進むべき方向性を指し示すために「人を育て、かつ自分も価値のあるプレイヤーであること」
では今後、丸田氏が注力していきたい業務とは、どのようなものなのでしょうか。
- 丸田
- 人を育て、かつ自分も価値のあるプレイヤーであること。この2つを念頭に置いて仕事をしています。特にマーケティングチームに所属しているメンバー4人のパフォーマンス、そして彼らの市場価値をどこまで引き上げられるか。これらが僕の仕事では重要になってくると思っています。
部下を育成するにあたってチームのメンバーが何をしたいのか? 今後どのようなキャリアを歩んでいきたいのか? 常に彼らに問いかけ続けて、進むべき方向性を指し示せるように意識しています。
丸田氏が意識する“興味を喚起させて、仕事をお願いする”というメンバーとのコミュニケーションは、どのようにして展開されるのでしょうか。
- 丸田
- 普段からメンバーのやりたいことやキャリアの話をするようにしています。なぜかというと、誰かに仕事を任せるときに興味のある仕事をお願いできれば、メンバーは主体的に取り組めるから。そのメンバーがやりたいことを実現するために「こんな仕事をしてみようか?」とお願いしてみたりします。新しい仕事にトライして、成長してもらいたいですね。
アシロとしても若いメンバーに成長してもらいたい段階です。会社という組織にぶら下がろうという人よりも、自分で目標を立て実行し、達成しようとする能動的な人がアシロに合うと思います。うちはメンバーの数は増えましたけど、代表がすごく近い存在です。「こんなことをやりたいです。費用と推定利益はこれくらいでます。やってみていいですか?」というような提案をしてほしいですね。
旗を立てて、好きなことに挑戦したらいい。「会社の未来をつくるのは、プレイヤーである僕らなんです」
このように丸田氏が人材の育成に目を向けるようになった背景には、アシロの文化が関係しています。
- 丸田
- 会社の未来をつくっていくのは、プレイヤーである僕らなんです。「これやるぞ!」と旗を立てて、好きなことに挑戦したらいい。
社内ではアシロという社名をもじって「ああしろ、こうしろと言わないからとりあえずやろう」と言っています。つまり売上目標を達成するために代表が何をどうやるのか決めるのではなくて、メンバーが決定するということ。一人ひとりが主体的に商品やサービスを考え、立ち上げきって収益をあげていく。
僕らの会社は自分で動き、やりきれるメンバーが集まっています。だから数年後には、今はないサービスが主の事業になっているかもしれないですね。
今後さまざまな事業が立ち上がる可能性のあるアシロが大切にしている価値観について、創業当初から同社の成長を支えてきた丸田氏はどのように考えているのでしょうか。
- 丸田
- 大切にしている価値観は社名のとおりだと思っています。「そもそも“アシロ”って何?」とよく言われるんですが、この社名の由来は、アシロ科という深海魚です。「お客様のニーズを最も深い部分まで掘って応えていきたい」という想いがあります。
普通のベンチャー企業みたいに“世界を変える”、“業界を変える”みたいなかっこいい目標はないけれど、お客様の役に立ってその結果として利益が出ればいい。アシロのメンバーは「お客様を裏切っちゃいけない」「人を騙して儲けるなんて絶対やらない」と、みんなが思っています。
紆余曲折を経て就いたWebマーケティングの仕事が“自分に向いていた”。そして、“こと”に向かった結果、社内に存在していなかったポジションをつくった丸田氏は、これから新しい領域に踏み込もうとしています。
アシロでは前例のないトライができる。数年後の同社の姿と、マーケティングチームの行方に期待が集まります。