営業の枠から飛び出せ!
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2016.04.04
LIG PR
#9
働き方インタビュー(デザイナー編)

「いいチームは会議が少ない」ショッピングセンターの発展を支える| コマースデザインプロダクト

田中雅大

こんにちは、LIGライターズの田中です。先日、両親が東京に遊びに来たので某有名商業施設へ足を運んだところ、「地元にあるショッピングセンターと出店ブランドが全然違う!」と驚いていました。

今回インタビューしたのは、SC(ショッピングセンター)向けにWebサイト運用や更新システムを提供するCMSツール『SES(Shopping Effective System)』を開発しサイトを運営している株式会社コマースデザインプロダクトさん。

近年ショッピングセンターは都市部・郊外を問わず急増し、その数は3000店舗以上ともいわれていますが、「ショッピングセンターは施設によって規模だけでなく、コンセプトも客層も全然違う。個々のSCデベロッパーが抱えるマーケットの環境や営業戦略による課題解決が我々の仕事」と、同社のシステム部でマネージャーを務める柴田誠さんは話します。

急速な多様化が進むショッピングセンターの発展にコマースデザインプロダクトはどのように対応しているのか、求める人材像も含め、マネージャーの柴田さんとチーフデザイナーの大河内沙生さんにお話を伺いました。

Poole:アイコン_ コマースデザインプロダクト様02 人物紹介:大河内 沙生
2005年新卒で入社。現在はシステム設計・企画、プログラム、販促企画の1人3役をこなすスーパーWebデザイナーとして活躍。
Poole:アイコン_ コマースデザインプロダクト様01 人物紹介:柴田 誠
2011年に中途採用で入社。自社CMS「SES」のシステム面のサポートや改善業務を担当。jQueryやCSS3の制作経験を活かし、CMSの完全スマホ対応や、「SES」の新規立ち上げなど幅広い業務に携わる。他社ASP、Wordpressでのサイト構築も担当。

システムを売って導入して終わりではない。実際に足を運んで仕事のベースを固めることが重要

コマースデザインプロダクト様_記事002

左:大河内さん/右:柴田さん

— まず御社の主力サービスである「SES」について教えてください。

柴田: ショッピングセンター(SC)の業態は、専門店を集積した商業施設です。「SES」は、そのSCのWebサイトを更新し、日々の店頭情報を消費者に訴求するCMSツールですね。インターネットに詳しくないSCデベロッパーや店長さんでも、スマホで簡単に操作できるようなユーザビリティを提供しています。

例えば最旬の更新情報をサイネージと同期させる連携機能は、今一番好評をいただいていますね。

 
— 導入後のサポートまでされているとのことですが、どの範囲までされているのでしょうか?

柴田:例えばいつから、どんなキーワードを使ってページ更新をするとアクセスが増えるか、お客様に見てもらえるか、といったSEO対策や写真撮影のコツなど更新ノウハウも提供しています。Web販促で必要なインフラや更新作業、効果を得るための手法や、必要なものはなんでも提供していきます。

 
— ノウハウを共有するため実際にショッピングセンターへ足を運ばれるのですか?

大河内:はい。対象の店舗だけでなく、競合店や新しくオープンしたショッピングセンターにも必ず足を運ぶようにしています。

クライアントの競合状況や業界動向、IT技術の進歩などは、過去から現在、そして未来を予測しながら関わっていかないと、何も提案できませんからね。早すぎても、遅すぎてもいけないので普段からショッピングセンターやIT情報に関する感度を高めておくことは不可欠です。

柴田:極端な言い方をすれば、「SES」を導入いただいても、アクセスや実際の集客に結びつかなければ弊社の存在価値がないんです。「SES」はCMSが一般的に利用される14年前から自社で開発をしてきました。その経験やお客様からの要望が、「SES」の改善を導き、これからの可能性は無限に広がると思います。

だから、実際に活用するSCデベロッパーさんたちと一緒に併走するというイメージでの関わり方をしています。

 
— 「SES」は現在約20のSC(ショッピングセンター)に導入されているそうですが、各店舗に課題の違いはありますか?

