こんにちは! マーケターのすみーです。
2016年の1月にFacebookが発表した「Instant Articles」(インスタント アーティクルズ)はご存知ですか? 「インスタント記事」とも呼ばれているFacebookの新しいシステムです。
Facebookをスマホで見ているときに、以下のような投稿を見たことはありませんか?
この稲妻マークが付いている投稿は「Instant Articlesに対応している」ということです。
Instant Articlesとは
Instant Articlesはモバイル向けのプラットフォームで、媒体側がこれを導入することにより、ユーザーはリンク先に飛ばなくてもFacebookブラウザ上でコンテンツを閲覧することが可能になります。
通常の10倍以上の速度で記事を読み込むと言われていますが、おそらく回線が丈夫な日本ではそこまでのスピードアップはありません。
そうは言っても、実際に触っていただければ実感できると思いますが、サクサクとページを読み込んでくれます。
リリースされて間もない頃は、新聞社などの限られた大手メディアにしか解放されていなかったのですが、2016年4月からは一般解放されました。
そこでLIGブログもInstant Articlesを導入することにしました。今回はそれによる数値の変化を報告いたします。少しでも導入を検討している方の参考になれば幸いです。
ちなみにLIGのFacebook投稿はこんな感じです
LIGのFacebookページでは、毎日LIGブログ上で更新される記事について投稿しています。
毎日LIGブログでリリースされる記事に関する投稿を掲載していて、リンク先はLIGブログの各記事です。気に入った記事があれば、ぜひ「いいね!」してくださいね。
Facebook投稿のクリック数やシェア数は本当に改善するのか?
(画像引用元:Facebook公式ページ)
FacebookはInstant Articlesをリリースするにあたり、『Instant Articlesを導入すると、クリック数20%アップ、離脱率70%軽減、シェア数30%アップの効果を得られる』というデータを発表しました。
「本当にそんなに向上するのかよ……」と訝しんでしまうところです。
3項目すべて検証したいところですが、2つめの『離脱率(=記事の読み込み中にユーザーがページを離れた率)』は計測できないので、まずはクリックとシェアについて検証してみましょう。
今回はなるべくフラットなデータにするため、バズった記事を除外して平均値を算出しています。対象は「いいね!」が300以下の記事のみです。
クリック数は50%アップ
先述した通り、バズった記事を除外したラインナップで確認してみました。
Instant Articles導入前 | Instant Articles導入後 | |
---|---|---|
平均クリック数 | 614 | 1217(50%アップ) |
およそ2倍という結果になりました!
ユーザーにとってのInstant Articlesのメリットは「とにかく読み込みが速くなる」ということですが、Instant Articles対応を示す稲妻マークは一般的に周知されているものではありません。なので、「クリック率はあまり変わらないんじゃないかな?」と心配していましたが、必ずしもそうとは限らないようです。
IT/Web業界に属している読者が多いLIGブログだからこそ、Instant Articlesへの反応が高かったとも考えられます。
また、Facebook投稿のクリック率を上げるためにはクリエイティブ(広告文や画像など)や投稿日時などを工夫する必要がありますが、今回はInstant Articlesを導入したことを除いては、投稿方法などに変更はありません。
そのため今回のクリック率における変化は、Instant Articlesによる影響だと考えられます。
シェア数は46%アップ
Facebook投稿がシェアされる回数は、1投稿あたり10シェア前後が平均値でした。
Instant Articles導入前 | Instant Articles導入後 | |
---|---|---|
平均シェア数 | 11 | 24 (46%アップ) |
こちらもクリック数と同様に、およそ2倍という結果になりました。
シェア率が伸びた要因のひとつは、シェアボタンが画面の右上に常に表示されていることでしょう。
また、LIGのInstant Articlesは記事内画像直下にもすべてシェアボタンが付与されているので、その影響も大きいと考えられます。
じゃあリーチ数とPVはどうなんだ?
クリック率、シェア率の向上はそれぞれおよそ2倍ということがわかりました。
では、それ以外の数値は果たしてどうなのでしょうか。
リーチ数は69%アップ
投稿がどれくらいの人に届いたか(表示されたか)を示すリーチ数。
一説では、Instant Articles対応記事は通常記事よりも優先的にリーチされるようになるとかならないとか、などと言われています。
Instant Articles導入前 | Instant Articles導入後 | |
---|---|---|
平均リーチ数 | 12,630 | 18,257 (69%アップ) |
クリック数、シェア数はおよそ2倍でしたが、それを上回る結果を得ることができました。
LIGブログ上のPVは65%アップ
LIGブログのGoogleアナリティクスではInstant Articlesでの記事閲覧もサイトのPVとして換算されるように設定してありますので、こちらも導入前後で比較してみました。もちろん、対象記事は同じです。
Instant Articles導入前 | Instant Articles導入後 | |
---|---|---|
平均PV数 | 1,858 | 2,860 (65%アップ) |
PVもちゃんとアップしていました!
バズった記事は除外しているとはいえ、記事によっての上下は関係あると思いますが、PV数も目に見えて増加していました。先述しましたが、Instant Articlesでの閲覧もカウントされるように設定しています。
まとめ
総じて数値がアップするという嬉しい結果が出ました。この結果であれば、これからInstant Articlesの導入を考えている方々には「導入して損はない」と明言できます。
デメリットは開発と公開に工数が必要なこと
良いこと尽くめのInstant Articlesですが、導入までの道のりが面倒だというデメリットもあります。
また、記事公開は自動ではなく毎回事前にFacebook側に申請をする必要があるので、それも少し手間です。記事のスタイルが崩れるケースも少なくありませんので、毎回のチェックは必須です。
以下のリンクから、記事の申請チェックリストを確認することができます。
→Facebook for developers/インスタント記事-記事の申請チェックリスト
Instant Articlesが優遇されているのではなくユーザーの反応が良いから結果的にその他の数値も向上している
Instant Articlesを導入するとニュースフィード上で優遇されるというよりは、Instant Articlesがユーザビリティの高い仕様であるから結果的にリーチ数が伸びるんだと思います。
GoogleのAMPと同様に、メディア側が検索エンジンやSNSのプラットフォームにコンテンツを提供するという体制がどんどん拡大しています。
この潮流にはメリット・デメリットどちらもありますが、メディア側はとにかくユーザーが快適に過ごすことを第一に考えなくてはいけないなぁ……と改めて認識させられました。
それではまた!