こんにちは! メディア事業部マネージャーのたくです。
今、世界的にアプリ市場が急拡大しているようです。
2015年、世界のアプリ市場の収益はアプリ市場は411億ドルでしたが、2016年は24%成長し510億ドルを突破する見込みです。2020年には1,000億ドルを上回ると予想されます。
あらゆる業界がアプリ市場に参入しているそうで、今後もしばらくアプリ開発の市場が拡大していく見込みなんだとか。
LIGブログはまだアプリ化していませんが、そろそろ検討しても良いかもしれません。アプリ化することで、いつもLIGブログを見てくださっているロイヤルな読者に新しいサービスを提供できたり、ブログ内の回遊がしやすくできるはずです。
でも、アプリ開発はお金がかかるという話もよく聞きます。それだけのコストに見合う効果が出るのかも半信半疑。
はたして僕たちもこのアプリ開発ブームの波にのるべきなのでしょうか? 今後の戦略を見据えるため、専門家にアプリ開発のアレコレを伺ってみようと思います!
アプリ開発って実際どうなの? アプリ開発サービスをつくった専門家に聞いてみた
クラウド型アプリプラットフォーム『yappli』の開発者である、ファストメディア株式会社の黒田さんと佐野さんのお二人。アプリ市場や開発について、専門的な知見からお話をしてくださいました。
UXデザイナー/デベロッパー 佐野将史 ヤフー株式会社に新卒入社。Yahoo!ファイナンスの先進的なiOSアプリやスマートフォンサイトを開発。未踏ユース2007年度下期クリエーター。 |
デザイナー 黒田真澄 ライブドア株式会社を経てヤフー株式会社の制作職リーダーに就任。「続・ハイパフォーマンスWEBサイト(出版:オライリー)」にてヤフー社の取り組みを執筆。 |
アプリの魅力は、最高のユーザー体験を提供することでロイヤル層を囲い込めること
ー アプリ市場が盛り上がっていますが、この要因は何なのでしょうか?
佐野:アプリはユーザー体験が良いというのが一番の理由だと思います。ブラウザで読み込むよりもサクサクと動かせるし、検索する手間もかかりませんから。
黒田:最近のコンテンツマーケティングの注目に伴って、オウンドメディアやSNSなどさまざまな媒体でコンテンツを展開する企業が増えました。でもその情報って点で存在しているんです。繋がっていない。これはユーザーにとっては不便ですよね。そんなバラバラしていた点の情報を線で繋げてまとめてあげられるのもアプリの魅力です。
ー アプリはやはりユーザーメリットが大きいんですね。企業側のメリットとしてはどんなものがありますか?
黒田:ブラウザ上での訪問とは異なり、アプリを使うにはダウンロードという手間があります。だから、アプリユーザーはそもそもロイヤル層であることがわかりますよね。購買意欲が高く、消費単価も高いロイヤルユーザーを囲い込み、その人たちに向けた施策を打てるという点がメリットですね。
佐野:アプリを使うことによって、抜け目なくロイヤル層にアプローチできるんです。従来のユーザーとの接点といえば、店頭、メール、SNSなどがメインですが、これらはロイヤル層でも見逃す可能性があります。しかしアプリにはプッシュ通知機能がありますよね。画面に勝手に表示されるプッシュ通知は見逃されることがほとんどなく、ユーザーの反応もメルマガに比べて5倍程良いことがわかっています。また、アプリはPCサイトに比べ、コンバージョンやリピート率がずっと高いんです。実際にスマホサイトと比較してアプリのCVRは2倍違うという方もいらっしゃいます。一人当たりのライフタイムバリューが高いこともわかっているため、ユーザーにとってアプリは重要なマーケティングツールになりつつあります。
黒田:LINEのプラットフォームを使ってプッシュ通知することも可能ですが、LINEだと他ブランドと並列した状態でのコミュニケーションになります。独自のブランディングを展開することは難しい。そこで、多くの企業が自社アプリの開発を選択しているんだと思います。
オンラインとオフラインを繋げて新サービスへ。位置情報と連携できるアプリの今後の可能性
ー アプリ市場に参入するのはどういった業界が多いのですか?
佐野:弊社のクライアントはアパレル業界が多いです。アパレルとアプリは相性が良いんです。アパレルブランドにはファンが付きますよね。コアなファンはアプリを使いたいと思ってくれますから。アプリを使ってポイント制度を導入したり、コーディネートの人気ランキングを掲載したりと、ファンが喜ぶコンテンツをつくれるので好評です。
黒田:位置情報を取得して、店舗やエリア別に施策を打つこともできます。渋谷の109を訪れた人だけにプッシュ通知をする、なんてこともできますね。
佐野:店舗に入ったらポイントが贈呈されるような施策も始まっています。ユーザーのお気に入り登録情報と位置情報を照らし合わせて、在庫がある店舗を横切るときにプッシュ通知を送ったりすることも可能。自分の持っている服と合うおすすめコーディネートを教えてもらう、なんてコンテンツもおもしろそうですね。ちなみに、僕が今注目しているのはチャット機能です。LINEでのチャットではなく、アプリ内でチャットができるとおもしろいんじゃないかなあ。
ー 位置情報を取得できたりやユーザーごとにサービスを個別化できることで、いろいろなサービスが可能になるんですね! それにしても、アパレルが多いというのは意外でした。
黒田:メディア系もアプリとの親和性が高いと思います。なにか情報を伝えるとき、プッシュ通知が一番速くユーザーに届きますから。例えば、特ダネニュースを配信しようと記事を書いていたら、他メディアがプッシュ通知でいち早くそのニュースを配信したので、せっかくの読者が他社に流れてしまう、なんてこともあるみたいです。
ー ユーザーとの距離が近く、いち早く情報を伝達できるのがアプリなんですね。
目的は? 外注先は信頼できる? OSバージョンアップ対応は? 外注を決める前に気をつけておきたいこと
ー アプリをつくろうとすると、外注でつくる企業も多いと思います。外注するときに気をつけるべきことはありますか?
