こんにちは。LIGライターののっち(@nocci_84)です。
突然ですが私は今、沖縄県宮古島(みやこじま)にきています。
「名前は聞いたことがあるけど、どこにあるの?」と思う方も多いでしょう。沖縄本島から飛行機でさらに1時間弱程、地図で見ると日本よりも台湾に近い位置にある島が、宮古島です。
今回そんな宮古島に、とある会社がサテライトオフィスを構えるらしく、取材をお願いしたいと声をかけていただき訪れたのですが……
どこまでも続くクリームソーダ色の海も、太陽の光を受けてキラキラ光る白い砂も、あまりに美しすぎて……
なんか、もはや、うさんくさい。
この海、実は人工なんじゃないか。わたしは騙されているんじゃないか。そんな気さえしてくるほどの美しさです。
本当にこんな夢見たいな場所に、サテライトオフィスが立つんでしょうか……。
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「お待たせしました、のっちさん。ようこそ宮古島へ! 」
「あ……。こんにちは……」
さわやかに現れたこのイケメンが、サテライトオフィス企画の代表、志水さんです。
人物紹介:志水(しみず)さん 愛知県名古屋にオフィスを構える、Web制作会社「タービンインタラクティブ」の代表取締役。会社もイケイケだが、ご本人も海風がよく似合うイケイケなメンズ。 |
宮古島に不似合いすぎる真っ白な肌と、神経質そうに前髪をかきあげる仕草が印象的です。どう見ても、自然が好きそうなタイプには見えません。
あやしい。大体なぜ名古屋にある会社が、わざわざ沖縄の、しかも離島なんかにサテライトオフィスを作るのでしょうか? 一体何を企んでいるのでしょう……。
オフィスにいってみました
疑心暗鬼になりながらも、まずはサテライトオフィスとしてリニューアル予定の「平良港マリンターミナル まりんぴあみやこ」に案内してもらうことにしました。
ここはもともと、宮古島と離れ島の「伊良部(いらぶ)」を結ぶ船の港だったのですが、近年2つの島をつなぐ橋が開通したことにより、役割が限定的になってしまいました。そのため少し寂しくなってしまった施設です。
中に入ってみると、広々とした施設の向こう側に美しい港が広がっていました。まるっとサテライトオフィスとして新たに生まれ変わるこの場所。とにかく驚くほど好立地なんです。
オフィスから徒歩5分で海に出れちゃうし
仕事に疲れたら釣りも出来ちゃうし(見たこともない魚が釣れるし)
少し歩けばお洒落なカフェやご飯屋さんもあるし(しかも絶品)、
オフィスのベランダからは、地平線と沈んでいく、アホなくらいに綺麗な夕陽も見えちゃうんです。
しかし、わたしは騙されません。
「うまい話には、裏がある」のがお決まりなんです。こんな好立地で、しかも天国みたいな場所で仕事ができるなんてありえません。
お話を伺ってみました
とりあえずオフィスから徒歩5分のビーチで、志水さんにいろいろ聞いてみることにしました。
宮古島は「最高の職場」を追い求めていたときに出会った島
ー なんで名古屋の会社が、わざわざ宮古島にサテライトオフィスをかまえようと思ったんですか?
僕の会社はWebの制作をやっている会社なんですけど「Web制作会社=ハードワーク」なイメージって持たれがちじじゃないですか。「無理やり長時間働かされているんでしょう?」みたいな。だけどそれって本質「やらされている」というより「良いもの作ろう!」ってみんながクリエイティブしてるからこそ、気付いたら夜になってたとか、あるんですよね。
だったら、もっとその一生懸命な気持ちが生きるようなオフィス作りをしたいなと思って、バーカウンターとか、アトラクションだったりとか、和室をつくったりとかいろいろやってみたんです。でも「これ以上に何を工夫したら楽しめるんだろう?」って思ったときに、オフィスの中ばかり目を向けずに、場所自体、最高にクリエイティブなところに変えてみよう! って思って。ちょうど4年前でした。
ー なるほど……ちなみに沖縄本島じゃだめだったんですか? 近年制作会社が多く進出しているイメージです。
たまたま宮古島には縁があったんです。友人が10年くらい前から、実際にリモートで仕事をしているのを見てきて。なので選択肢として「宮古島」はすぐに浮かんだんですよね。最初はそんな程度の理由でしたが、何度か足を運ぶうちに「離島だからこそチャンスがある」という考えに変わりました。
1つ目は、「誰もやらないからこそ、面白い仲間が集まりやすいのでは」と思ったことです。さきほど「本島には近年制作会社が多く進出している」とおっしゃっていましたが、その通りで。だからこそ「宮古島IT」ってキャッチーだし、ブランディングになるのではと考えました。遠隔で働くノウハウを蓄積して発信する。そのためにベストな環境です。
2つ目は、「ITが社会課題を解決していく手段になる」ことです。例えば若い人たちが島を出た後で、もう1度帰りたいと思っても、仕事をする場所がない。技術を移転して新しく雇用を生み出すことで、島にかえってこれる人を増やせるのでは、と思いました。
みんなが描く「沖縄らしい沖縄」があった
ちなみにのっちさんは、沖縄ってどんなイメージですか?
