みなさんこんにちは。クライアントのオウンドメディアやWebサイトのコンテンツ制作を行なっています、外部メディアコンテンツ制作チームのバズーです。
今年(2018年)の4月に新卒で入社し、半年が経ちました。この半年間アシスタントエディターとして、ベテラン編集者のたまき先輩から、ひとつのオウンドメディアの企画考案から納品までの行程を一通り学んできました。
今回は自分の中での整理とアウトプットも兼ねて、企画考案から取材当日までの業務の中で準備すると良いものや、気をつけるべきことについてを、前編・後編にわけてまとめました。前編となる今回は、企画考案からライター・カメラマンさんを手配するところまでのポイントについてお話しします!
企画考案をする前に必要なこと
企画を考えるときには、下準備が欠かせません。まずは企画考案の前段階におけるポイントをまとめました。
担当媒体の過去記事はすべて読む
最初に教えていただいたのは、担当した媒体に過去記事がある場合はすべてに目を通しておくということ。すべての記事を読むことで、媒体のテイストやトーン&マナー(以下トンマナ)、クライアントが求めているクオリティーの基準がどれくらいなのかがわかります。
といっても「すべて」というだけでは曖昧なので、実際に注目すべきことをまとめます。
媒体や記事のトーン&マナーの把握
編集用語では、文章を書くときに言葉を漢字にすることを「閉じる」、ひらがなにすることを「開く」といいます。この「閉じる」と「開く」、実は媒体や雑誌のトンマナによって大きく違ってきます。たとえば、
・経済やビジネスなどをテーマにした堅めの記事であれば、文字が閉じていることが多い。
→漢字を多くすることによって、真面目で堅い雰囲気になる
・主婦層向けの育児や家事に関する記事は開いていることが多い。
→ひらがなを多くすることで、やわらかい雰囲気になる
既存の記事を読む際は、文章の表現や文字の表記に注目すると、校正ルールも同時に把握することができます。
写真のテイストや配置の確認
その媒体に掲載されている写真を見ることにより、クライアントが求めている写真のテイストを知ることができます。また、見出しのあとに写真が配置されているのか、記事の流れによってランダムに配置されているのか、といったレイアウトも同時に確認します。
Web記事では横位置で写真を使うことが多いですが、前もって写真のサイズや種類も確認すると良いでしょう。
記事内写真かかる工数も想定できるので、スケジュール管理もしやすくなると教わりました。
スタッフのクレジットとプロフィール欄などの確認
ライターやカメラマンを外注する場合には、クレジットを表記できるのかの確認はとても重要です。また、取材対象者のプロフィール欄の有無もあわせて確認をしましょう。
企画考案前の準備はざっとこのような感じです。ですが、準備はまだまだ終わってはいません。一通り、担当媒体について隅から隅まで把握したら次のフェーズに移ります。
企画考案で大切なこと
担当媒体の情報収集が終わったら、次は企画考案です。実際に企画を考案していくなかで、どうインプットをしていくのかについてまとめます。
媒体と同じ、あるいは近いペルソナの雑誌をたくさん読む
媒体に近いペルソナの雑誌をとにかく読むことで、企画考案に必要な情報やターゲットが求めていることがインプットができるほか、その雑誌の表現(トンマナ)が記事制作の参考になることもあります。
さらに、ターゲットとなる読者が求めているジャンルの旬や流行りも知ることができるので企画の幅も広がります。
私とたまき先輩は、それぞれ空いた時間で書店やインターネットを使って、ターゲットに近い雑誌を探し、それを参考にして共有会を行なっていました。最終的には、そのなかで一番テイストが近い雑誌を一冊だけ選び、定期購読をしました。文章や見出し、取り扱われている内容を参考にするのはもちろんですが、写真のテイストにも注目します。
というのも、私たちが担当していた案件は写真に高いクオリティーが求められていたので、写真の表現についても参考になりそうなものを探しては印をつけていました。
ちなみに……文章についてはただ読むだけではなく、「自分が目を留めたキャッチコピーは自分の引き出しの中に入れておくといい」と教わったので、ドキュメントにまとめるようにしています。
取材対象者についてとにかく調べる
企画をたてる際に、取材が必要な場合は「取材をしたい!」と思った相手についてとにかく徹底的に調べます。その人の著書や過去のインタビュー記事、その人がやっているブログなどをできるだけたくさん読んでいました。この作業は、記事構成や質問案を作成するときはもちろん、インタビューをうまく進行するために大切なので、時間をかけてでも行うべき業務です。
その人のことを「私が一番よく知っている!」と言えるまで調べておくと安心でしょう。
担当媒体や、やりたい企画について事前準備ができたら、次は存分にアウトプットしていきます。
企画立案で忘れてはいけないこと
企画考案までの必要な準備が終わったら、次は企画立案です。この作業の私の中のイメージは「存分にインプットして、アウトプットをする」感じです。
取材対象者についてインプットをしっかり行なったうえで、自分が考えた企画内容と取材対象者のキャラクターが合っているのか、取材対象者にとってのメリットはあるのか、それは媒体のトンマナに合っているのか……そして、トータルで見たときに、それらがクライアントのニーズをしっかり満たしているのかを忘れてはいけないと教わりました。
企画立案の場においては、そもそものインプットが少なければ、当然アウトプットの質も下がることになります。最初はなかなか大変で、かなり時間がかかりました。パソコンの前で考えても前に進まず……焦っていたことを覚えています。
そんなとき、教えていただいたのは、「紙で書く」ということ。自分が表現したいものをとにかく紙に書いていきました。そのなかで一つひとつの要素を集めて、必要なものを当てはめていくといった感覚でした。
企画提案
次は、立案した企画をクライアントに提案します。担当媒体によってクライアントへの提案方法は異なりますが、私達が担当していた媒体においては納品本数が多かったので、以下の項目をスプレッドシートに記入し提案していました。
- 提案項目
-
- タイトル
- 企画概要
- ターゲット
タイトルは仮でもいいのですが、企画概要にそったものにするのが基本です。一番力を入れるのが企画概要の部分。ここではざっくりした内容を伝えるのではなく、なんの企画なのか、どういう記事スタイルなのか、読者に何を伝えたいのかなどをはっきりと簡潔に書いていきます。また、当然ですが誤字脱字には気をつけましょう。
最初のころは、立案時に作成した資料をもとに企画概要を書いてみても形にすらならず、何度も修正を繰り返しました。今ではある程度形になってきたものの、「文章全体に「伝えたい」という熱がこもりすぎて、かえって伝わりづらくなっている」……とご指摘をいただくこともあります。
また、クライアントに企画を提案していくなかで、最初の段階で企画をしっかりと詰めるところまで詰めて提案をしないと、その後の動きが遅くなることがわかりました。企画内容に対しての、クライアントとのやりとりの回数が増えてしまうからです。質問や修正点が多いということは、クライアントにとってわからないことが多く、企画の方向性が違うということでもあります。クライアントのニーズを読み取り、可視化できるところはしっかり可視化して提案することがとても大切だと実感しました。
クライアントに提案した企画が通ったら、次は取材対象者に取材依頼書を送ります。