3. 背の低いパーツからはんだづけしよう
基板にすべてのパーツを載せた状態を横から見ると、こんな感じです。このときのパーツの高さは、低い順にボタン電池ホルダー、キャンドルIC、スイッチ、LEDとなっています。はんだづけもこの順番でおこないます。
まずは、ボタン電池ホルダーからつけていきましょう。基板の裏面から余った端子が飛び出ていますが、切らずにそのままにしておいてください。
はんだづけの簡単なやりかたについて
- はんだごてを温めます。ものにもよりますが、電源をつけてから1分ほど待てば大丈夫です。
- コテ先が汚れていたり、くすんでいたりしていた場合は、水を含ませたスポンジにこすりつけて綺麗にしましょう。
- パーツを深く挿した状態でパーツ本体側をテープなどで固定し、裏面の端子と基板の付け根をはんだごてで「3秒間」加熱します。基板の付け根にある、円形の金属部分を「ランド」といいます。
- 糸状のはんだの先端をはんだごての先端に押し当てると溶けていくので、そのまま押し込んで、「ランド」の上に富士山の形のような、はんだの山ができることを確認します。
- うまく山がつくれたら、まず糸はんだを基板から離し、次にはんだごてを離します。先にはんだごてを離してしまうと、基板に糸はんだがくっついてしまうため注意してください。
実装:ボタン電池ホルダー
一度、すべてのパーツを基板から取り外してから、ボタン電池の−極と接する「ホッチキス針」パーツをまず基板にのせ、テープで軽く固定します。そのまま裏返して端子をはんだづけします。
オモテ面に戻って上からホルダーをのせ、これもテープで固定してから裏返して端子をはんだづけします。
実装:キャンドルIC
キャンドルICには、文字が印刷されている平らな面があります。写真のように、その面を内側に向けてはんだづけします。繊細なパーツなので、はんだごてをあまり長時間あてすぎないように注意します。
実装:スイッチ
スイッチ以降のパーツは、傾いた状態でくっついてしまうことがあります。その際は上の写真のように、まず端子をひとつだけはんだづけして固定しましょう。
そのあとに、パーツ本体を指で押さえつつ端子を熱したはんだごてでちょんちょんと触れると、傾きがまっすぐになります。このとき、はんだごてをあてたままにしてはいけません(やけどしてしまいます)。
そのまま、残りの端子もはんだづけしてしまいます。
実装:LED
LEDは、はんだづけする前に端子の方向を必ず確認しましょう。長いほうが電池に近い側になっていなければいけません。
オモテ面、ウラ面がこのようになっていればOKです!
4. パーツどうしを配線しよう
4つの部品が基板上にのったら次は配線をしましょう。
配線:ボタン電池(+極)→キャンドルIC
ボタン電池に一番近い位置にあるキャンドルICの端子を、ボタン電池ホルダー(+極)の端子に向かって折り曲げ、適当な位置で切断します。折り曲げた状態で、はんだごてでホルダー側のはんだを融かし、IC端子の切断部分とホルダーの端子がはんだでつながっている状態にします。
このとき、ボタン電池ホルダーがポロッと取れてしまいやすくなるので、基板のオモテ面を木の机などに押しつけながら作業するのがおすすめです。金属部分は熱くなるので、素手で触らないように気をつけてください。
配線:キャンドルIC→LED
キャンドルICの残り2つの端子は隣のLEDの端子につなげます。上図のように、斜め上方向に平行に折り曲げて、ボタン電池のときと同様に切断・はんだづけをおこなってください。
配線:LED→スイッチ
LEDの短いほうの端子をスイッチのほうに曲げて、スイッチのLEDに一番近い端子とくっつけます。LEDの長いほうの端子は根元から切ってしまって大丈夫ですが、はんだづけ部分も一緒に切断してしまわないようにしてください。
切ったあとの端子は、あとで利用しますのですぐに捨てないでください。
配線:スイッチ→ボタン電池(−極)
3つあるスイッチの端子のうち真ん中のものと、ボタン電池の−極(ホッチキス針)端子の間を接続します。ここの配線は少し距離が離れているため、「耐熱電子ワイヤ」という、皮膜つきの銅線を利用します。
まずこの端子の間の長さに切り、両端の皮膜を取り除きます。
その状態で位置をあわせてテープなどで固定したあと、スイッチ端子・ホッチキス針端子のそれぞれの部分のはんだを融かしてワイヤとくっつけます。うまくつかないなと思ったら、端子を熱した状態で糸はんだを送り込んでみてください。
あとは、端子の飛び出した不要な部分を全て綺麗に切断すれば完成です!
おまけ:ストラップホールとLEDキャップ
捨てずにとっておいた、切断した端子の余りがあると思います。これを、ホッチキス針端子のような「コ」の字状にしてスイッチの上部にはんだづけすると、ストラップを通すための穴として利用することができます。
また、LEDはそのままだと明るすぎるので、「光拡散キャップ」という帽子のようなものをかぶせてあげることで、マイルドな光にすることができます。
最後に、はんだごての電源を切る前に、コテ先に糸はんだを押し付けて「はんだが残っている」状態にしてから電源を切ります。コテ先は基本的に消耗品なのですが、こうすることでコテ先の酸化(空気に触れて劣化すること)を和らげることができます。
完成です!
以上のような流れで、はんだづけが初めてという4人の方にこの光るキーホルダーを作っていただきました。説明などを入れながら、おおよそ1時間半ほどで全員が完成させることができました。
知識0からでもできるはんだづけのハンズオン・第0回を主催しました。楽しい!!という感想をいただけたことが1番の収穫です〜〜どうもありがとうございました。ブラッシュアップしたのち、後日また「第1回」を開催する予定です!#0han pic.twitter.com/pKXueCZkAo
— うこ@NT金沢/MFT2016 (@harmoniko) 2016年6月24日
感想をうかがったところ、「とても面白かった!」とのことで、まったくの未経験でも楽しみながらモノづくりをしてもらうことができたかなあと思っております。みなさんも、ぜひこの機会にはんだづけをやってみませんか?
日程は決まっていませんが、ハンズオンは次回も開催予定ですので、気になった方はTwitterのハッシュタグ#0hanでの告知をお見逃しなく。
今回紹介した「光るキーホルダー」はキットの販売もやっています。詳細はこちらからどうぞ。
dotstudio – 光るキーホルダーキット
それではまた。