日本国内のクラウドファンディング市場も年々高まりを見せていく中、支援総額35,000円というなんとも残念な結果に終わった僕らのプロジェクトを通して、「クラウドファンディング」の基礎を学び直すと共に、これからクラウドファンディングに挑戦しようとしている方のお役に立てればと思います!
クラウドファンディングって?
こんにちは!
熊本三角エコビレッジサイハテ住人のゆうきです。今回は最近よく見聞きするようになったクラウドファンディングについて、「そもそもクラウドファンディングってナニ?」という基本的知識をまとめながら、成功例ではなく、失敗例を元になぜ資金が集まらなかったのかを分析してみたいと思います!
1. クラウドファンディングについて
クラウドファンディング(CrowdFunding)とは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、起業家やクリエイターが製品・サービスの開発、もしくはアイデア実現などの「目的」のために、インターネットを通じて不特定多数の人から資金の出資や協力を募ることをいいます。
しかし、近年では「ポテトサラダを作りたい!」とか「お見合い相手を募集します!」など、主婦や学生など一般の方がプロジェクトオーナーになるケースも増えて来ており「アイデアの実現化ツール」として幅広く使われています。
2. 起案者と支援者の関係
クラウドファンディングは、プロジェクトの起案者と、プロジェクトの支援者であるパトロンの相互関係でできています。
まず支援して欲しいプロジェクトの詳細をクラウドファンディングサービスに掲載することからがスタートです。このとき、出資をしてくれたパトロン(支援者)に対して、見返り品を用意しておきます。そして、一定期間の間に、プロジェクトに共感した支援者が少額づつ資金を出資(支援)し、目的の資金が集まったらプロジェクトが成立! プロジェクトの起案者は、集まった資金を元手にプロジェクトを実行します(最近では目的の資金額に届かなくても集まった分の資金を受け取れる「ALL IN」という仕組みも導入され始めました)。
ちなみに、プロジェクトオーナーはサービス運営会社に、集まった金額の10〜20%を手数料として支払います。
3.クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングは、一般的に支援者に対するリターンによって大きく3つの種類に分類されます。
- 購入型:金銭以外の物品や権利を購入
- 金融型:金銭的なリターン
- 寄付型:リターンなし
日本でよく目にするのは、購入型クラウドファンディングですが、開発資金ではなく活動資金を目的とし、すでにできているものをリターン品にする販売型も増えて来ています。
なぜ僕らのプロジェクトは失敗したのか?
サイハテ村ではここ1年で4つのクラウドファンディングに挑戦し、多くの方のご支援をいただき総額で300万円ほどの資金を受けることができました。その上で感じたことは、クラウドファンディングの成功の鍵は、地道なお願い(個別メッセージや直接訪問など)に尽きる。というもの。今回は、逆にそれをしないなら、単純に “プロジェクトの力” だけでどれくらいの人が賛同してくれるものなのか? という疑問に挑戦したのです。
5つ目となる今回の僕らのプロジェクトは、「ビキニで田植え?! サイハテ村の愛情たっぷりのお米を食べてみませんか?」という販売型クラウドファンディング。限定72セットのリターン品を購入(支援)していただくことで、米作りに必要な活動資金を調達したい! というものでした。
結果は想像以上の大失敗。支援総額35,000円、8セットしか購入していただけませんでした……。 今回はプロジェクトを作る上での失敗点に焦点を絞って検証したいと思います!
失敗1. キャッチコピー
これはトリッキーに攻めすぎた結果、アダとなったいい例だと思います。田植えのとき、ある男性が「ビキニ」を着て田植えをしたところ、かなりの反響があったので、キャッチコピーに「ビキニ」を持って来たのですが、アイドルならまだしも、「おっさんのビキニ姿×食品」という最悪なマーケティングの組み合わせになってしまいました。ロゴマークの米マークもお尻の穴を連想させそうなデザインだったし、食欲を著しく損なわせてしまったことが最大の失敗だったと反省しております。
失敗2. ライティング
読みやすさにこだわるあまり、行間や画像のサイズを合わせたり、表現を軽くさせたりした結果、クラウドファンディングの核となる「情熱」を失わせる事になってしまいました。クラウドファンディングにおいては、綺麗な文章よりも情熱や誠意、本気さが伝わるライティングを目指した方が良いと思います。
失敗3. コンセプト不足
プロジェクトを形成する上で重要なのがコンセプトメイキングです。全体を貫く基本的な観点が「活動資金を確保したい」という、若干弱々しいものだったこともあると思います。もっと力強いコンセプトを打ち出すべきでした。他にもリターン品のバリエーションを増やすなどもありましたが、文章構成にもっと時間を取ることが大事だった思います。
重要なのはプロジェクト熱量!
プロジェクトをやり直せるのであれば、いかに自然に配慮したのか? 独自性は? というストーリーをいかに伝えるかがカギとなります。また、全体を通して「とても美味しいお米が作れました!」「是非一度ご賞味ください!」というプロジェクト文の軸にできれば良かったのかなと思います。他にも、今回の米作りには画期的アイデアも取り入れていたので、そのことも本文に書いて話題性を組み込むのも良かったかもしれません。
画期的! 米の3分配制度とは?
- 収穫した米の三分の一は、村人で平等に分ける、共産主義的分配。
- 収穫した米の三分の一は、ワークログを記録し、働いた時間に対して分配される、社会主義的分配。
- 収穫した米の三分の一は、米作りにかかった経費や備品購入などの費用を作るための販売用に回し、お金に変える、資本主義的分配。
この画期的な取り組みの結果、働きに応じて取り分も増えつつ、働けない人に対するいがみ合いも、疎外感もない組織化が可能となりました。これによって、モチベーションを維持したまま組織化されない米作りが証明されました!独自のスタイルや無農薬栽培に焦点をあてるような、エコビレッジサイハテ村だからこその “米作りストーリー” を伝えることで、多くの支援者の心をうつ事ができたのかもしれません。
サイハテ村プロジェクトまとめ
▷こんな時代にパラダイスイッチ!みんなでつくる“理想の村”に最高のゲストハウスを!……支援者数199人/1,924,000円/達成率128%
▷女子力アップ!! 染色系女子によるサイハテ村×藍染プロジェクト
……支援者数57人/45,000円/達成率128%
▷《熊本地震復興》ボランティア×アースバッグ工法=新しい災害復興モデルを作る!!……支援者数23人/45,000円/達成率90%
▷夏休み企画!こどもの天才力をバクハツさせたい!……支援者数34人/160,000円/達成率53%
▷ビキニで田植え⁈ サイハテ村の愛情たっぷりのお米を食べてみませんか?
……支援者数8人/35,000円/達成率15%
まとめ
サイハテ村だけではなく、プロジェクトのコンセプトや製品の売り出し方が違えば、相手の胸をうっていたかもしれないプロジェクトは山のように存在します。プロジェクトの失敗は、せっかくの「アイデアの現実化」の機会を失う事になってしまうので、クラウドファンディングを始める前に十分な準備な時間を取り情熱を持って取り組むことが大事です!
〜fin〜
サイハテ村のHPはこちら→三角エコビレッジサイハテ