柴田:あります。そもそもSCによってコンセプトが違えば内外装のデザインも違うように、サイトの構成やデザイン、システムも異なります。

大河内:専門店が集積しているショッピングセンターは基本的に新生活や母の日、クリスマスなど、イベントによって商戦サイクルが回っているんです。

だからといって全店舗同じというわけではなく、施設ごとに課題や要望が違ってくるんですね。それを解決するため、弊社のほうから「店舗のサイネージと連携させましょう」「SNSで情報発信を強化しましょう」「Webコンテストをやりましょう」など、いろいろな提案をします。そうしているうちに、パートナーとして長いお付き合いをしていただけるようになりました。

柴田:弊社は「システムを導入して終わり」ではありません。導入いただいてWebサイトを日々運営しながら、プッシュ通知などで利用パフォーマンスを上げていく。それを心掛けているからこそ、お客様との関係が長く継続しているんだと思います。

道具は持っているけど使うだけで充足するエンジニアにはなりたくない。技術は何のためにあるのかを見据える

コマースデザインプロダクト様_記事04

— では、次にお二人が入社された経緯を教えてください。柴田さんは、エンジニアとしてWeb制作会社から転職されたそうですね。きっかけは何だったのでしょうか?

柴田:自分の手で仕事を作り上げていくような現場で働きたいな、と思っていたんです。Web制作って大きな案件ほど、代理店を通して流れてきた指示通りに設計するだけ、という業務が増えてくるじゃないですか。でも、やっぱり自分で考えて提案したものを利用してもらって直接ユーザーの反応をみられる方が、達成感は大きいですよね。

コマースデザインプロダクトは「SES」という自社開発のCMSがあったので、「自分のアイデアや提案次第でプロジェクトがガラッと変わる醍醐味があるんじゃないか」と思ったんです。

また、ショッピングセンターという業界に特化していて、直クライアントと仕事ができるのも魅力ですね。「大手企業を相手に役に立つサービスを提供するやりがいがある」と考えたんです。

 
— 少数精鋭の御社では、ひとりひとりのパフォーマンスが成果に大きく影響すると思います。キャリア採用だからこその不安はありませんでしたか?

柴田:たしかに大企業のように社員数が多くない分、ごまかしは利きません。その点は覚悟しての入社だったのですが、実際に現場で働いてみると「こんなにレベルが高いのか」と驚きましたよ。

一番の驚きは、やはり自社開発のCMSを持っているという強みの方が大きかったかな。世界に1つのシステムを開発しているという使命感で自由に設計できるし、導入するメリットを生み続けなければならないプレッシャーはあります。でも、だからこそ楽しさや達成感を味わえるんです。

やるべきことをコツコツと自分の手でこなしているとそれは自信にも繋がりますしね。

 
— スキルを活かしつつ、 “最終的な成果を問われる” というわけですね。

柴田:そうです。JavaやPHPの知識だけでは、 “道具を持っているけど使っているだけで満足してしまう” というエンジニアになってしまいがちです。何のための技術か、というところまで考えないといけません。JavaやPHPでCMS化した方がいいか、JQueryなどを使ってアクションを促すか。

ユーザーのリテラシーを想定して、クライアントの要望をヒアリングしたり、他競合サイトを研究したりということが非常に重要になりますよね。

それに入社した時期で言うと大河内が先輩で私が後輩になりますが、彼女から教えてもうことや、啓発されることがたくさんあります。それは私だけでなく、みんなそうですよ。ウチの人たちは意外と素直な人ばかりです。謙虚ですし、まじめですね。

 
— 大河内さんは学生時代のアルバイト時代から御社で働いていたそうですが、入社の決め手はなんだったのでしょうか?

大河内:大学4年のアルバイト時代から取材や写真撮影も任されていたんです。コーディングだけ、デザインだけ、という業務ではなく、クライアントが求める成果のためには何でもやるという(笑)

全体のワークフローが理解できると、コーディングや文章作成も正しく目的に沿ったものになるんですよね。バナー制作やライティングといった業務の一部分だけを任されるより、クライアントに直に届けるまでプロジェクトに携われるというのは、凄く貴重なことかもしれないと考え入社を決めました。

 
— たしかにシステム開発から運用までを行う会社はありますが、同じ担当者が全般に携わるというのは珍しいと思います。業務上SCという特定のマーケット知識が必要となりますが、もともとモールなどに深く関心を持っていたのですか?

