こんにちは、デザイナーの藤田です。
今回のブログでは、先日開催した「居酒屋 藤田 ~しっぽりとデザインについて語る会 第3回~」のイベントレポートをお届けいたします。
▼前回開催のレポートはこちら 居酒屋 藤田 ~しっぽりとデザインについて語る会 第2回~ イベントレポート
- 「居酒屋 藤田」とは
- デザイナー藤田が店長を務める、デザインについて「しっぽり」お話する会です。パネルディスカッションと交流会の2部構成で、主催側だけでなく、全員参加型でデザインやWebについて質問したり考えたりします。とは言ったものの……セミナーとか勉強会と言うより、デザイナーが集まるホームパーティーみたいな感じが近いかもしれません。参加者同士のつながりが広がるイベントです。
上記のような内容で隔月開催をしております。
第3回のパネルディスカッションにはゲストパネラーとしてムラマツヒデキ氏(QUOITWORKS INC.)をお招きして開催いたしました。
今回のレポートではムラマツさんにお越しいただいたこともあり、とくに盛り上がった第1部のパネルディスカッションを中心に振り返っていきます!
「居酒屋 藤田」イベントレポート
開店しましたー♪
今回のテーマは「ウーロンハイ&たこやき」!
LIGデザイナー陣でたこ焼きを焼き始めます。
ウーロンハイ担当は、前回のハイボール作りにてお酒が濃いとダメ出しが続出したミシェルがリベンジ!
お客様が続々と集まって来たところで、みなさんと乾杯をしてイベントスタートです。
第1部:パネルディスカッション開始
今回はゲストパネラーに、「さよなら、銀行」・「バーチャル黄金比注ぎ」・「Loftwork Inc.」の制作に携わるなど、Webデザインの第一線でご活躍されているムラマツヒデキ氏(QUOITWORKS INC.)をお招きし開催を行いました。
また、LIGを退職しFIT名義でフリーランス活動を始めたトミーも引き続きパネラーとして参加。
ディスカッション内容は事前に参加者の方から応募した「デザインに関する疑問」から質問を5つに絞り、ふたりに持論を語っていただきました。
語っていただいた内容がとても参考となったので、印象に残ったおふたりの意見を紹介したいと思います。
※質問内容は参加者の方からいただいた原文で掲載しております。
トミー デザインは海外の方が先進的なので、洋書を見たりしています。文字を全部読むわけではありませんが、レイアウトとかフォントの扱いなどを参考にしています。Webだと海外のほうが進んでいるので、その流れがトレンドになったりすることは多いですよね。
ムラマツ 色々やってます(笑)。具体的にやっている内容をお伝えするとしたら、積極的に多くのデザイナーの方と交流して、デザインについての意見交換や作ったデザインの意図を聴く場を設けています。
また、Webデザイナーはグラフィックデザイナーに比べてデザインの知識が低いと感じることが多いので、デザインの座学の時間を設けることと写真を日常的に撮ることを意識しています。
前者については、「世界で有名なデザイナーを10人挙げろ」と言われてもWebのデザイナーは答えられない人が多いと思いますが、「デザイナー」という肩書きを持った以上は職務をまっとうするためにグラフィックのデザイナーと同じくらい知識を身につけるべきだと考え、積極的に行っています。
写真を日常的に撮るのは、撮影現場でのアートディレクションのスキルが向上するという点と、予算が少ない案件の際に自分でカメラを撮ることができるというメリットがあるからやっています。
ムラマツ サイトのゴール(目的)が何かということを明確に理解することと、それをクライアントと共通認識として持つようにしています。
トミー ムラマツさんとほぼ同じで、ゴールが共有できていることは前提ですね。ほかに挙げるとすれば、コンセプトが最初から言語化しにくい場合や言葉だけでは共通認識を持つことが難しい場合に、サイトのゴールに沿ってムードボードを作るようにしています。
トミー これはけっこう難しい質問ですね!