ーえーと……まさに宮古島そのものですかね。青い海、白い砂、のんびりとした人たち……
ですよね。でもそれって、実はもう本島ではなかなか味わえない感覚なんじゃないかと僕は思っていて。都会になりすぎてしまったんです。
宮古島にいろんな人を連れてきて感想を聞いているんですけど、東京の人が思う「あ、沖縄の海ってこんな感じ」って意外と本島じゃなくて宮古島だったりする。確かに離島は交通の便もハードルが高くて、なかなかここにオフィスを出す企業って少ないんですけど、だからこそ意味があると思いました。都会で戦うことに疲れてしまった人が、本当に癒される場所があるんです。
勤務時間はたったの4時間。あとの時間は自由
ーちなみにこちら採用になった社員って、どんな働き方になるんですか? 目の前に「沖縄」が広がってても、結局朝から晩までかなり働くんじゃ意味がないのかなと。
僕もそう思って、思い切って基本的な労働時間は、毎日4時間にしちゃいました。
ー ・・・え、4時間勤務!?
そうです。4時間。1日4時間は会社の仕事をやってもらって、後の時間は自由です。海で遊んでもOK・副業するのもOK、農業するのもOK! 土日休みで、月に12万を給与としてお渡しする形にしようと考えています。
ー……とか言って、入社してみたらすごい量の仕事を押し付けられて、4時間じゃ終わらない……とかじゃないんですか?
いやいやないです、ないです!(笑)それこそ本末転倒だし、別に宮古島じゃなくても良くなっちゃいますよね。ここでのリモートワークは、お金のためじゃなくて町も自分も、いろんなことを変えていく糧になるみたいな、そんな場所として居続けたいんです。その方が、視野がいい方向に広がるんじゃないかという期待もありますね。
ー ちなみに手取り12万円って、例えばそれだけでも支障なく生活できるんですかね? 物価も特別安くは無いですし、ちょっと不安かなって。
そう思って僕も、宮古の人にいろいろ聞いてみているんですよ。そしたら「いけるんじゃない?」て言う人が割といるんですよね。「海と遊ぶ」のも「自然を楽しむ」のも、1番楽しいアクティビティはお金をかけなくてもできることなんです。いろんな魚を釣って食べてみるのも良いですよね。なので「4時間以外は絶対働かない!海で遊びまくる!」というのもありなのかもしれません。ぜひチャレンジしてほしい。僕も若ければ、一緒にやってみたいかも(笑) ちなみにもっと働きたい方には、8時間勤務やマネージャー職の提案もさせていただければと思います。
「3ヶ月無料で住める社員寮」は移住のストレスやコストを極力、最小限にするため
あとは、社員寮を用意しているので、住まいはかなり安めに提供できるかなと思ってますよ。
ー社員寮!?……もしや狭い間取りにぎゅうぎゅうと男女一緒に……
いやいやいや! そんなことしないですってば(笑) 今のところ4人〜5人で生活できるようなシェアハウスを、オフィスから5分のところに男女別々で用意するつもりです。3ヶ月間無料で解放して、こういう生活をしたいというイメージを描いてもらえたらいいなと。移住って住まい以外にもいろいろ決断を迫られることがあると思います。なのでせめて住まいにかかる余計なコストやストレスを最小限にして、スムーズに島の生活を試してもらえるようにしたいんです。
ー つまりお話を総合すると……なんか、最高じゃないですか?
いまさら!? さっきから最高なところ、いっぱいご案内してましたよね?(笑)
市長にも話を伺ってみました
それでも納得がいかなかったので、最後に宮古島市の市長、下地(しもじ)さんにもお話を伺わせていただきました。
人物紹介:下地 敏彦(しもじ としひこ)さん 日本の政治家。沖縄県宮古島市長(2期)を勤めている方。今回突然の申し出にも関わらず、笑顔で取材に応じてくださった。 |
「突然お時間いただいてすみません。さきほど志水から、最高すぎるリモートワークの話を伺ったんですけど、あまり条件が良くて信じられなくて……。ITの企業が宮古島に参入してくることについて、市からするとどうなんでしょう? やはり反発もあるのでは?」
「ありません。むしろ大歓迎ですよ。宮古島市はエコアイランド宣言を出しているんです。環境に優しく、距離を問題としないITの仕事が広がるのはありがたいですし、市もそれを全面的にバックアップしていく予定です」
「そしてご存知かと思いますが、今回のプロジェクト準備に4年もの歳月を費やしています。じっくり時間をかけて丁寧に育ててきたからこそ、さまざまな人々が賛同して、協力してくれています」
「なので、予想以上に仕事も生活もしやすいと思います。人も良いし、食べ物も美味しいし、自然も豊かですし。あと素朴で真面目な、心優しい男性が多いのも宮古島の特徴ですね」
「なるほど。話はわかりました」
「……すいません、ちょっといいですか?」
「……あ、もしもしお母さん? わたしだけど」
「わたし、今月転職して宮古島で暮らすことに決めたわ」
宮古島のサテライトオフィスで、最高の仕事しませんか?
タービン・インタラクティブ宮古島サテライトオフィスでは、現在一緒に働く仲間を募集しています。地方の可能性を一緒に見つけていきたい方、沖縄らし沖縄を体感したい方、とりあえず話を聞いてみたい方よ、要チェック!
▼募集条件
勤務時間 | 1日4時間(フルタイムでの勤務も可 / 副業OK!) |
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求める職種 |
※その他「自分はこれが出来る!」アピールポイントがあれば上記職種に限定しません。 |
勤務地 | 宮古島 |
給与 | 12万円 |
諸手当 | 社員寮を無料で3ヶ月解放 |
それでは、また。んみゃーち♪
Photo協力:Re:charge/大林 領