ソーシャル集客の参考に!国内バイラルメディア10サイトを解剖する業界アナリティクス

ソーシャル集客の参考に!国内バイラルメディア10サイトを解剖する業界アナリティクス

まさとし

まさとし

こんにちは! 最近はもっぱらアクセスが爆増しているサイトを「SimilarWeb」で見まくって、少しだけPV分けてくれないかなーなんて考えているシミラーウェブブログ編集担当のまさとしです。

さて、先日、羨ましいほどPVを稼いでいらっしゃる米国発のバイラルメディア「Buzzfeed」の日本版編集長に朝日新聞デジタルの元記者古田大輔氏が就任したというニュースが駆け巡りましたね。
このニュースを見て、日本のWebメディア市場がまたどんどん活気づくことを想像した方も多いはず。とはいえ一方で、「Buzzfeed」の到来で「現状の国内バイラルメディアはどうなるのか?」という疑問もあります。

そこで、Buzzfeed日本版到来の前に現在のバイラルメディア市場がどうなっているのかをデータを元に概観していきましょう。

「バイラルメディア」ってそもそもどんなメディア?

まずは「バイラルメディアとはそもそもどのようなメディアなのか?」というところから話を始めましょう。

「バイラルメディア」とは話題性のある動画や画像を中心とした記事に、FacebookやTwitterなどのSNSを利用して短期間で爆発的なトラフィックを集めることを目的としたインターネットメディアを指します。「バイラル(Viral)」とは、「ウイルス性の」「感染的な」という意味を表す単語で、「SNSでの拡散」の様子を「ウイルス感染」のようなものと捉えて名付けられたメディアです。
バイラルメディアは、メディア集客の手段としてSNSでの拡散からの流入をメインとしており、そのためユーザーに共有をしやすいよう記事の上下に大きなソーシャルボタンを設置しているのが特徴です。

また、急激に普及したスマートフォンで閲覧しやすいように特化しており、スマホファーストが徹底されているメディアでもあります。日本では主に広告収入がメインで運営されていますが、米国の「Buzzfeed」では記事のカタチをした広告、いわゆるネイティブ広告などで収益をあげています。

国内バイラルメディアの歴史

このバイラルメディアはWebメディアの新しいカタチとしてここ数年のうちに大きく成長しました。しかし、成長とともに著作権や肖像権などの問題とぶつかり、批判を受けることもしばしば。短期間のうちに瞬く間に成長したバイラルメディアが、あっという間に閉鎖してしまった例も少なくありません。
ここでは、そんな国内バイラルメディアの歴史をざっと見ていきましょう。

1. 乱立と成長期

「バイラルメディア」の原型を最初に築いたのは、ハフィントンポストの共同創業者であるJonah Peretti(ジョナ・ペレッティ)が2006年に立ち上げた「BuzzFeed」です。
ソーシャルメディアの広がりやスマートフォンの普及の影響によって、2013年に大きく成長し月間訪問者数約1.3億人を記録。既存メディアを凌ぐようなメディアに進化しました。

日本では家入一真氏が2013年12月に「刺さる動画メディア「dropout」」を公開。公開初月に70万人訪問の反響を得て、日本におけるバイラルメディア成功の可能性を見出しました。
そのような成功例もあり、2014年にはバイラルメディアが乱立する現象が起きたのです。バイラルメディアの多くはコンテンツを自ら作らず、「キュレーション」というカタチでコンテンツを集め、編集するというメディア形態をとるため、比較的参入する障壁が低いのもメディア乱立の要因としてあるでしょう。
メディア業界に詳しい編集者の佐藤慶一氏は、2014年2月時点の乱立する35のバイラルメディアをまとめています。
(参照:「乱立する国内バイラルメディアをまとめてみたーー35のメディア紹介」

2. パクリ問題と炎上期

短期間のうちに大きな成長を果たしたバイラルメディアですが、Webメディア業界では大きな問題がありました。その問題とは、使用許諾をとらずに、ネタや画像を転載するメディアが後を絶たなかったことです。

メディア業界の方でなくとも、Web関係に興味がある人ならそのような「パクリ問題」に関する記事を読んだことがあるでしょう。少し検索して探しただけでも、「パクリ問題」の是非について書かれた記事がたくさん見つかります。中には、炎上と呼んでもおかしくないくらいまでソーシャル上で叩かれたメディアもあります。
(参照:「バイラル・キュレーションメディアの勝手な無断転載はどうして止まらないのか?」
実際に、無断転載などを指摘され、謝罪文ページを公開したメディアも少なくはありません。

3. 淘汰期

多くのバイラルメディアが乱立しレッドオーシャン化した市場に、「パクリ問題」などが加わり、ついにバイラルメディアの中で淘汰されるようなメディアも現れました。
「乱立と成長期」で紹介した「dropout」は2014年の5月末に配信を停止。2015年2月には、コンテンツ盗用を追求されて大きく炎上してしまった「BUZZNEWS」が閉鎖。サイバーエージェント子会社のWAVEST株式会社が運営していた「BUZZHOUSE」も2015年の6月に終了しています。
2015年の現在は、2014年に大きく成長した国内バイラルメディアに陰りが出てきているという声もあり、バイラルメディア運営者にとっては苦しい状況にあるのではないでしょうか。

さて、以上国内バイラルメディアの歴史をざっと振り返ってみたのですが、最近はあまりバイラルメディアに関しての情報が出てきていないように思われます。現状、存続しているバイラルメディアはどのような運営状況なのでしょうか?

ここからは、競合サイト分析ツール「SimilarWeb PRO(シミラーウェブプロ)」を用いて、国内バイラルメディア10サイトを横断調査してみたいと思います。

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