「添付ファイルの選択ミス」の対策とは
次に、「添付ファイルの選択ミス」を防ぐ方法をご紹介します。
ファイル送信時のセキュリティ対策としてよく挙げられるのは、パスワード設定です。パスワード設定の重要性は私も否定しませんが、これはあくまで「誤送信したときに情報が漏えいしないようにする対策」であり、「誤送信そのものを防ぐ対策」ではありません。
「添付ファイルの選択ミス」対策として、私がおすすめするのは、
- デスクトップなどにはそのときに使用するファイルだけを置いておく
もしくは
- フォルダ内のファイル表示を更新日時順にする
という方法です。
対策1. デスクトップなどにはそのときに使用するファイルだけを置いておく
基本的な考え方は、先ほどのオートコンプリート機能のケースと同じです。要は、候補が複数あるから選択ミスが起きやすくなるのです。
ファイルがひとつしか表示されなければ、選択ミスは起こりません。そのため、デスクトップやマイドキュメントには普段からそのときに使用するファイルだけを置いておくようにします。使用済みファイルは他のフォルダで保管するようにしましょう。
ただし、スケジュール表や管理表など日常的に利用するファイルは、常に使用するからといってデスクトップに置いておくと、結局、デスクトップがファイルだらけになってしまう可能性があります。そのようなファイルは直接デスクトップに保存するのではなく、他のフォルダに保存してショートカットをデスクトップに置くようにしましょう。ショートカットは誤って添付しても情報漏洩に繋がらないので、いくつあっても問題ありません。
対策2. ファイルの表示順を更新日時順にする
日常的にファイルを整理しておこうと思っても、実際にはできていない方も多いのではないでしょうか。忙しい方はいちいちファイルを整理する手間も惜しいかと思います。大きな声では言えませんが、私もデスクトップやマイドキュメントにはファイルが溢れています(私の場合、忙しいというより単にだらしないだけですが……)。
そんな方におすすめなのは、ファイルの表示順を更新日時順にしておくという方法です。この方法は、送信前に必ずファイルが更新されていることが前提となりますが、これをおこなっていれば、添付する際に送信するファイルが一番上に表示されるため、添付間違いは起きにくくなります。また、デスクトップなどに大量のファイルが保存されていても関係ありません。
送信前にファイルを更新するのは手間のように思えるかもしれませんが、実際には送信前にファイルを開いて確認する方が多いのではないでしょうか。ファイルを更新するには、そのときファイルを閉じるのではなく、上書き保存をすればよいだけなので、大きな手間ではありません。
まとめ
最後に簡単におさらいすると、誤送信の主な原因は「宛先の設定ミス」と「添付ファイルの選択ミス」であり、私がおすすめする対策はそれぞれ次のようなものです。
- 「宛先の設定ミス」の対策
-
- オートコンプリート機能を利用する際は、候補がひとつになるまで手入力する
- 過去のメールに返信して送信メールを作成する
- 「添付ファイルの選択ミス」の対策
-
- デスクトップなどにはそのときに使用するファイルだけを置いておく
- フォルダ内のファイル表示を更新日時順にする
いずれの対策でも、大きな労力はかかりません。わずかな手間を習慣づけるだけで、誤送信を起こす可能性はぐっと低くなります。とはいえ、今回ご紹介したのはあくまでミスが起こりにくい環境を作るアプローチであり、最も重要なのは、「メールを送るときは慎重に確認する」という意識です。
私は意識の問題に言及するとき、よくサッカーの本田圭佑選手の言葉を引用しています。最後にそれを紹介して終わりにさせていただきたいと思います。
人間って、気が緩んでないと自分で思っていても、気が緩んでいるもんだと思うんです。それをどう引き締めるかといったらもう、くどいほど自問自答するしかないと僕は思っているんです。「大丈夫か?」「準備はちゃんとできてるか?」と。くどいほどやれるかどうかがキーポイントだと思っています。
引用元:nikkansports.com
どうやって誤送信を防ぐかといったらもう、くどいほど自問自答するしかないと僕は思っているんです。「宛先は合っているか?」「添付ファイルは合っているか?」と。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。