書籍編集からWeb編集に転職して感じたこと

書籍編集からWeb編集に転職して感じたこと

とり

とり

はじめまして、エディターのとりです。

前職では実用書(主に料理書)の制作を3年半ほどやっていて、今年の2月末から編集・ライターとしてLIGに入社しました。
正直、編集職ならWebも出版も大差ないだろうと思って転職したのですが、出版業界とWeb業界の文化の違いに戸惑ってばかりの日々を送っています。
とにかく新しく覚えなければいけないことで頭がいっぱいで、毎晩夢の中でも出社してしまう始末。
睡眠の質が明らかに低下しているから、早いとこ慣れてぐっすり眠りたい。

というわけで、記念すべき初ブログのテーマは「書籍編集をやっていた私がWeb編集に転職して感じた文化の違い」

遠くない未来には今の環境にすっかり慣れ、こんな気持ちも忘れている予定なので備忘録として。
それと、出版からWebへ転職を考えていて「紙とWebって実際どう違うの?」と気になっている人にも現場の雰囲気を少しばかりお伝えできたら嬉しいです。

私が感じた文化の違い

印刷しないで校正する

LIGでは(Web業界では?)原稿のチェックをPCの画面上で行い、その場で直接データを修正します。
これ、完全なる「紙様」信仰だった私にはショッキングでした。

書籍時代は、何はなくともまず印刷。原稿チェックもデザインチェックも、メールもWebページも……「とりあえず印刷しときゃ安心っしょ」といった感じで、毎日大量の紙を消費していました。

校正チェック&原稿データを修正を行う際は、

  1. 紙に印刷
  2. 印刷したものに赤字書き込み
  3. データ修正
  4. 確認のため再び印刷

という流れが一般的。
モニターだけで確認することは、ごくまれです。

特に表記の統一(例えば、「美味しい」と「おいしい」の表記をどちらかに揃えること)をするときは間違い探し感覚で、「ここだけ形が違う」というふうに統一モレ箇所を発見していました。
紙の場合は、まとまった文章がひと目で見えるので見つけやすいのですが、PC画面では、スクロールで前の文章が流れていくので、ついつい見過ごしてしまいます。
紙と画面では、間違い探しの2枚の絵を同時に見比べられるのと、どちらか一方ずつしか見られないくらいの難易度の差があると思いますが、私だけなのでしょうか。
先輩社員はPC上でサクサク修正しているし、表記揺れにも気づいているみたいです。

本音を言えば、Webの記事でもすべて印刷してから校正した方がミスが少ないはず。
とはいえ、PC上だけで確認できるほうが効率的だし、何より紙を大量に消費することに少し罪悪感を覚えていたので、このやり方にも慣れていきたいと思っております。

社内チャットの通知が鳴り止まない

社員同士のやりとりがチャットを中心に行われることにも驚きました。
部署や案件ごとのグループがたくさんあり、就業時間中はひっきりなしに通知が来ます。
隣の席にいるのにチャットで連絡が来るので「直接話せばいいじゃないですか」と言ったら、「ログが残るから」だそうです。超おっしゃる通り。LIGのみなさんは合理的です。

LIGに来る前は、仕事の連絡ツールは基本メールで、多くても1日10件程度のやりとりしかなかったので、チャットのスピード感と量にやや圧倒されていますが、小学生時代、チャットサイトに1日10時間以上張り付いて必死でタイピングしていた頃を思い出して頑張ろうと思います。

分刻みのスケジュール

LIGに入社してから、時計を1分単位で意識するようになりました(前の職場では昼休み前と退勤時間前ぐらいしか時計を見なかった)。

仕事のスケジュール管理はGoogle Calendarを使うのですが、迷惑なことにありがたいことに自分のスケジュールが他の人からも見られるようになっているのですね。で、特に予定がないとわかると会議や打ち合わせがバシバシ入ってくる。

前の職場は社員5人程度の小さい事務所だったので、ほとんど個人プレーで時間の管理も自分次第でした。
だから「は! あと3分でこれ終わらせなきゃ!」とか「この会議終わったら移動してまた会議!」といったせわしない感じは新鮮。

集中し始めたタイミングで中断されると「ア〜〜」ってなりますが、それは私が若輩者だからなのでしょう。
いついかなる状況でも気持ちを切り替え、瞬時に集中モードへ入れるよう、YouTubeのヨガ講座で心と体を鍛えていこうと思います。

打ち合わせがちゃんとしてる

「こんなちゃんとしてる打ち合わせもあるんだ」というのが、LIGの打ち合わせに初めて参加したあとの率直な感想です。

書籍時代の打ち合わせは、良くも悪くも雰囲気の共有といった感じで、「なんとなくこんなもの作りたいんですけど、どうですか?」という依頼者に対し、「はいはい、こういう感じですね?」とざっくりした共通認識を持てたら打ち合わせ終了。

数ヶ月かけて完成に近いものを見せてみたら、「なんか思ってたのと違うからココとココとココ、あとココを直して!」と、原稿が見えないくらいの赤字を戻されることもあったりして、依頼側の伝え方や受注側の理解・実現力がかなり試されるやり方でした。
(出版業界全体がそう、というわけではなく、あくまで私が働いていた現場の話です)

ところがLIGでは、打ち合わせに入る前にアジェンダが決めてあり、「誰がやるか」「いつまでにやるか」「実際にどんな工数で進めるか」などの具体的な部分までも決めていたので、「ちゃんとしてる」と思ったわけです。

本当は書籍の打ち合わせでも「いつ?」「だれが?」「どうやって?」と確認したかったので、気持ちよくもありました。

(今振り返ると、書籍の制作は1件あたりのボリュームがかなり大きいので、あらかじめ決めておいても制作途中で「なんか違う……」となったり、決定事項に甘んじて思考停止になるのは危険だったりで、その時々の現場の対応が重要だからざっくりとした打ち合わせになっていたのではと思います。なので、雰囲気打ち合わせが悪いと言いたいわけではないです)

最後に

ここまで色々なことを書いてきましたが、これらはあくまでも本質とは別の話。
実際に書籍からWebへ転職してみて感じたのは、「よりいいものを作るには?」という問題について考え続けている点では同じだということです。

書籍を作っているときは、企画から台割り(本の設計図のこと)作成、原稿作成、撮影、デザイン、入稿の全てに関わっていたのですが、そのときに鍛えられた、ものごとを横断的に考える力はかなり役に立つと感じています。
LIGは大きな会社ですが、良くも悪くも仕事の境界線が曖昧なので、自分の領域外のことにも積極的に意見を出し合える雰囲気。
私の場合は、自分のことだけに集中して職人的に仕事をするのが苦手なので、色々なことを考えられる環境はありがたいです。

とはいえ、考えなきゃいけないことが多すぎて大変なこともあるので、編集の仲間も増えたらいいなと思ってます!
時流に流されるだけじゃなく、自分なりの美意識を持って仕事に取り組める人と一緒に働きたいです。

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それでは! とりでした〜。

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エディターのとりです。 LIGに来る前はレシピ本を作る事務所で編集したり料理作ったり原稿書いたりぬか床かき混ぜたりデザインしたり色々やっていました。 ムカつくことがあったら何かをグツグツ煮込みます。 煮込み料理で冷蔵庫がパンパンになることもままあります。 未だ思春期に終わりが来ないのが悩みですが、なんとか社会に居場所をつくるために頑張ってます。

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