うぬらこんにちは!
カリカチュアの帝王、田中ラオウです。
今回は田中ラオウのゾンビカリカチュアをご紹介いたします。
まずはこちらをご覧ください。
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このように顔の特徴を誇張しつつゾンビ化させて描く似顔絵のことを「ゾンビカリカチュア」といいます。田中ラオウは一部のカリカチュアマニアの間では日本におけるゾンビカリカチュアのパイオニアとして認知されています。
ゾンビカリカチュアの歴史
ゾンビカリカチュアは、90年代にアメリカのSean Gardnerというカリカチュアリストが発表したのが始まりと言われています。その後、世界各地に着々とSeanに影響を受けたアーティスト達が育ち、Sean自身現在もNick Mitchellという相棒とともにゾンビカリカチュアアーティストとして活躍しています。
http://www.zombiecaricatures.com/
日本では2009年に僕が描き始めたのが最初なのですが、当時周りにはゾンビカリカチュアの前例も定義もなかったためメールでSeanに作品を見てもらっていました。そして以下のようなメッセージを貰ったので僕としては本家の公認を得たようなもんだと思ってます。
I just saw the Zombie caricature you did, and I must say I am extremely impressed. Occasionally people send me images of their zombie caricatures, and although it’s very funny, and I am deeply honored and appreciative, I am often not very impressed (honestly). Yours however!! Is AMAZING!!! I very much love it and want to see more.
訳〉たった今あなたから送られてきたゾンビカリカチュアを見ましたが、メチャクチャ感動しました。たまに他のアーティストからゾンビカリカチュアを送ってくることがありますが、確かに面白いし、すごく光栄で感謝はしますが、それほど感動することはありません。しかし、あなたのは!!すばらしい!!!すごく気に入ったし、もっともっと見たいです。
ゾンビカリカチュアの描き方
今回は、そんなゾンビカリカチュアの描き方をご紹介します。ご自身がゾンビカリカチュアリストになるときは以下を参考にしてくださいね!
photograph by 吉原ゴウ
今回のモデル写真はこちら! 僕です! とっても帝王ですね!
step.1 下書き~ペン入れまで
手描きの線画をPCに取り込んでPhotoshopで色を塗る方法
前回同様、下書きをキッチリ描いてからペン入れをしていきます。
線画はこんな感じです。
皮膚が破れて中の筋肉や骨、腱や血管が露出しています。ゾンビカリカチュアは人体構造を意識して描くことがとても重要です。内臓→骨→筋肉→脂肪→皮膚という重なりを、常に意識して構造に矛盾がないか確認しながら描きます。説得力のあるゾンビを描くため、最初は解剖学的な本を読み漁りました。
ちなみに、僕のゾンビカリカチュアは基本的に脂肪と血はほとんど描きません。だって脂肪が見えてたり血がビシャビシャだったら
キモチ悪いじゃないですか。
step.2色塗り〈皮膚〉
まずは黒に一番近いこげ茶で影をつけて絵に立体感を出していきます。このこげ茶が薄いと黒い線が浮いて見えてしまうのでしっかり色を乗せていきましょう。
今回は右から自然光が当たり、左からは紫のライトの光が当たっている設定にしましょう。ゾンビカリカチュアは緑と紫との相性が抜群に良いです。とSeanが言ってました。
皮膚の裂け目を暗い赤で塗っていきます。こうすることで皮膚が裂けたダメージを演出できますし、皮膚と中身との境目が分かりやすくなります。
皮膚に緑を足します。腐った皮膚の表現です。より腐った印象にするためにブツブツを描いたりネバネバを描いたりする場合もあります。僕はそういう事はしませんが。
だって皮膚にブツブツとかネバネバが描いてあったら
キモチ悪いじゃないですか。
青緑で浮き出た血管を描いていきます。
薄い肌色で元々の肌の色を加えます。
これで皮膚の描き込みはおしまい。
