事故物件だから、給料を上げてください
「もっとよく考えてください」
「考えるまでもないかなぁ」
「最初に言いましたけど、ここ、事故物件なんですよ」
「それがどうしたの?」
「給料上げないと、呪われますよ。怖くないんですか?」
「因果関係がわからないな」
「絶対、呪われますよ!」
「そうか。忙しいから、切るね」
「…………」
上がらなかった。
しかし、布石として「呪われる」という言葉を口にしておきました。
プランBを試す
事故物件で給与交渉しても上がらないことがわかったので、プランBに移行することにします。
これです。
呪いが降りかかれば、給料だって上げざるを得ないですよね。実害が出ているので。
というわけで、そめひこが呪われるのを……
待ちます。
僕には呪う能力がないので、そめひこが呪われるのを祈るしかありません。
それに実際は呪われなくても、不安な気持ちというのは増大していくはずです。
うん、これはイケる。
数日後……
そめひこが呪われているかどうか、チャットワークで聞きました。
きっと恐怖でノイローゼになっていて、給料を上げてくれるはず!
…………。
呪いにも、記憶力が必要なんですね。
(終わり)
「仕事で成果を出す」以外の方法で給料を上げる方法が網羅されている本があったらいいのにな。
— 菊池良 / Kikuchi Ryo (@kossetsu) 2016, 1月 13