はじめまして! 愛知県でネットワークの勉強をしている学生のわみです。
これからIoT(ものがインターネットにつながること)が流行っていく世界で、ハードウェアとソフトウェアができることが重要だと思い、2年ほど前から電子工作を始めました。IoT向けデバイス「Nefry」も自作しています。
そして電子工作を通しさまざまなデバイスを作れるようになる中で、偶然LIGのエンジニアののびすけさんと出会い、今回「Nefry」の記事を書くこととなりました。記事を書くのは初めてなので手さぐりなところもありますが、この記事で「Nefry」やハードウエアに興味をもってもらえたら嬉しいです。
「Nefry」ってなに?
「Nefry(ねふりー)」とは、私が作ったIoT向けデバイスです。
一言で説明すると、Milkcocoaやmythings、IFTTTなどのインターネットのサービスとハードウエアを簡単に接続できるモジュール。インターネットに接続しやすいので、接続に時間をとられることなく上記のようなサービスを利用してアイデアづくりに集中することができます。
ハードウェアに興味のある方ならご存じかもしれませんが、「ESP8266」をモジュールとして採用しました。例えば、Wi-fiに接続してセンサーから集めたデータをインターネットに保存したり、インターネットからモータを操作を補助したりすることができます。
他のモジュールとの違い
Nefryと他のモジュールとの違いや使い分けを説明してみようと思います。今回は、インターネットに接続するのにメジャーな「Raspberry Pi」と、スマートフォンとの連動が得意な「konashi」をNefryと比較してみます。
Raspberry Pi Linuxが動作する小型のコンピューターです。低消費電力プロセッサを搭載しており、価格もお手ごろです。 |
konashi ユカイ工学が開発しているスマートフォンと通信するモジュールです。 ▼関連記事 「IoTはもうちょっと温かい」ロボットは機能よりもデザインが大切である理由 | ユカイ工学 青木CEO |
NefryとRaspberry Pi、konashiを比較してみた
Nefry | Raspberry Pi | konashi | |
---|---|---|---|
インターネットに接続する | 〇 | 〇 | × |
温度センサーをつなぐ | 〇 | 〇 | 〇 |
初めからWi-fiにつながる | 〇 | × | × |
簡単にサービスにつながる | ◎ | × | 〇 |
いかがでしょうか。こうやって比較してみると、手軽に試してみるならNefryがお勧めだと言えますね。
作った背景
▲試作品1号
昨年の8月ごろ、Twitterで「Wi-fiモジュールをもっと簡単に扱えるようにしたいんだけど、どうしたらいい?」という話を見つけたのをきっかけに、開発し続けています。
なるべく簡単に扱えるようにGPIO(入出力ピン)を減らしたり、ライブラリーでなるべくハードウエアを意識しないで済むようにしたり……。よく使う機能をわかりやすく扱えるようにすることで、できるだけ簡単に扱えるように開発してきました。
LIGブログの記事「電子工作界隈で話題のWi-Fiモジュール「ESP8266」でMQTTを使う方法」に載っていた試作品を作ったりもして、試行錯誤を重ねています。
Nefryでは何ができるの?
それではNefryでできることを見ていきましょう。
温度データをグラフ化してみる
Nefryに、温度情報を5分ごとにMilkcocoaというサービスにアップロードするように設定してみました。これはその温度情報をグラフ化したものです。
こういったデータを活用すると、例えば室内で「あの辺りはクーラーが効きにくいから扇風機を置こうか」といったことを考えられたり、Nefryにリモコン機能を追加して直接扇風機やクーラーの制御をしたりすることもできます。あくまで一例ですが、複数のセンサーから温度データを集めて活用すると、アイデア次第できっと面白いものができるはずです!
RFIDとNefryをつないで、ツイートしてみる
「RFID」というSuicaやmanacaなどの交通系ICカードで使われている技術と同じものをNefryに繋ぎ、「タッチするとTwitterにツイートする」というものをつくりました!
タッチするだけの簡単な動作で何か他のものを動かすことができるので、これをトリガーに、例えば部屋の鍵を開ける、家の照明をつける、といった動きもできるはずです。
他にも……
他の人が作った作品ですが、myThingsをつないで天気にあわせて玄関のランプの色を変えてみたり、IFTTTをつないで携帯のGPSをもとに家に近づいたら部屋の明かりがついたりと、生活を便利にするものが作れます。
ハードウエアってシンプルでも意外と見せ方次第で便利になるので、アイデアですごく楽しめちゃうんです。
使い方はとっても簡単
Nefryの使い方ですが、まずはモバイルバッテリーなどUSBに電源供給できるものに差します。
次にArduinoIDEというプログラムを書くツールを使って、Arduino言語(C言語)のプログラムを自分好みに書いていきます。
▲Arduino IDE
最後にそのプログラムをNefryに書きこめば、準備完了です。
Nefryにプログラムを書いた後は、モバイルバッテリーなどの電源に接続すればプログラムのとおりに動作するので、好きなところに置いてちょっと未来感のある世界を楽しむことができます。
ただし、Wi-Fiに接続するため、まずはWi-Fiが届いていることが必要になります。電源はモバイルバッテリーなどを使えるのでコンセントから少し離れていても使用できますが、Wi-fiに接続する消費電力がなかなか大きいので常時使いたい場合は注意が必要です。
それでもスリープモードなどを使い、消費電力を抑えてそこそこ持たせることもできるので、置き場所の自由度は高いと言えます。
まとめ
インターネットとものが接続することで、今まではできなかったアイデアや生活を便利にすることが簡単にできるようになります。その一歩として今回紹介した「Nefry」や他のハードウエアでもぜひチャレンジしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!