こんにちはこんばんは、もりたです。
実は私、2012年の6月にLIGに入社していまして、そろそろ6年が経とうとしています。長いことブログで顔出しNGとしていたのでとても影が薄いんですが、実はそんなにいたんですよ。
ところでデザイナーは毎週1時間、業務時間中に勉強会を開催しています。
同職種での交流や意見交換、こまごましたナレッジの共有などが目的です。
長い(当社比)在職歴の中で、その勉強会もかつてのデザイナーたちによってさまざまな試行錯誤が繰り返されてきました。新年度だし、今日は反省の気持ちも込めて、今までの弊社社内勉強会の内容を振り返ってみたいと思います。
御社、何してる? 弊社、こうしてきました。
技術系
意見交換勉強会
私が初めて体験した”社内勉強会”です。毎回決まったテーマに対して意見を交換するスタイルで、テーマに関しては希望者からの提案制だった覚えがあります。
この頃はマークアップがデザイナーの仕事で、HTML5/CSS3への移行期だったので、クラス名の命名規則どうしてる? とか、メタタグって何入れてる? といった些細な話題も多かったですね。
当時デザイン・コーディング両方に好奇心旺盛なデザイナーがいて、彼がいろいろ新しい知識を披露してくれる場でもありましたが、逆に受け身な人はほぼ勉強会に関わらない状態に。
このスタイルは全員が自発性のあるタイプでないと、意欲のムラが大きくなりがちです。
ただ全員が意見交換するというスタイルだったので、新規技術の導入に関して常にこの場で相談できたのはよかったです。
よかったこと | 新規技術の導入に関して常にこの場で相談できた |
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反省点 | 受け身な人への対策が必要。全員が自発性のあるタイプでないと、意欲のムラが大きくなりがち |
指名勉強会
「○○さんに○○を教わりたい」という指名制で社内講師を招いて開催するスタイルの勉強会。指名した人が、指名相手に依頼し日程を決定するところまでがセットです。
デザイナー以外でも「○○さんは○○が得意」という、お互いの得意分野を知らないとできない指名制ですが、教える側も何を教えればいいのか指定されているため比較的やりやすかったように思います。
あと自分が教えられる側になれるという心理的負担の軽さがデザイナーには好評でした。あまりよくないことですが、デザイナーってそういう所あるでしょ……。
得意な人にAfterEffectsやカメラの基礎について教わったり、フロントエンドエンジニアにマークアップについて質問したりと、何度か開催されましたが、それぞれの必要とするスキルセットが違うため、みんなが揃って知りたい技術を考えるのが難しくなったため終了しました。
また教わったこともすぐに反復しないと忘れるもので、座学回の次は実践回を設けるなどして、ひとつのテーマに対して深掘りできればよかったのかもしれません。
あと宿題はみんな忘れるからやるなら”その場”ですね。宿題はみんな忘れる(私も含めて)。
よかったこと | 知りたかったことを教えてもらえた |
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反省点 | 全員参加にするなら会社としてデザイナーが目指すべき成長のゴールを定める 宿題はその場で。座学だけではなく実践を同時にすべきだった |
考える系
仮想サービス企画会
この画像は当時サリーさんが作ったもの
LIGの人数が少なかった頃、デザイナーももっと売上に貢献できないかという話から「自社のWebサービスを考えてみよう」と始まった勉強会……だった気がします(うろ覚え)。
毎週進捗報告をして、期間は2ヶ月くらいかけていたような……?(うろ覚え)
デザイナーの中で2人1組を作って、「どんなサービスにするか」から企画を設計、慣れないながらマネタイズについても考えて、ディレクターと経営陣の前で発表、優秀なものがあれば実際に作ろうという約束でした(そのままの形では結局採用されませんでしたが)。
その頃はまだデザイナーがクライアントと直接やり取りする機会が少なく、資料づくりやプレゼンの勉強にもなったのを覚えています。
今は若手以外のほぼすべてのデザイナーがクライアントに直接提案していますが、マネタイズを考える機会はほぼありません。集客についも他職種任せになっているところも多いので、より上層工程を知る意味で、今やっても面白そうです。
よかったこと | 初めて企画書を作り、プレゼンや資料作りの勉強になった。デザイナーがマネタイズについて考えるきっかけになった |
