こんにちは、DevRelチーム・メイカーのうこ(@harmoniko)です。
人物紹介:うこ ものづくりが好きなメーカー。農業とインターネットを組み合わせるのが得意で、「イノシシが罠にかかったらスマホに通知が来る」という仕組みを作ったことがある。 |
梅雨の時期はジメジメして、気分もなかなかさっぱりしませんよね。そんなとき、デザイナーのちゃちゃまる(@chachmaru)が「おもしろいものを手に入れたんですよ」と言って差し出してきたものがあります。
一見普通のグリーティングカード「Joker Greeting」
一見すると、おしゃれなパーティの招待状のようです。でも、書かれているのが “CONGRATULATIONS! (おめでとう)” だけなのが気になります……なんだかスパムメールのような雰囲気がありますね。
中を見てみましょう。
なんともシンプルな中身です。”Remove tag to activate (タグを取ると作動します)” と書かれているタグがあります。
タグを取ってみましたが特に何も起こりません。”press”をぽちっと押してみると、なにやら陽気な音楽が流れてきました。音楽を送れるグリーティングカードなのでしょうか。
〜♪
〜♪
〜♪
……ずっと鳴り続けています。そろそろ音楽も満足したので止めたいですね。もう一度”press”ボタンを押すと音楽が止まるのかな。
……あれ?
……あれあれ??
……止まらない!!!!!!
全然止まりません。連打してもだめです。
最終的に分解してトドメをさすこととなりました。
持ってきた張本人のちゃちゃまるいわく、「ボタンが押せば押すほど音が大きくなる、停止ボタンはないけれど冷蔵庫に入れてしばらく冷やすとなぜか止まる」とのこと。なんて仕掛けだ!! 地味だけどやだ!! ……会社の冷蔵庫に入れても鳴り続けたら来客の迷惑になりそうだよ!
くやしいからもっと音を大きくしてやるぞ
「停止ボタンが存在しない」というドッキリに少々やられましたが、どうせならもっと爆音で鳴らして、押した瞬間にビックリさせてやりたいですね。改良してみましょう。
分解してみた
そお〜っとナイフを入れて紙をはがすと、導線が数本と基板がふたつ、スピーカーらしきものがひとつ入っていました。なんだか爆弾みたいですね。ある意味では爆弾で間違いはないのですが……。
ちなみに、音楽を止めようとして手で無理矢理破くと、それはそれで大変なことになる仕組みがあるみたいですよ。
ギターアンプにつなげてみた
見たところ、カードに内蔵されている小さなスピーカーから音楽が流れているようです。このスピーカーへの出力を、路上演奏で使えるような小型ギターアンプに入力してみましょう。爆音間違いなしだ!
この2本の線がスピーカーにつながっていました。これを、ギターとアンプの接続に使う「シールド」というケーブルの端子にくっつけます。
シールドのもう片方はギターアンプに接続します。グリーティングカードがこんなものにつながれているとは、開発者も予想はしていないでしょう。
本当はちゃんと「ハンダづけ」をおこなって接続しないといけないのですが、即席なのでテープで端子を接続しています。2本の線を、端子の「チップ」「スレーブ」という部位にそれぞれくっつけます。
実際に鳴らしてみよう
アンプの音量を少し大きめに設定しておきました。この状態で”press”ボタンを押すと、きっと爆音で音楽が流れるはずです。
コングラァァーッチュレイショオォーン!!!!!
結果、めちゃくちゃうるさくなりました(それだけ)。
音量を大きくするだけでも、とんでもなく鬱陶しくなりました。接続がテープなので、外せばすぐに止められます。それにしてもどうしようもないカードでしたね。楽しかったです。
おわりに
分解して発見したのですが、基板上に「SDA」「SCL」という表記がありました。これは「I2C通信」という、いろいろなセンサやマイコンのあいだで交わされる信号を扱う端子のことを示しています。
当ブログの読者さんでしたら、「Arduino」などでこれが使われることをご存知の方もいらっしゃるかと思います。さて、そんなI2C端子がこのカードについている意味とは……?
もっともっとハックできそうな気がしてなりません。我こそは!というエンジニアの方がもしいらっしゃったら、ハックのご報告をお待ちしております!
今回記事で使用した「Joker Greeting」は、公式サイトで購入できます! ぜひゲットしてみてください。