ディレ協会長 中村健太氏にWebディレクターの悩みについて聞いてみた

ディレ協会長 中村健太氏にWebディレクターの悩みについて聞いてみた

Jack

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あの案件、あんまり成功しなそう……のグチは、最高の提案になる

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まずは、「ビジネスを見る目」を養うことが大切かなーとは考えています。

たぶん経験があると思うんですけど、2~3年ディレをやっていれば、「この案件、クライアントの要望通りに制作しても、たぶんコケるなぁ」ってクライアントの話を聞いていて感じることってないですか?

それを社内に持ち帰って、同僚やエンジニアと一緒に「あの案件、絶対、売上が上がんなそうだよね……」なんてグチっちゃう。もうその「上手くいかなそうな匂い」さえわかっていれば、「ビジネスを見る目」は養えていると思うんですよね。

僕らはWebのプロなので、クライアントよりも様々なWebサービスに触れ、上手くいった、いかないを知っているはず。ただ、そこで大多数のディレは「クライアントの要望だから」と言って、要望通り作っちゃう。それが一番の問題です。

僕の場合、その「上手くいかなそう」をダメ出しリストにして、クライアントに提案しちゃうケースが多いです。だって、うまくいかないってわかっているプロジェクトを一緒にやるって、僕らにもクライアントにも何一ついいことないじゃないですか。

「自分はディレクターだから、クライアントのビジネスに首を突っ込んじゃいけないんだ」

「自分が的外れなことを言ったら恥ずかしい。とりあえず、期限通りに納品することがミッションだ」

なんて、勝手にディレクターの領域を自分で決めて。恥をかかないようにディレのプライドだけを先行させて、ビジネスとしての上流工程、商流の設計やマーケティングプランに意見をしない。そんなんじゃ、ただの御用聞きで、制作案件の価格破壊に飲み込まれていっちゃう。

Webディレクターとして一番大切なのは「Webでなんかやったときの効果を最大化する」、それだけなんですよ。要望に沿って、なんだか素敵なサイトを作ることじゃないと思うんですよね。

アウトプットの機会、LIGとディレ協でご用意します

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— そのようにしてプロジェクトがスタートすると、 “制作会社とクライアント” という関係ではなく、 “一緒にプロジェクトを成功させるためのチーム” になっていきそうですね。

そうなんですよ。クライアントからお金をもらって、その対価として成果物を納品する。その考え方が根底にあるから、先ほど言ったような問題が発生してしまうんです。

クライアントの言うことはゼッタイ。要望通りに作ればお金がもらえる。そういう全くビジネスを見ていないくだらない考え方が、売れないサイトやサービスを生んじゃうんです。

そもそも、プロジェクトというものは、サイトやサービスが完成してからがスタートですからね。制作会社側は「作ったらプロジェクトが終了」って思いがちだけど、そこからがスタート。

そのサービスでどうお金を生んで、いかに制作にかけた費用を回収して利益につなげていくかが、サービスを作る最大のミッションだと思うんですよ。

 
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— 勉強になりました……! ただ、読者の中には「本当にそんなことできるのかなぁ……」と心配になっている人も多くいると思います。そういった心配はどうやって拭っていけばいいんでしょうか?

確かに、本当にやったことがないことをいきなりやるのはハードルが高いですね。なので、とにかく今すぐできる「小さいアウトプット」をたくさんやってみたらどうかなーなんて。

ブログを書くでもいい。人から学んだことを自分なりに言葉にして、同僚に話すでもいい。とにかく、アウトプットの回数が大切なんです。まずは質なんて考えずに、失敗できる環境でたくさん失敗をして、アウトプットの質を高めていく。

実際やってみればわかると思いますよ? 自分がこれまで苦手とする領域にこだわっていたのは「実績」や「経験」が足りなかったからではなく、アウトプットしなかったから興味や熱量が足りてなかっただけなんだってことに。

 
— なるほど。「学習と経験が整ってからやる」ではなく、「アウトプットできる環境を作る」ですか。そういう場所、僕も欲しいです! 作りたいです!

LIGはWebサイト制作を支援しています。ご興味のある方は事業ぺージをぜひご覧ください。

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デューサーのJackです。 Web事業部マネージャーも兼務しています。 ディレクター向けの講演依頼はお気軽にご連絡ください。

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