ゴール設定が明確であれば、大きく乖離することは無いとは思いますが、ユーザ目線でデザインを捉えるために競合調査をしっかりと行うようにしています。あとは途中段階でもデザインを恥ずかしがらずに人に見てもらうようにしています。
ムラマツ ユーザー目線とデザインとの乖離が起こらないように2番目の質問項目で答えた「サイトのゴール(目的)が何かということを明確に理解し、クライアントと共通認識を持つ」という作業をしっかりとするようにしています。
また、クライアントがデザインを見る際にも「ユーザー目線からずれないようにしてあげる」のはデザイナーとして大事な仕事のひとつだと思ってます。それでも乖離を感じるときは「デザイン下手だなー」ってヘコむようにしています(笑)。
ムラマツ フェーズによって変わってくるので一概には言えませんが、市場価値の高いデザイナーになるための努力をしていくのがいいと思う。「市場価値」に関しては次の質問でお答えします。
あとは「デザインもコーディングも」と色々やりすぎないほうがいいというのが僕の持論。Garden Eightさんのように両方やっても上手くいくというケースはありますが、大抵は両方やってたという人より、デザインまたはコーディングを専任でやっている人の方がいいプレイヤーとして成長している印象を感じます。
トミー 僕のフェーズでいうと、最近フリーランスになったのでディレクションも頑張っていきたい。お客様と対峙して与件整理や課題抽出を行う能力や、お金の管理・外部パートナーとのやりとりなど、アートディレクションをする前のディレクションスキルも身につけていきたいと考えています。
あとは動画のスキルを身につけたいです。動画は静止画よりユーザーに委ねる部分が少なく、情報を伝達する手段として優れているので、勉強していきたいと考えています。Webと動画の相性はかなりいいと思っている背景もあったりします。
トミー (「市場価値の高いデザイナーになるには?」について)一般的に言われてることは「専門性(スキルが高い)」・「希少性(その人にしかできないことがある。たとえばイラストが描けるなど)」・「人間性」の3つで、この能力をバランスよく伸ばすでもいいし、特出させるのもどちらでもいいと思います。仕事で考えると「専門性」や「希少性」だけで仕事をする人はかなり上位の方だと思うので、「人間性」ってけっこう大事な気がします。また、これらと同じくらい大事なのが、「発信」をして周りに活動を知ってもらうこと。
とは思っていますが……一番は案件で評価されることだと思います。「なにを作った人?」って絶対聞かれることなので、ここを一番に考えています。
(「市場価値の高いデザイナーを育てる環境は?」について)モチベーションが高いことを前提に、手を動かしつつ教えるのが好きな人の下につくことかなと思います。教えたいと教わりたいという関係値が築ければとてもスムーズですね。ちなみに僕は教えるのは苦手な方なので、いつも教わってます(笑)。
ムラマツ まず「市場価値の高いデザイナーとは何か?」というところから言うと、仕事としてデザインをしている以上、給与に対し売り上げの高いデザイナーが市場価値の高いデザイナーだと思います。極論を言ってしまえば、「手を動かさなくても、お金を産むデザイナー」や「給与が安くて、そこそこのデザインをする若手」は市場価値の高いデザイナーだと思います。
ただ、この答えだと面白くないので、事業会社に勤めているデザイナーだったらコンバージョン率の高いデザインを作れる事、制作会社に勤めているデザイナーだったらポートフォリオが充実してることが大事だと考えております。
そして、「市場価値の高いデザイナーを育てる環境」としては会社として個々の名前をどんどん出していくことがクリエイターの成長意欲を高めることにつながると考えています。案件を自分たちの制作実績として掲載していいかクライアントに交渉する努力を怠ったりするのは見ていて残念なケースだと思います。
第2部:交流会
パネルディスカッション終了後は交流会へ
パネル登壇を終えたムラマツさんやトミーに追加で質問をする方や、来場者さん同士で交流したりと和気あいあいな雰囲気の会でした。
そして本物の居酒屋へ……
このイベントの恒例行事が始まりました!
ムラマツさんやトミーとともに交流会だけでは話し足りない方と本当の居酒屋へ移動! 2次会での会話内容はよりディープなデザインの話に。
明け方近くまで皆様とデザイン談義を行うことができ、とても楽しかったです。
それでは皆様また〜!
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