佐野:一番大切なのは、しっかり目的をもつこと。明確な目的をもたずにアプリをつくろうとする人の中に、「アプリでしかできない何かおもしろいことやりたい!」と言う人がいますが、これはNGです。目的が定かでないと「これ、いったい誰が使うの?」みたいな無駄な機能が入ってしまいがち。お金をかけたにも関わらず、誰にも使われず、ダウンロードも伸びないってことがありますね。
黒田:基本的なことですが、ネイティブアプリでつくってくれる代行者さんを選ばないといけません。iOSとアンドロイドの仕様の違いを理解するのはもちろん、UI/UXも含めて対応してくれる代行者さんである必要もあります。安かろう悪かろうってことも多いので、きちんと見極める必要があると思います。
佐野:それに、アプリはつくって終わりじゃないんです。OSがバージョンアップしたらアプリが動かなくなることも少なくありません。その改装作業に多額な追加費用を請求される場合もあります。OSのバージョンも見越して計画立てることが大切です。
ー OSバージョンへの対応ですか。すごく重要なのに、たしかに見落としてしまいそうなポイントですね。
アプリ開発に必要な費用はどのくらい? どうしてそんなにお金がかかるの?
ー アプリ開発には大体どのくらいの費用がかかるものですか?
黒田:内容によりますが、ざっと500万〜1000万といったところでしょうか。
ー どうしてそんなに高価格になるのでしょうか?
佐野:ネイティブ環境での開発なので時間も手間もかかってしまうんです。HTMLを扱える人は多いですが、アプリのネイティブ環境で開発できる人材は限られています。設計の質が悪いと、どこかでボタンを押すだけでアプリが落ちちゃうことも多く、専門的な知識と技術が求められるんです。
黒田:HTMLならサーバーアップロードだけで終わりますが、アプリはそもそもOSごとにつくらなきゃいけないですし、そのあと審査にも出さないといけない。通常のWeb制作にはない大変さがあるからですね。
佐野:最近はスマートフォンに加えて、タブレットやアップルウォッチなどデバイスも増えていますよね。それぞれ対応させようとすると、その分時間も手間もかかります。そういったことを総合すると、それぐらいの費用になってしまうんです。
アプリ開発はスモールスタートが正解! リリースしてからブラッシュアップすべし
ー では、これからアプリをつくろうと思っている企業は、どのように進めていくべきなのでしょうか?
佐野:「まずはやってみよう!」という感じで進めるのがよいと思います。基本的な機能と最低限必要な機能を実装したら、まずはリリースする。そして検証を繰り返して、機能を増やしていけばいいんです。
黒田:一般的な代行者さんに依頼すると、アプリ開発を発注してから出来上がるまでにかかる期間は約半年。そうやって開発に時間をかけていると、競合企業が先にアプリを出しちゃった、なんてこともあるみたいですよ。使われない機能のために無駄に時間を浪費してしまうのはもったいないですよね。
ー なるほど。小さなPDCAを回して改善していくほうがリスクが少ないですもんね。
佐野:リリースしてみないと、誰が何に興味をもつのか、何で動くのか、わからないですからね。アパレルのブランドでは、「壁紙追加♡」というプッシュ通知だけで大きな反応がありましたよ。正直、あれは驚きました。
黒田:アプリの基本は、“スモールスタート”。短期間、低コストで始めてみるのが一番だと思います。僕たちファストメディアのスタンスは、基本的な機能でできる方法を考えたあとに、クライアントに合わせて必要に応じたカスタマイズするというやり方です。そうすれば、クライアントは無駄にお金を払う必要がないし、ユーザーにとっても必要な機能だけが入っていてユーザビリティがよいはず。僕たち制作側も、無駄な機能じゃなくて、使って喜んでもらえる機能を開発したいですからね!
ー ユーザーもクライアントも制作側も、みんなが嬉しいアプリ開発が“スモールスタート”なんですね。
通常の1/10のコストで開発! アプリ開発をスモールスタートできるのは『yappli』
今回お話を伺ったファストメディアが提供するサービス『yappli』。通常の外注制作の10分の1のコストでアプリ開発ができるということなので、最後にどういったサービスかをご紹介します。
yappliは、高品質なネイティブアプリをブラウザから簡単に制作できるサービスです。専門的な知識は不要。ドロップ&ペーストだけで完成してしまうという画期的なツールです。月額利用料が低コストなことも魅力の一つ。低リスクで始められるのが嬉しいですね。
低価格にも関わらず、つくれるアプリはとってもスタイリッシュ! アパレル業界で多く使われているのにも納得です。
今なら、30日間の無料のおためしプランがあるそうです。お二人がおっしゃっていたアプリ開発の「スモールスタート」に最適なプランですね。アプリ開発に興味がある方は必見です!
おわりに
アプリ開発には興味はあるけれど、アプリつくるのは高いから……と諦めたこともありましたが、今回のお話で低コストで始められる方法があることを知りました。アプリというと、ついつい「なにかおもしろい機能を付けたい!」と思いがちですが、ユーザーの反応を見ながら設計していけば、本当に必要な機能を見極めていけるんですね。
「アプリ開発はスモールスタートから」
これからアプリ開発にされるかかたは、ぜひこのキーワードを忘れずに挑戦してみてください!
それでは、また。