある、ということを改めて知りました。また、カメラマンも同様です。人によって写真のテイストも違ってくるので、必ず確認しましょう。

対面での事前打ち合わせで必ず話す項目は以下になります。

打ち合わせ事項
  • 媒体、トーン&マナーの説明
  • 媒体を運営している会社(クライアント)の説明
  • 企画概要(直近であるなら)
  • 取材内容(直近であるなら
  • 取材場所や時間(確定していたら)
  • 文字数(ライターさんのみ)
  • 記事内写真のテイストについて
  • メインビジュアルのデザインの有無
  • 依頼費(交通費について)
  • その他特記事項

直近で依頼したい企画がある場合は、そちらについての詳細もお伝えするようにしましょう。また、カメラマンさんの場合は、ポートフォリオを一緒に見ながらどうやって撮影したのかを聞くこともとても参考になります。これまでに関わった媒体や、撮影の方法を聞くことで、カメラマンさんのステータスを知ることができます。

もし依頼する段階で取材場所が確定していれば、詳細な住所を企画書に記載し、GoogleマップのURLなどを共有してあげると親切です。そのほかにも、最寄り駅などがわかっていれば記入しましょう。カメラマンさんの場合は、駐車場を利用する方も多いので、近隣の駐車場の有無までリサーチできているとなおよしです。

まとめ

いかがでしたか? 前編では、企画考案からカメラマンさんとライターさんの手配までをまとめました。改めて、教えていただいたことをまとめてみると、とても膨大な量になってびっくりです。思い出しながら書いているとあれも! これも! とどんどん書きたいことが出てきて、忘れたくない一心で必死に整理しました。

未経験で入った編集の世界。何をするにもはじめてなことだらけで最初は初対面する業務やタスクと仲良くなることに必死でした。もちろん、まだ仲良くなれていないものたちもありますが……。そして、仲良くなれずテンパることも多々ありました……。ですが、一つひとつの業務やタスクのコツを掴んでいくうちに、次はこうしてみようとか、ここは気をつけなければいけない、とか、いろんなポイントが分かるようになってきました。今では、働いていて「とても楽しい」と感じるときが多々あります。

もちろん(どの業界でも言えることだと思うのですが)、楽しいだけではやっていけない編集の世界……。最近では「Webの編集者はマーケティング的な思考も必要だ!」と言われることもあります。私自身、まだまだ未熟者です。月並みな言葉ではありますが、たまき先輩から教えていただいたことはほんの序章にすぎないんだと強く感じます。

同時に、教わったことが完璧にできたら次のフォーズに進めて、また見える世界や出くわす困難たちが変わってくるんだろうなとも思っています。ずっと同じことをしていたい、そう思うときもありますが、それでは「働いていて面白くない……」と感じてしまうはず。現状に満足せず、少しずつでもできることや知識を増やそうと思いました。

前編は以上です。後編では、取材場所の手配〜取材当日までについてをまとめます。その中で、アシスタント業務をしていたときの忘れられない事件についても書きましたので、ぜひ楽しみにお待ちください。

それでは、バズーでした。

外部メディアコンテンツ制作チームの実績はこちら!

この記事のシェア数

引きこもることが大好きな22歳(2018年現在) youtubeが大好きすぎて気づけば10時間見てました。 おかげで首こりが尋常じゃない、半端ないです。 この歳でピップエレキバンを貼ってるのは私だけかもしれない。 こんなことをしながら考えながらゆるーく生きています。

このメンバーの記事をもっと読む
デザイン力×グローバルな開発体制でDXをトータル支援
お問い合わせ 会社概要DL