商談の質を向上させる!アカウントベースドマーケティング(ABM)とは?

よすけ


商談の質を向上させる!アカウントベースドマーケティング(ABM)とは?

おはざっす! セールスのよすけっす。

僕のLIGでの業務は、主にアウトバウンドによる営業活動です。

最近、「アプローチする顧客がLIGに対してどのくらいの知識・関心があるのか分からない」と感じることがあります。この問題を解消することで、商談の質をもっと底上げすることができるのではないでしょうか。

そんなとき、「アカウントベースドマーケティング(ABM)という概念を導入すると、商談の質が改善される」という話を耳にしました。

導入を検討してweb上の記事などを調べてみたのですが、ABMはツールではなく概念であるために、どう実践して良いのか具体的なイメージが湧きません。

もし、僕の業務も劇的に改善できるならぜひ導入したい!

というわけで、今回はマーケティング支援で日本有数のシェアを誇る株式会社シャノンにABMの概要や導入方法などを伺いました!

▼目次

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?

今回ABMについて説明してくださったのは、株式会社シャノンの村尾さんです。

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人物紹介:村尾 慶尚(むらお よしなお)
株式会社シャノン マーケティング企画室 シニアプロダクトマーケター。
クラウドマーケティングアプリケーションである「シャノンマーケティングプラットフォーム」のプロダクトマーケティングの責任者。

ABMとは、営業・マーケター・顧客間のギャップを埋める概念

ー 村尾さん、本日はよろしく願いします! 早速ですが、まずは「ABMとは何か」というところからお伺いできればと思います。

よろしくお願いします。まず前提として、BtoB顧客の大多数が購買にあたっての情報収集を企業のwebサイトからおこなうようになっている、という背景があります。しかし、企業側が営業をするときには「ユーザーが自社サイトでどんな情報を仕入れているか」という把握をしていない企業が多い、というのが実態です。

また、マーケティング部門の人は何をしているか? というと、「人」単位でマーケティングを組み立てています。いわゆるカスタマージャーニーです。

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たとえば、あるユーザーが(A)というメールをクリックして(B)というホワイトペーパーをダウンロードするから、それなら(C)というフローをとって……というプロセスを踏みますよね。

その際、ある企業ではマーケティングオートメーション(MA)をスコア形式で基準をおいて、「ユーザーがホワイトペーパーのダウンロードを行なったら、そのユーザーに10点をつける。そのスコアが20点になったら次のアクションを起こす」と、設定していたとします。

この設定だと、仮に一つの企業から3人のユーザーがホワイトペーパーをダウンロードしてくれたとしても、この企業に対しては何もアクションされません。

なぜなら、リード単位で見ると「10点のスコアの人が3人いるだけの状態」だからです。しかし、その所属企業で判断すると30点のはずなんです。
このように、「企業」を軸として見ると今までとは違った見え方がする場合が多いです。

ー 確かに、人単位で判断してしまうことがありますね。

人単位ではなく、その人が所属している企業単位で見てみると、「この企業は確度が高いので商談に持っていけそう」という仮説を立てることが可能になります。

そのような企業と顧客のギャップという大きな課題を解決できるシステムが、ABMです。つまり、人単位ではなく、企業単位=アカウントべースで見よう、と。

また、情報収集段階の顧客にこちらからアプローチすることができれば、確度が高い大型商談も発生しやすくなります。

MA(マーケティングオートメーション)との共通点と相違点

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ー ABMについて少し調べたのですが、「業務フローを効率化して取りこぼしやミスを減らす」という点ではMAと似ているのかなと思いました。具体的にはどこが共通していて、どこが異なるのでしょうか?

確かに顧客のweb上の行動をきちんと取る、という点では共通しています。あとは顧客の情報を整理するとかルーチンワークの部分など、本来なら人がやらなくてもいいところを自動化する、という部分も同じですね。

ただし、両者は似ているようで異なる点が多々あります。例えば、MAの場合はターゲットのペルソナを作ってアタックしていきますが、ABMの場合は特定のキーマンを見据えて商談を進める、などです。

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このように明確な違いがあるので、「ABM = 新しいMA」ではない、というところは留意していただきたいと思います。

MAとABMはお互いの足りないところを補う、といったイメージですね。そのため、どちらも導入している企業さんもたくさんあります。

導入に向いている企業の特徴4点

ー ABMは、すべてのB to B企業が導入すべきなのでしょうか?

いいえ、そういうものではありません。ABMは「1.商談単価が大きい」「2.営業マンが何名かいる」「3.販売体制のスケールに課題を抱えている」「4.中堅規模以上」の企業さんには、すごく向いていると言えるでしょう。逆にいうと、それに当てはまらなければ導入の必要はないと思います。

 

ー 明確に活用できる層が決まっているんですね。でも、いったいなぜなのでしょうか?

