Webデザイナーとして生き残るために。じげんが考える「これからのデザイナー」

Webデザイナーとして生き残るために。じげんが考える「これからのデザイナー」

安室淳一

安室淳一

こんにちは、ライターの安室です。

移り変わりの激しいWeb業界。Webデザイナーにもさまざまなスキルが求められるようになり、受け身のままでは生き残ることが難しい時代になりました。

そんななか、株式会社じげんでは一般的なデザイナーと一線を画す「事業のわかるデザイナー」の育成に力を入れ、活動の場を広げています。今回はじげんで活躍するお二人に、デザイナーとして生き残るために必要なスキルとその身につけ方などをお聞きしました。

お二人の話は「デザイナーの新たな働き方」として参考になるはずです。

むろいさん 人物紹介:室井 瑛理子
求人事業部のプロジェクトマネージャー。2008年、じげん初のデザイナーとして入社。サービスの立ち上げから運用・改善までを手掛けるほか、コーポレートツールのデザインにも携わる。ふんわりした外見とは裏腹に、男前な仕事ぶりに定評がある。
むろいさん2 人物紹介:小堀 麗
2015年じげんに入社。Webデザインに加え、社内掲示物の作成やノベルティ製作などデザイナー視点での就業環境の向上に貢献する。100以上の帽子を所有し、ファッションに合わせて自在に使い分けている。

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じげんのデザイナーの特徴とは?

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ー 現在、お二方はどのようなお仕事をされているのでしょうか?

室井:私は「アルバイトEX」や「転職EX」といったメディアを運営する求人事業部にて、プロジェクトマネージャーを務めています。
チームのマネジメントやメンバーの採用・育成に加えて、ディレクター兼デザイナーとして制作業務にも携わっています。

小堀:私は人事・広報部門を担う経営推進部と子会社「株式会社にじげん」所属のデザイナーです。コーポレートブランディングに関わる制作業務やデザイナー目線での企業課題の解決に取り組んでいます。

 
社内掲示物▲小堀さんらデザイナーが制作した社内掲示物

 
変わったところでは、社内制度を周知するための掲示物制作やオフィス周辺のランチスポットを共有するマップ、CSR活動の一環で参加した地域イベントの制作物など、幅広くデザインをしています。

 
ー じげんのデザイナーが一般的なデザイナーと異なるところは?

室井:業務範囲の幅広さが特徴のひとつかな、と思います。制作会社などの場合、ディレクターからの指示を受けてデザイン制作に取り掛かるのが一般的ですが、じげんでは企画から制作まで一気通貫して関わります。

何が課題なのか、どうやって解決をしていくのかをマーケター、エンジニア、セールスといった他の職種のスタッフと共有し、主体的に取り組んでいくのがじげんのデザイナーのスタイルです。

ディレクターという職種がなく、デザイナーがその役割を担っている部分があるので、「自ら進んで企画やディレクションをしていく」という感じですね。デザイナーであっても目標として数字を意識する環境になっています。

今後のデザイナーに必要なスキルとは?

ー Webデザイナーとして生き残るために必要なスキルはなんだと思いますか?

室井:デザイナーに求められるものは、以前より多様になってきていると思います。
まずはいち早く「自分はどういうタイプのデザイナーなのか」をつかみ、自分の特性を活かせる会社を見つけることが大切ですね。自分の強みを軸にした上で、そこに何を掛け合わせていくかが大事だと思います。

 
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室井:制作物として完成度の高いものを作れば一定の評価はされると思うのですが、グラフィックや造形だけでなくもっと広い意味で課題解決をしていくのがデザイナーの仕事の本質だと思います。「デザイン思考」は、ここ数年でかなり注目されてきましたが、デザイナーの視点をもってビジネス上の課題を解決することができるデザイナーはまだまだ限られている気がします。

しかし、ビジネスを理解した上で最適なコミュニケーションを提案し、プロダクトに落とし込むところまでできるスキルというのは市場価値の高い能力です。一度身に着けたら、長く役に立つものではないでしょうか。

小堀:スペシャリストとして制作スキルを磨いていくのも1つのキャリアですが、「あの人と仕事をしたい」と思ってもらえるかどうかって、単純な制作スキルだけではないと思います。サービスのユーザーや他職種の人たちの視点に立って課題と向き合うこと、事業課題やビジネス要件を理解してることがとても大切です。

じげんに来てから特に、デザイナーはビジネス要件とサービスを繋ぐ重要な役割を担っていることを強く感じています。

「事業のわかるデザイナー」を育てるために

ー 幅広い仕事のできるデザイナーをどのように育てているのでしょうか?

室井:仕事の幅は広いのですが、みんな最初から全部できるものではありません。まずは仕事への取り組み方を変えてもらうことからはじめ、しっかりとコミュニケーションをとりつつ、良きタイミングで新しい仕事を任せていくようにしています。「デザインはコミュニケーションであり課題解決であるということ」を私自身も常に忘れないように意識しています。

事業会社ですから、目標は売上・利益の最大化です。そこに対して、デザイナーがどう貢献していくのか。たとえば賃貸サイトや求人サイトであれば、問い合わせ数や応募数を伸ばすことが目標になります。ユーザーをいかに動かし、コンバージョンまで持っていくかがデザイナーが追求するミッションです。