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反省点 | 発表した後、実際にサービス化するところまでデザイナー自身が考えることができなかった |
いいデザイン共有会
自分が住んでいるペット共生型物件の住宅デザインについて発表してくれたデザイナーの写真
月1回、いいと感じたデザインの何がいいのかをプレゼン形式で発表する勉強会です。主に若手デザイナーとデザイナー以外の職種の人たちに、デザインコンセプトについて考えてもらうことを目的とした会です。
資料はあれば最善ですが、なくても大丈夫。
最初はWebサイトに対象を限定していましたが、範囲を広げたほうがいいだろうということで、紙・動画・プロダクトなどさまざまなジャンルの「いいデザイン」が発表されました。
最初は聞いているだけだったデジタルハリウッドSTUDIO上野 by LIGの生徒も、最後には登壇側として参加してくれるなど、一部で人気は高かったのですが、社内の聴講率が下がったことや発表コストが高いという声が高まったことにより終了。
各デザイナーが「何をいいと思うのか」は聞いてみると意外とバラバラで、お互いが知らないデザインに触れることもできたので、業務に余裕さえあれば続けたかったです。
他職種の人にはWeb制作の業務に直結しないデザインの話はあまり反応がよくなかったため、もし聞いてもらうのであればデザイン思考を社内に浸透させるほうが先だなと感じました。
よかったこと | 他のデザイナーのデザインに対する考え方を知ることができた。自分の知らないデザインに触れることができた |
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反省点 | 先にデザイン思考を社内に浸透させる必要があった |
ブログ記事の内容を考える会
これは最近行っていたものです。
実はこのブログ記事、月1記事がノルマになっているんですよ……。
毎月みんな直前でネタに悩むので、だったら ネタを先に発表して、他の人から「こういう内容が書かれているとうれしい」などのフィードバックをもらえば多少書きやすくなるのでは 、という狙いではじめました。
それぞれの得意なことが見えやすくなりますし、書く前に内容の軌道修正もしやすくて私は助かってるんですが、参加メンバーにとっての利点が少ないので次の勉強会に切り替えることにしました。
よかったこと | それぞれの得意なことがわかる。書く前に内容のチェックができる |
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反省点 | 参加メンバーが楽しくない。技術的にプラスになりづらい |
実践系
デッサン教室
美大出身で、デッサン教室の講師もやったことがあるデザイナーが入社した時期に開催されていたデッサン教室。業後にデザイナー以外もOKな自由参加形式で開催していたこともあり、和気あいあいとして人気度は高かったです。
教えてくれたデザイナーが、残念なことに退職したため勉強会そのものが終わってしまいました。
若手デザイナーに立体感の指導をする際、デッサンの必要性を感じることがよくあるので、一番継続したかった勉強会です。
今後開催するのであれば、会社としてきちんと講師の方にお金を払って続けるのが最善ですね。
よかったこと | デッサンの必要性を学べる。デッサン力がつく |
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反省点 | 継続して開催するコストを講師役の善意に甘えて任せていた |
自主制作会
せっかく毎週時間を取っているんだから「デザイナーとして楽しいと思えるような活動をしていきたい」「案件の合間の息抜きを兼ねつつ、ものづくりに取り組める時間にしていこう」ということで、じっくり取り組んでみたいものをそれぞれのデザイナーに出してもらいました。
最終的に【上野の地ビール】と【上野を勝手にブランディングするWebサイト】の2つが残り、2つのチームに別れて作業をすることに。
残念ながらWebサイトは企画・調査の段階で時間を使い切ってしまい完成しませんでした……。
上野の地ビールは名前の通りビールを作ることを目標にして進行。最終的にはパッケージの制作まで行い、社内で楽しみました。
全体的にはとても楽しめましたが、Webサイトの方は形にならず、またビールも手づくりキットを使って仕込んだ後はあまり活動もなく、反省点の多い企画でした。