これは、ABMのフローに理由があります。顧客の動きの想定をしてアプローチを考えていくというようなフローなので、実施にはすごく工数がかかります。

それが許されるのは高額商材を取り扱っているケースくらいですよね。多くの企業では「その時間を使ってテレアポしなさい!」という話になりますので(笑) だから、商談の単価が高くないのであれば、ABMで効果を発揮するのは難しいと言わざるを得ません。

 

導入したら実務フローはどう変わるのか

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ー では、ABMを始めるにはどういう施策から行えば良いのでしょうか。

まずは自社サイトに訪問してきたIPアドレスをツールで調べて、その企業に広告を当てる、という方法があります。先方企業での認知拡大に努めるということです。

あとは、自社サイトに流入している企業の解析をして、自社に興味を持ってくれているであろう会社のリストを作成します。それを踏まえて、商品の紹介をしに出向いて商談へ繋げます。

 

営業とマーケターの協力体制が不可欠

ー 具体的なABMのフローとはどのような手順を踏むのでしょうか。

まず、これはABMの大前提なのですが、営業とマーケターでゴールを合意する必要があります。マーケターから営業には商談何件 / 営業側では受注率◯%、など合意の取れたうち、それぞれのKPIを決めます。

結局は、目的がないとシステムを入れることができません。システムを入れるだけはできても、そのシステムを「活かせない」ということです。

目的が営業とマーケターで乖離していると、数字に繋がりません。動きが合致しないからですね。

それから、データに基づいたターゲット分析 → ターゲット別に適切なコンテンツを準備 → MAを活用して複数のマーケティング手法でアプローチ → 成果の可視化・PDCAサイクル実施 というフローが理想的です。

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ー つまり、営業上の「握り」というよりは、社内体制における「連携」の話であるということでしょうか。

MAもABMも「楽をするための仕組み」ではないんですよね。

ABMを導入しても使われていない、ということも往々にしてあります。企業としての課題がリードの数であれば、まずは展示会に出展するほうが最適ですね。

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ー 「リード数がほしい!」ではなく「質の良いリードがほしい!」という方が、ABMの仕組みが活きてくるんですね。

ここで何をもって「良い」ということなのかを協議することができますからね。つまり、協議したうえで、ようやく「合意」できるんです。

リードの量を増やしても大規模な商談は生まれづらいですが、リードの質を上げることでそれが可能になります。

ABMの導入を検討するにあたっての留意点

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ー ABMを導入するにあたっての留意点、予測できる壁などはありますか?

もちろん一番は「営業とマーケターが共感できているか?」ですが、それ以外だと経営陣の理解が及びにくいというケースもあります。
本当にABMを活かすなら、「組織内での役割分担など体制を整えてもらう」という取り組みを併せておこなうことが必要不可欠ですね。

 

ー なるほど。御社では、どのように活用されていますか?

弊社では、営業とマーケターの役割分担ができている方なので受け入れやすかったようです。

なぜかというと、弊社は「KPI=商談数」なので。これがもしリード数とか資料請求などであれば、ABMの活用は難しかったかもしれません。これはほかの企業さんならいくらでもあり得ることなので、事前に理解していただいておいた方が良いですね。 

ABMは導入すれば良いわけではない。まずは企業体制の改善が必須

ー つまり、営業とマーケの体制や役割分担によっては導入しても活用ができない、ということですね。

そういうことです。ABMの実施主体は、「マーケティング部門である必要はなく、機能の中でマーケティング機能を担っている」という考え方です。

実際に、マーケティング部門がなく、マーケティング機能は経営企画部門が担っているというようなケースもあります。なので、それはそれで問題はないですね。

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ー 「ABMを結局どう使うか」ということですよね。たとえば、営業が自分でリストを作ってアタックして商談へ持って行って…… というような労働集約型には向かないのでしょうか。

労働集約型で回っていれば、無理にABMを導入しなくてもそれで良いのだと思います。ただ、「その仕組みで規模を10倍にできるか?」というと、それは難しいと思うので、フェーズの問題だと思っています。スケールをどう考えているか? というポイントは大きいですね。

大事なことは、「ABMを入れると社内制度が変わる」という訳ではないということです。そういう理解をしてしまう企業さんは、物事の後先が逆なのでABMを活かしきれないでしょう。

なので、体制部分の改善を果たせた企業さんや、それを実行する意思のある企業さんなら非常に適していると思います。

まとめ

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今回、村尾さんに話を聞いて、ABMはすべての企業に向いているわけではないものの、「商談単価が高く、営業とマーケターの協力体制を築くことできる企業」には非常に適した概念であることが分かりました。

ABMは、アウトバウンドのフローを簡略化したり、自動リストを創出してくれるという便利な機能に目が行きがちですが、それらを使えばすべてが解決するという魔法の道具ではありません。

しかしながら、販売をスケールさせるために組織的な改善サイクルが回っている企業では、非常に強力なサポートツールです。

海外の事例では、「ABMを入れて何が向上した?」に対して一番多い回答は「受注率が上がった」というものだったそうです。ABMで商談の質を向上させることで、それが可能になります。

「以前にMAを導入したけどしっくりきていない」「活用することができていない人」「リードの質を重要視したい」と考えている人は、ABMの導入を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

 

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