 
スモッカ▲賃貸情報サービス「スモッカ」のリニューアル前後。デザイナーが主体となり洗練されたミニマルデザインへ一新。

 
じげんの多くのサービスは、サイトを改善してコンバージョンを増やすことが事業の拡大とほぼイコールとなっているので、目標達成へのアプローチがわりと想像をしやすいと思います。素敵なデザインにしたからといって単純に応募数が増えるわけでもないので、他の職種(マーケティング、エンジニア、営業など)のスタッフとコミュニケーションをとりながら、より結果の出るデザインに作り上げていきます。

事業部では職種に関係なく、個々の強みを意識した少人数のチーム体制をとっています。フラットに意見が出しやすく、目標意識も共有しやすいので、この体制にしてから組織が活性化したように感じます。

「自分がやらなければ」という責任意識が芽生える状況を作り、一定の権限も与える。それによって、自分たちのやったことが成果や責任としてダイレクトに返ってくるので、意思決定・リーダーシップなどの経験値を積みやすく成長に繋がるのです。

 
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小堀:あとは、常にデザイナー間で意見を出し合うこと、流行っているサービスや情報などを共有し合うことを意識しています。また、そのほかの職種の人たちとも意見を交わすことでクオリティを維持していますね。
何か不安が生じた際にはすぐに話し合いをするようにしています。新しい意見をもらうのは新鮮ですし、次にもつながりますので。

 
ー 「事業のわかるデザイナー」を目指す過程でぶつかる壁もあるのでは?

室井:そうですね、たとえば、デザインリニューアルをしたい、コードを書き換えたいといった提案を出しても、「なぜやるのか?」「今やるべきなのか?」を求められるので、最初はうまく説明ができず動きづらいと感じるケースもあります。事業で成果を出すために、デザイナーのリソースを何に投下するべきか、優先順位はどうあるべきかをデザイナー自身が考えるのは難しいかもしれません。

そこを乗り越えてもらいたいので、根拠をもってロジカルに提案できるよう、まわりの先輩がサポートします。提案を通せばやりたいことを権限をもって進められる環境なんです。

 
ー デザイナーの仕事はどのようなカタチで評価をされているのですか?

室井:納期や品質は前提として、どういう施策をしてどれぐらい貢献できたのか、アウトプットを中心に評価をしています。結果を出すことが評価につながり、それがまた自分自身のアピールにもなります。

しかし、クリエイターの評価が数字至上主義にならないような配慮もしていて、仕事全体の評価を100%とした場合、通常のミッションが80%で残りの20%は全社貢献が評価対象となっています。事業部の仕事だけをすればいいというわけではなく、20%の部分は会社にとって良いことや、チャレンジ、スキルアップにつながる取り組みを評価するシステムとなっています。

どのような組織なら個々人の能力を引き出し成長機会を与えつづけられるのか、また誇りをもって働けるのか。デザイナーの評価については試行錯誤ではありますが、私自身も組織の“デザイン”という観点で取り組ませていただいているところです。

 
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ー 会社全体としてコミュニケーションを推進しているようですね。

室井:そうですね。デザイナーだけでなく、会社全体として社員間のコミュニケーションを大切にしています。信頼関係ができていると、仕事もやりやすいですしね。職種はもちろん、年次や役職に関係なく、なんでも言い合える雰囲気があります。

会社の制度としても、3ヶ月に一度、普段関わりの少ないスタッフたちと食事をする「シャッフルランチ」や、事業部内でおこなわれる飲み会などがあります。社内の部活動も盛んで、社員同士の交流も多々あります。仕事ではない部分でコミュニケーションをとる機会が多いことも、結果として仕事に良い影響が出てきているのではないかと思います。

じげんが求めるデザイナーとは?

ー じげんではどのようなデザイナーを求めていますか?

室井:自分から仕事や問題を見つけて取り組んでいき、また解決までの道程をしっかりと考えられる人材を求めています。そして、事業に対してしっかりと自分の問題として関わっていけること。あとは一緒に働くメンバーとして、作るものや会社に対して一緒にワクワクできるかという部分も大事に考えたいですね。

小堀:問題が起きたときに、自分で動いて解決をしていき、より良い環境を一緒に作っていける方と働けたらうれしいです。行動力やコミュニケーション能力は大切だと思います。

 
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室井:一人で問題を解決するのは難しいですがそこで立ち止まるのではなく、どんどん人を巻き込んで動いていけるような人が力を発揮できると思います。現在所属しているデザイナーたちはみんな個性的ではありますが、そうやって主体的に課題解決に取り組んでいけるメンバーですし、「もっと○○したい!」と声をあげれば協力してくれる心強い仲間だと思います。

入社をされた方に対しては、ワクワクするような新しいチャレンジの機会をご用意します。実際に仕事をしていく中でフィードバックを重ねながら、じげんのデザイナーとしてはもちろん、これからの社会で必要とされるデザイナーとして成長できるようにしっかりとサポートをしていきます。

インタビューを終えて

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デザイナーという職のあり方を良い意味で覆された今回のインタビュー、確かに「センス」という特殊能力を持ったデザイナーが事業意識を高めたら、ビジネスシーンではまさに「鬼に金棒」。

社員間のコミュニケーションを大切にし、新しいチャレンジにも寛容、そして働く環境の改善にも努めている会社であれば、デザイナーだけでなく、他職種のスタッフもしっかりとパフォーマンスを発揮できるはず。
今回ご協力をいただいた室井さん、小堀さんをはじめとするじげんのデザイナーさんたちが作り上げるサイトやサービス、要注目です!

じげんではデザイナーを募集しています

また、現在じげんでは新たにデザイナーの募集をしています。もっと事業に関わる仕事がしたい、デザイナーとして仕事の幅を広げたいという人はぜひ、求人情報をチェックしてみてください。

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