【手ぶらの職人】フィリピンで経験した、日本じゃ考えられないアクシデント【内装工事編】

【手ぶらの職人】フィリピンで経験した、日本じゃ考えられないアクシデント【内装工事編】

石倉 リッキー・チャン

石倉 リッキー・チャン

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こんにちは、セブ島のリッキーです。少し焦っています。

セブ島のコワーキングスペース いいオフィスCEBU の立ち上げに、バタバタと駆けまわる毎日。ゴールデンウィークも「なにそれ?おいしいの?」と、平日と同じように働けたことが逆に嬉しく感じます。そう言い聞かせている、今日この頃です。

 

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激しい「喜び」はいりません。そのかわり、深い「絶望」もいりません。「植物の心」のような人生。ならびに、プロジェクトのディレクションを心がけています。

ところが、壁を立てる工事も一段落したところで、さっそく日本ではありえないアクシデントが次々と発生。これが、はじめて海外でプロジェクトを進める上での洗礼なのですね。

ああ、「平穏なプロジェクト」が目標だったのに……。

 

コンクリ床の溝を掘るのに……ノミとトンカチしかないの?

それは、ゴールデンウィークに差し掛かる4月末のこと。

工事がグイグイと進んで変化が目に見える毎日から一転、来る日も来る日も見栄えが一向に変化しない不安な日々がやってきました。

 

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当初のスケジュールでは、キッチンやトイレの配管工事のフェーズ。配管工事は3日程度、バッファを見込んで1週間くらいだろうと予定を立てていました。

が、1週間経っても、どうやら配管工事が終わっていないというのです。

 

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さて、こういうときはまず、原因が何なのかを把握することが大切です。原因がわかれば、感情に振り回されることなく、対応策を考えられますからね。

現場監督に話を聞きます。

 

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「セメント床や壁に穴を掘って溝を作らないといけないんだけど、」

 

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「道具がなかったから、ノミとトンカチで床を掘ってたんだ。」

 

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「遅れてるけど順調だから、安心して!」

 

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(安心できない……)

 

日本という国で生まれ育ったからでしょうか。てっきり電動の切削工具を使って、ちゃちゃっと溝を作っているものだと思っていました。まさか、数時間で終わる作業が、1週間たってもまだ終わっていないなんて……。

おもむろに不安を露わにする僕に、「あと1日で終わるから、元気出して」と、謎の励まし。

ああ、フィリピンで出会う日本人の方々が口を揃えて言っていた“フィリピンタイム”って、これなんですね。

ちなみに、このあと「大丈夫だから」と連日の励ましを受け続け、3日かけて溝工事を完了してくれました……。

 

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そもそもは、電動の切削工具を職人さんが持っていなかったことが今回の原因です。日本じゃ、大工さんがノコギリを持っていないなんて考えられませんよね。

ただ、フィリピンではありえるそうなんです。。

 

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フィリピンの内装工事の見積書には、“ TOOL ”という日本では見かけない項目があります。

じつはこれ、現場の職人さんに支給するための道具を揃えるための費用なのだそう。電動ドライバーや、のこぎり、今回の切削工具もこれに当たります。

 

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「工具って、職人さんが使い慣れた自前のものがあるんじゃないですか? 鉋(カンナ)は大工の命の道具とも聞きますし」と尋ねたところ、『こっちの職人は、基本手ぶらで現場に来ますよ』との回答。まじですか。

これからは海外で工事を発注するとき、手配する道具の種類や数までしっかり確認する。と、肝に銘じておきます。

あたまを抱えるような「トラブル」や、夜も眠れないといった「敵」をつくらないためにも。

 

そのドア、どうやって開けるんですか?

ゴールデンウィークの最中、関を切ったように予想外の事態が起こります。

 

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壁が立ち上がったので、ドアを設置しました。コワーキングスペースの会議室のドアです。

このドア、納期が間に合わないかもしれない……と言われていたんです。ただ、思いの外スムーズに話がまとまり、予定よりも早く納品できて、順風満帆な雰囲気だったんですよね。

 

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さて、設置完了の報告を受け、さっそく現場へ。

開け閉め時にガタつきがないか、他の設備に干渉しないか、など確認をしなければいけません。

 

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あれ?

 

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ドアノブがない

 

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あいたたたたた……、てっきりドアとドアノブはセットだと思っていました。自分、甘かったようです。

うなだれる僕を見て、「たぶん不便だと思うから、ドアノブつけたほうが良いんじゃないかな?」とアドバイスをくれる棟梁。

僕もそう思います! ぜひ、そうしてください! お願いします!

