「ゲームのインフラをつくる」ユーザーの感情や状況を同じ目線に立ってイメージしたい
― オフィスには木材が多く使われているようですが、何をイメージしてデザインされましたか。
私と眞壁(現:取締役COO)、阿部(現:攻略コンテンツ1部部長)の3人で「GameWithらしさ」について話し合い、他社さんのオフィスデザインなどをいろいろ参考にしながら決めました。
温かみのあるアットホームな環境で、みんなで “ゲームユーザーに最高のサービスを届けよう” という一体感を持ちながら仕事をしてきたので、そういった部分を残していきたいなって思ったんです。だからこそ、いきなり無機質なザ・オフィスという雰囲気になってしまうと、ギャップがあるなと思いました。
僕の考える“温かみ”っていうのは、例えば、一台のパソコンの前に集まって、互いに尊敬の気持ちを持ちながら、肩がぶつかる距離で意見を言い合えるような密なコミュニケーションが取れる関係性です。
それに、GameWithに所属している全員にはゲームという共通の趣味があります。社内メンバーの交流を目的としたゲーム大会を開催したときは、大会に向けてお昼休みにみんなで和気藹々と練習しています。仕事と好きなもので繋がれるところも、温かみだと思うんです。
― “ゲームをより楽しめる世界を創る”という理念を掲げるGameWithのメンバーが、最大限能力を発揮できるオフィスデザインになっているようですね。
そうですね。それに、みんな“ゲームのインフラをつくる”という共通認識があります。“ゲームのインフラ”とは、ユーザーがゲームを楽しむうえでなくてはならない存在になること。生の人が使っているサービスなので、いろいろな状況や感情を想像しながら、その人たちがゲームを楽しめる環境を整備するため、ユーザー目線のサービスに徹底的にこだわりを持つようにしたいんです。
細かい内容になってしまいますが、Twitterでリプライされたユーザーの意見もきちんと目を通して今後どうやってサービスに反映していくかを考えています。
そういった“ゲームユーザー目線”でコミュニケーションができるオフィスになるよう、オープンで手軽にミーティングができるスペースを多くつくりました。“芝生”と呼ばれる緑のカーペットが敷き詰められているオープンスペースでもミーティングしている光景を見かけます。
ちなみに、芝生のスペースにあるテントの中には、マッサージチェアが設置されています。来客された方にはよく「なぜテントに?」と不思議がられますが。
これは休憩するとき、みんなに使ってもらえたらと思ったのですが、そのままだと周りにも休憩しているのが見えてしまって利用しづらいかなと。なので、芝生に合わせてテント内に設置するアイデアが採用されました。
「ゲームが仕事になっている」ことを誇りに。オフィス環境からも感じとってほしい
― 最後になりましたが、今泉氏が考える、オフィスが社員にもたらす影響について伺わせてください。
オフィス環境が良くなることで社員の仕事に対するモチベーションは上がると思っています。
GameWithのメンバーが社外で自己紹介をするとき「ゲームが仕事になっています」と言うと「それって仕事なの?」と、疑問に思う方もいると思います。でも「ゲームをもっと楽しみたい」と思う人のためのサービスをつくり、そのサービスが世の中で多くの人に受け入れられることで、ビジネスは成立します。つまり“ゲームは仕事になりえる”のです。
現に複数のプレイヤーが対戦するゲームを1つのスポーツや競技として捉える『eスポーツ』は世界でとても盛り上がっています。eスポーツプレイヤーと呼ばれるプロの選手は、日本でも尊敬を集める仕事の1つとして成立しつつあるんです。それと同じように、メンバーにはゲームの仕事を通じて“新しい働き方を創っている”のだと、GameWithで働くことに誇りを持ってもらいたい。自分たちが真剣にゲームをプレイして、ユーザーのためになると思って実行していることが、社会でどういう価値を生み出しているのかを認識してもらいたいと思っています。
より良い環境に移転できたのは、GameWIthメンバーがゲームユーザーのことを考えて価値を生み出し、会社を成長させているからです。より真剣に仕事と向き合える環境になったことで、それを実感してもらえたら嬉しいですね。
インタビューを終えて
オフィスでゲーム大会が開催されるなど、メンバー全員が顔を合わせる機会が増えたことにより、以前よりも社内コミュニケーションが活性化されているようですね。月間6億PVのWebサービスが生まれる場所には、画面の先にいるユーザーに寄り添い続ける社員の姿が見えました。
株式会社GameWith 2013年6月創業。ゲームメディア『GameWith』を運営し、2014年7月から2015年2月までの半年で5000万PVから6億PVを突破。「ゲームをより楽しめる世界を創る」というビジョンを掲げ、ユーザー目線のサービスを提供し続けている。 |