大河内:いえ、それがほとんど素人同然で(笑) 「ルミネって、JRが運営しているから駅にしかないんだ」など、初歩的な知識を得たのも、コマースデザインプロダクトで働くようになってからです。

入社後は、アパレルブランドごとの特徴や客層なども必死で覚えました。弊社ではランチミーティングを週1回おこなっているのですが、そこで「伊勢丹のマーチャンダイジングについて研究成果を報告しなさい」「○○のセールス・プロモーションについて分析して発表しなさい」といった感じで、毎週課題を出されるんです。そしてリサーチ後は皆の前でプレゼンをしないといけないので、もの凄く鍛えられた感じですね。

ただ、今考えると全部当たり前のことです。基礎知識や目線を共有できないと、クライアントへの提案以前に、社内でのコミュニケーションも取れないので。

 
— 新人であっても “当たり前” のこととするように、組織で共有する仕事の水準は下げないということですね。

大河内:そうですね。組織としても個人としても、仕事のハードルは年々上がっている気がします。入社して5年くらい経った頃、サイトリニューアルの提案を任され、クライアント先でのプレゼンまでたった1人で担当した案件もありました。任されたときは「無茶苦茶言うなぁ」と思ったんですが、今考えれば一段階成長できるキャリアの節目だった気がします。

弊社では、そういうステップアップのためのチャンスが沢山あります。全くの未経験からデザイナーやディレクターとして活躍している先輩もいますしね。経験や学歴ではなく、入社してからの実務経験で成長していける会社なんです。

コミュニケーションは量より質。たくさん話せばいいと考えるのは二流

コマースデザインプロダクト様_記事03

— デザイナーやエンジニアなど、高度な専門スキルを備えたスタッフが揃う御社だからこそ、チームワークを重んじている印象を受けます。

大河内:弊社の代表がよく口にするのですが、「打合わせやミーティングは少ないほど、いいチーム」ということです。

たとえば弊社のように少人数でCMSの開発・運用を行おこなうのであれば、重視されるのはスピード感です。その場合、最低限共有しておくべき情報は皆が備えていると、説明したり解説したりする時間が省けて、制作に時間を充てられる。つまり、アイデアやクリエイティブに時間を割き、早く実装して、結果を出すことができます。そのほうが次への展開もスムーズに進展できるので大事ですね。

でも、社内で雑談や話合う時間を取らないという意味じゃないですよ(笑) 弊社は20代~60代が働いていますが、お客様も同様に年齢層が広く、20代や60代の方が中心です。世代を超えた雑談で得られる情報は多いですね。それに、お客様を前にして「若いから知らなくていい、中年だから分からない」というのはプロではないので、そういった情報共有も含めて、みんなでご飯を食べたり、おやつを一緒に食べたり、雑談をよくします。

 
— 業務上必要とされそうな基礎知識は、各自で備えておきましょうということでしょうか?

柴田:別に最初からショッピングセンターに詳しい必要はありません。日頃からアンテナを張って、自分で情報収集したり企画を考えたりしておくという地道な努力の積み重ねこそが、チームワークには必要です。

大河内:業務だから仕方なく、視察に行くというのではなく、仕事が面白いから自然とそうなるって感じですかね。

直クライアントの商業施設や専門店の方たちと話す機会が多いですから、知らないと恥ずかしいですし「施設内で活用できていないサイネージがあるから、Webサイトと連動しよう」とか「春の洋服を売るときは、セールだけじゃなくWebコンテストで投票を募ろう」とか。業務はパーツだけでなく、知識が増えるほど、ニーズの全体像が見えてくると思います。

 
— ユーザーの視点に立つことで、クライアントの要望も見えてくることがありそうですね。

柴田:そうなんです。「SES」の利用者は85%以上がスマホユーザー、しかも20代〜50代と年齢層が広いので、ユーザビリティは本当に大事です。それにアイデアは日常的にいろんなサイトや情報をリサーチしていないと、出てこないですよね。常にアンテナを立てておかないとダメなんです。

また、クライアントや実店舗の店長に成果を実感してもらえないと意味ないので、エンジニアとしての楽しさでは括れない仕事の醍醐味だと思います。

だからこれから入社する人には、「生活感覚やユーザー目線をもって開発していけば面白いですよ」と伝えたい。 “何のための販促ツールか” までを見据えてもらうことで、当社の仕事の醍醐味を一緒に味わってもらいたいです。

インタビューを終えて

最後に大河内さんにデザイナーとして必要な力を尋ねたところ、「クライアントの要望に応える総合力」と答えてくれました。なぜクライアントの要望がそこにあるのか、企画意図を表現するのに最適な手法は何か、マーケットではどういうデザインがトレンドなのか。そういったことを総合的に考えながらアプローチする力こそが、デザイナーに求められるスキルだと話します。

仕事を単一のパーツとしてではなく、「何のための業務か」という目的を見据え、俯瞰的、複眼的な視点で捉えること。コマースデザインプロダクトが創造しているのは「SES」というCMSツールだけではなく、そこから生まれるSCの発展や、そこで買い物をする豊かなショッピング体験なのかもしれません。


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