こんにちは、カリカチュアアーティストの田中ラオウです。
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私はこのような顔を誇張した人物画「カリカチュア」を描いています。
カリカチュアについてのご紹介はコチラの記事をご覧ください。
当連載「それいけ!カリカチュア帝国」は、カリカチュアの世界チャンピオンである僕、田中ラオウの「日本にカリカチュアを広めたい」という切実な願いを叶えるため、渾身の筆圧をもって執筆している連載です。
僕はカリカチュアの似顔絵業界に携わって今年で11年目になります。今でこそインターネットからの受注専門でやっていますが、絵描きデビューして間もないころはカリカチュア専門の会社に雇用していただき、主に観光地やショッピングモールにいる似顔絵屋さんのような形でカリカチュアを販売していました。
そんな僕が、今回は似顔絵を描いてお金を稼いでみたい! という人のために、似顔絵屋さんのなり方を5つご紹介します。自分が描いた絵が人に喜んでもらえてお金をいただけるなんて、絵が好きな人にとっては夢がありますよね。
似顔絵屋さんのなるための5つの方法
目次
1. 似顔絵の会社に入る
あまり知られていないかもしれませんが、ショッピングモールなどの商業施設内にいる似顔絵屋さんは、会社に所属している方が多いです。似顔絵会社が商業施設と契約しているブースに所属アーティストが日替わりで入る形が一般的です。
日本には多くの似顔絵会社があります。全国に店舗展開している会社やWebサイトからの受注に注力している会社、アーティスト教育に力を入れている会社など、それぞれに特色があります。現在個人で活躍しているアーティストも、その多くは最初に似顔絵会社に入って技術を学んでいます。割合的にもっともスタンダードな道と言えるかもしれませんね。
2. フリーアーティストとして似顔絵販売会社に登録する
フリーのアーティストとして販売会社に登録する方法です。お客様が好みの作家を選べるようなネット販売サイトや、イベント会社等がフリーのクリエイターを募集をしている場合があります。
自身で販売サイトを運営しつつ、登録会社からも仕事を斡旋してもらうなど、社員よりも制約が少なく自由度が高いため、複数の会社に登録しているアーティストもいるようです。登録サイトに数十パーセントの販売マージンを納める形が一般的です。
3. 自分のブースを持つ
商業施設に自ら営業をかけ、ブース設置の許可をもらいます。これは技術面や契約面で最初に目指すにはハードルが高い方法かもしれません。ただ、大きな似顔絵会社でも、最初は社長個人で、一つのブースからスタートする場合がよくあります。施設に売り上げの数十パーセント、もしくは固定の出店料を納める形が一般的です。
4. とりあえず路上に出る
路上で似顔絵屋さんを見かける事も珍しくありません。まずは見よう見まねで始めてみるのも良いでしょう。度胸さえあれば始められる意味で、最も参入のハードルが低いと言えます。ちなみに似顔絵は、ヨーロッパで売れない画家達が食い扶持を稼ぐために路上で始めたのが最初とも言われています。
5. インターネットで販売する
最近では、フリマアプリやハンドメイド作品の販売アプリが盛り上がっているようです。クラウドソーシングで似顔絵仕事を請け負ったという話もよく聞きます。これらは基本的に自宅でできるメリットがあります。
似顔絵屋さんのなり方に共通していること
どの方法でも共通して言えるのは、前提としてある程度の作画技術と作品サンプルを持たなければいけないことです。作画技術が拙いとせっかく描かせてくださったお客様を満足させることは難しいですし、店頭で提示する作品サンプルに説得力がなければそもそも描いてもらいたがる人はいないでしょう。
この記事に興味を持った方は、もしかしたら絵が好きだったり得意だったりするかもしれません。しかし、絵を上手に描く技術と顔を似せて描く技術は全く別です。実際に似顔絵を描くとき、似せるための練習をしなければ上手くいきません。似せるためのコツや作画の際に重要視すべきポイントがあるので、お客様からお金をいただく最低限のマナーとして、そういった基本を学んでから始めていただきたいところです。
似顔絵はまだまだ路上の絵師のイメージが強く、僕のような帝王クラスのアーティストにならない限り、まともな職業として見てもらえません。最近は、この業界のプロの人はみんな似顔絵仕事のイメージを上げるための努力をしています。カリカチュア界や似顔絵界が一体となって協会を立ち上げ、似顔絵の価値創造と認知拡大、似顔絵師の技術向上支援を行う動きまであります。(僕も以前はこの協会に所属していましたが、みんなが全然僕を帝王扱いしてくれないのでイジけて脱退しました)「下手でもできる仕事」と思われるのはとっても悔しいので、これから似顔絵を描いてお金を稼いでみたいと思っている初心者の方もできるだけ自分の技術にシビアな目を持って頑張れば、同じ業界の仲間として嬉しい限りです。
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僕は今まで似顔絵とカリカチュアを合わせて3万人以上の人物を描いてきました。世の中に同じ顔が存在しない以上、その3万人の違いを描き分けてきたとも言えます。その経験の中で確信を深めてきた描き分けの理論を、人物を描く機会が多いイラストレーターや漫画家、絵の職を目指している方々、イラストに携わる方々にシェアしたいと思います。中にはセンスが良く、感覚でできてしまう方もいるかと思いますが、この機会に改めて描き分けの理論を学び、ご自身のキャラ描写にさらなる安定感を加えていただければ幸いです。
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田中ラオウ監修 似顔絵販売 「似顔絵制作ドットコム」