step.3 色塗り〈お肉と骨〉
まずは赤でお肉の色を描いていきます。筋繊維の流れに沿って、色鉛筆を立てて引っかくイメージで描くと良いと思います。骨は、黒で角を出すイメージで塗ると固い質感を表現できます。歯は黄ばんで割れているイメージで描きました。
次に剥がれた皮膚の内側を描いていきます。中央左に描いてある縦にベロンとなっているのが剥がれた皮膚で、筋肉と皮膚の間にある点々の部分が脂肪です。
皮膚と脂肪には白っぽい赤を塗ります。筋肉に近い部分は濃い目の赤で遠い部分を白っぽく描くと血色が透けている感じが表現できます。
step.4 色塗り〈手の腱など〉
今回は骨の上に腱が重なっている描き方をしました。ゴチャゴチャにならないように前後関係を意識しながら描き分けていきます。
腱は影に黒を使わないことで、骨よりも柔らかい印象にしました。
step.5 仕上げ
目を描き入れて髪の毛を塗ったら全体にハイライトを入れて完成です。
僕はお魚屋さんで魚を一匹まるまる買ってきて捌くのが趣味なんですが、魚の鮮度は目で見たりしますもんね。鮮度が落ちている魚は黒目が濁ってます。だからゾンビカリカチュアの場合も目を綺麗に描いちゃダメです。ダメ、絶対。
完成
できました! ゾンビカリカチュア、いかがでしたか? この魅力が伝わる方が一人でもいたらとても嬉しいです。
今回の記事の冒頭で紹介した絵の作画の様子はyoutubeにもまとめてありますのでご興味がある方はコチラもご覧くださいね。
作画イベントを開催します!
ご来場いただいた方のお顔を、田中ラオウが直接お描きする作画イベントを開催します。現在、田中ラオウは作業場に籠って描く写真からの作画しか受け付けておりませんため、お客様を直接作画できる機会はこのイベントだけとなります。この機会に是非ご参加ください。
【開催場所】いいオフィス
(〒110-0015東京都台東区東上野2-18-7 共同ビル 3F)
【開催日時】
2017年4月30日(日)
【開催時間】
1部 11:00 ~ 13:00(似顔絵)
2部 14:00 ~ 16:00(カリカチュア)
3部 17:00 ~ 19:00(デモンストレーション、似顔絵業務紹介)
【今回のイベントは3部制】
三部に分けてご予約を承ります。ご予約の際はご希望の部をお申し付けください。複数予約も可能です。
▼ 1 部 11:00 ~ 13:00(似顔絵)6名限定
似てて可愛い似顔絵を6名様限定でお描きします。所要時間はお一人様につき20分程度。料金は3,000円(税込)です。※別途いいオフィスへの入場料500円がかかります。
お写真からも作画できますのでペットの似顔絵などもおすすめです。
▼ 2 部 14:00 ~ 16:00(カリカチュア)3名限定
誇張を効かせたカリカチュアを3名様限定で作画させていただきます。所要時間はお一人様につき40分程度。料金は7,000円(税込)です。※別途いいオフィスへの入場料500円がかかります。
田中ラオウはカリカチュア国際大会の誇張部門で5度の優勝実績があります。きっとあなたのお顔もとんでもないことになります。
▼ 3 部 17:00 ~ 19:00(デモンストレーション、似顔絵業務紹介)10名限定
第 3 部では、プロのカリカチュアリストの仕事の流れをご紹介します。受注方法から納品まで、写真から作画の様子も含めて、全ての流れを公開いたします。フリーランサーやイラスト仕事に興味がある方に参考にしていただけるかと思います。
会議室で10名様限定でご見学いただけます。見学料は1,000円(税込)※第 3 部はお客様のお顔はお描きしません。※別途いいオフィスへの入場料500円がかかります。
プロの仕事のやり方を覗けるチャンスです。
【お問い合わせ、ご予約】
info@nigaoe-seisaku.com
ご予約の方は上記アドレス宛に参加希望者のお名前[フルネーム]、お電話番号、メールアドレス、予約希望の部、参加人数、を記載の上、件名に[4/30イベント参加希望]と明記していただきメールをご送信ください。
田中ラオウからご来店いただく時間の詳細等を返信いたします。
【お支払いについて】
お支払いは当日受付窓口にて入場料をお支払いいただいた後、作画料は田中ラオウに直接お支払いください。
田中ラオウ公式Webサイト「The Artwork of Raou Tanaka」
田中ラオウ監修の似顔絵販売「似顔絵制作ドットコム」