 

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指示したことは、なんだかんだやり遂げるものの、良くも悪くも指示通り。たしかに見積りにも、Doorという項目はありましたが、Doorknobという項目はなかった……これは事実です。

普段から当たり前と思っていることを、一旦リセットして考える。これが、海外のプロジェクトを進める上では、とても肝となります。なかなか難しいことですけどね……。

「思い込む」という事は、何よりも「恐ろしい」ですから。

 

嗚呼、おせっかいが余計な仕事を増やす……

以前、「アートなセブの街に調和する、コワーキングスペースの全体像が見えてきました」で、こんなことを書きました。

 

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いいオフィス CEBUは、ざっくりと荒々しくも温かみのある空間に仕上げようと思っています。

床のざっくり荒い風貌の活かすことにしました。ところどころの凸凹も、空間のいい味になってくれるはずです。

セブ島にあるコワーキングスペースやシェアオフィスは、タイルで綺麗に作ってしまっているところが多いので、この荒っぽいテイストが特徴になるんじゃないかと思っていたんですよね。

 

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現場に行くと、なにやら床で作業をしています。

 

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床の凸凹を……綺麗に埋めていました

んー、これはどういうことかな。ちょっと当初の予定と違ってくるなぁ。

突然の出来事にあたふたしていると、「凸凹があると、普段使いのなかで床がかけて粉塵が舞っちゃうこともあるから埋めておいたよ」と、笑顔で肩を叩かれました。ナイス、ホスピタリティ。

でも、調整もできる範疇だから大丈夫かなと……

 

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でも……おや……ちょっとやっぱり……

 

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(ムラが気になるんだよなぁ……)

 

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床の凸凹がなくなることで、粉塵が舞うリスクは減ります。こちらが気づいていないトコロまでフォローしてくれるなんて、良きパートナーだと思います。

ただ、この仕上がりだと「やるなら最後までしっかりやって」と、言いたい……。

おそらく愛嬌のある笑顔が、「え? 作業増えるの?」という苦笑い、もしくは落胆の表情に変わるでしょう。とても言い出し辛い……ですね。

 

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とはいえ、頭ごなしに指示をしたって、モチベーションを下がるだけ。結局、現場に差し入れを携えて、追加の指示を出すハメになりました。

細やかな「気配り」と大胆な「行動力」で対処すれば、けっこう順調にプロジェクトを進められるはずですから。

 

「追いつめられた時」こそ……、冷静に物事に対処し「チャンス」をものにせよ

どんなプロジェクトにも、トラブルはつきもの。

ましてや、初めての海外オフィス立ち上げプロジェクトです。まだまだ前途多難ようにも思えます。そして、大切なのは同じ過ちを起こさないこと。

こうやって、これまでのトラブルを記録することが、僕自身だけでなく、これから海外でオフィスを立ち上げようとしている方の参考にもなれば幸いです。

 

ちなみに上記のようなオフィス立ち上げ時のトラブルに見舞われることもなく、ビジネスの拠点を構えるおすすめの方法があります。

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完成した いいオフィス CEBU を利用しちゃえばいいんですよ!

今なら20名様限定の先行予約割引として、月額5,000ペソ(おおよそ12000円程度)でいいオフィス CEBUをご利用いただけるキャンペーンを企画中です。

ご興味のある方は、以下のお問い合わせフォームより「いいオフィス CEBU入居の件」と記載の上、ご送信くださいませ。

オープン日 6月1日(予定)
場所 Don Gil Garcia St、Cebu City, Central Visayas
地図

いいオフィス CEBUに問い合わせる

 

さて、これからが正念場です。

いいオフィス CEBU 立ち上げプロジェクトも、追い込み時期に差し掛かってきました。オフィス家具の選定や、照明、床、壁などの仕上げの準備も進めていかなければいけません。

一番大変だけれど、一番やりがいがあって、たのしい時期でもあります。なので、次回のレポートは楽しい内容になるはず!

では、また次回。セブ島からリッキーがお届けしました!

それにしても、

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職人さん、よく寝てるんですよね……(働いてくれー)。

 

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石倉 リッキー・チャン
石倉 リッキー・チャン 空間ディレクター / 石倉 リッキー・チャン

LIGの遊撃隊に所属。好きが高じて、インテリアや空間の仕事をさせてもらっています。 サンドイッチとかハンバーガーとか、パンで何かを挟んだ食べ物が好きです。 さて、どう暮らしましょうか。ということをいつも考えています。

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