まず何ヶ月で完成させるのかを決めた後、細かいスケジュールに落とし込まなかったこと。そして業務時間を使うのだから、楽しみながらも、業務や会社にプラスになる内容にするなどの制限を設けるべきだったこと。
あとこれは個人的な反省ですが、普段Webサイトを作ってるんだから、せっかくならWebサイトじゃないものを作る縛りにすればよかったな、と思いました。
ちなみに手づくりビールキットでつくるとアルコールが1%未満なので酒税法の定める「酒類」に分類されないのだそうです。この時初めて知りました。
よかったこと | 好きなことを制作できる開放感 |
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反省点 | 活動をどのように会社に還元していくかを想定していなかった。ゴールに対して進行管理をきちんとすべきだった |
トミー会
トミーが自分でコードを書いて発表した力作(本物は動く)
社内でこう呼んでた上に、うまい言い方が見つからなかったので仮称のままご紹介します。
単純にトミーが発端で主催だからトミー会。Webサイトのオープニングアニメーションやメニューの展開など、パーツごとの演出に関するテーマが毎回設定され、「こういうのやりたい」という具体的な動きを制作し、発表する会です。
制作するツールはなんでもよくて、Javascriptを書ける人は自分で書いたり、この機会にAfterEffectsを覚えたり、Photoshopで地道にGIFを作ったり……それぞれの個性が出ていました。
途中からフロントエンドエンジニアも参加してくれましたが、技術的なアドバイスを貰うのか、制作してもらうのかを決めていなかったため、上手い意見交換をすることができませんでした。
いま思うと「これいいよね」「こういうのもいいよね」「いい…」だけでよかったな、もっと気軽に参加してもらえたなと。
勉強会を開催するときは、各参加者にどういう行動を求めるのか、きちんと決めておかないと、率先して喋るタイプの人以外は聴くだけになってしまいますし、主催者側からも促せないので要反省です。
よかったこと | 新しいツールを覚えるきっかけになった。受託ではできない表現を試せた |
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反省点 | フロントエンドが積極的に参加できる方法を考えておくべきだった。仕事に余裕を持たせるなど自主制作のコストをマネジメントで担保できなかった |
発表系
制作物共有会
デザイナーも人数が多くなるとどんな業務に携わっているかわかりづらくなるもの。デザインがFIX、あるいはリリースしたプロジェクトに関して、制作したデザインとコンセプト、苦労したことなどを共有する会です。
やっていなかった時期もありますが、やはりデザイナー同士お互いどんなものをつくっているのか気になるので、何度か形を変えて今も継続中の勉強会です。
LIGではブログのアイキャッチやバナー制作は若手デザイナーの仕事です。制作期間が短いので、若手デザイナーの発表は週1回、Web制作をしているデザイナーの発表は月1回挙手制、など頻度を変えて対応しています。
人によって提案資料の共有があったりなかったりとまちまちですが、Web制作の場合は全員提出にしたほうがいいかな、と最近考え中。
よかったこと | 他のプロジェクトのナレッジを共有できる |
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反省点 | 提案資料などはなく口頭での共有なので、発表内容を蓄積できない 発表内容と資料を簡単にでもRedmineに記載し事前共有するフローにすべきだった |
さいごに
デザイナーのリーダー(野球部の主将は必ずしも4番バッターではない)を務めて3年ほど。複数人で相談しながらリーダーをしていた時期も長くありましたが、毎度頭を悩ませるのが社内勉強会です。
「勉強会にみんな飽きてるなー、積極的じゃないなー」と思うたび、他社の社内勉強会について知りたいと願うんですが「こういうの試してみたけどよくなかったわ」とか「これは反応よかったわ」という話って知れる機会があまり無いなあと思ったので書いてみました。
それぞれの組織にとって適したスタイルがあると思いますが、何かの参考になれば幸いです。
あと御社のデザイナー勉強会について記事にしてもらえたら、読みに行きたいのでフッターのフォームからURLをポチッと送ってください、ぜひ。
それでは、もりたでした。
LIGはWebサイト制作を支援しています。ご興味のある方は事業ぺージをぜひご覧ください。