「ベンチャーの苦しみを内側から見てきたから」可能性を引き出し、個人のキャリアや新産業を成功に導く| スローガン

「ベンチャーの苦しみを内側から見てきたから」可能性を引き出し、個人のキャリアや新産業を成功に導く| スローガン

タクロコマ

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(編集部注*2015年9月2日に公開されたインタビュー記事を再編集したものです。)

“次代を創るビジネスリーダーのためのキャリアサイト”であ『Goodfind』を軸に、グロースヒューマンキャピタルという事業を展開するスローガン株式会社。同社は“人の可能性を引き出し、 才能を最適に配置することで、 新産業を創出し続ける”というミッションのもと、“新産業創出のエコシステム”という、新産業の成長領域へ人的資源を提供する企業です。

そして、スローガンで執行役員を務める植川氏は「人材が流動的でない日本社会は、個人のキャリア選択や人材採用支援サービスに課題がある」と話します。では、同社が「人材×IT」という分野の先に見ているものとは、一体何なのでしょうか。今回は課題の解決の糸口とともに、植川氏と同社でデザイナーを務める岩立氏にお話を伺いました。

※グロースヒューマンキャピタル:新興成長企業(スタートアップ・ベンチャー企業)などグロース領域に対して、すぐれた人的資本(ヒューマンキャピタル)を供給する社会的機能をあらわすコンセプトです。

引用元:SERVICE: Growth Human Capital / グロースヒューマンキャピタル

33564c4cc82d6cbccf9e31cd5b0dec951 人物紹介:植川 悠氏
大手シンクタンクにて流通・小売業、製造業等に対するコンサルティング、経済産業省、内閣府、農林水産省等の調査研究に従事。2012年に同シンクタンクを退社後、スローガンに入社し、現在は執行役員として、Goodfindにおけるセミナー講師、メディアディベロップメントディビジョンのディビジョンマネジャーを務める。趣味は、自転車に乗り、時々ドラムを叩いて、希に海に潜ること。私立桐朋高等学校出身。
64c3ea61eab5f290eeae351a20866bfd 人物紹介:岩立 渉氏
大学でインタフェースデザインのゼミに所属し、インターネットの知覚的・操作的可能性を感じていたため、友人の紹介で知ったスローガンにデザイナーとして参画。現在は自社サービス全体のサイト設計やUIデザイン、冊子やパンフレット等のDTP等デザイン業務全般を担当している。趣味はモノづくり全般と自転車。

「あなたに向いている仕事を見つけます、みたいなサービスは腐るほど出現した」感情設計で呼びこむ必要がある

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スローガンはGoodfind以外にも『Goodfind Engneer』『Goodfind Career』といったサービスを展開し、日本の労働市場に深くアプローチしています。このような事業展開について、“もっと悩んだ方がいい”と語る植川氏。

植川
日本の労働市場の特徴は、就職した人の勤続する年数がすごく長いことです。欧米だと大体平均5年ぐらいなんですけど、日本は平均15年ですから、3倍長く働くわけです。一言でいうと、あまり人が移動していない世の中になっている。だからキャリアの選択肢が増えた方がいいし「自分は何を仕事にしようかな?」と、もっと悩んだ方がいい。
ユーザーには自分で考えて、選んで、決めて、成功して、失敗して、自分の責任だと思えるようなキャリア選択をしていただきたいです。

このような想いのもとで同社が運営しているGoodfindは、ユーザー数の増加に伴い、同サービスが果たす役割や機能について議論を重ねたそうです。

岩立
どのようなユーザーがこのページにたどり着いて、どんな感情で、どういう思考をもって次のページに遷移していくのか。「遷移してもらうためにできることは、何だろう?」と、各ページごとに話し合って改善を進めています。
植川

就職は、気軽な買いものではありません。だからこそ、人生に関わることを扱っているということが、人材支援サービスのむずかしいポイントですね。

時間をかけてユーザーの気持ちを変えていかないといけないというか、感情設計して呼びこむ必要があるわけです。そんな簡単に「説明会に出てみよう」「エントリーしてみよう」とユーザーは決めません。個人に刺さるようなストーリーが必要なんです。「こういうのもあるかもよ」とか「こっちもちょっと見てみたら?」みたいなね。
植川
植川が言うとおり、自動的に機械がマッチングするんじゃなくて、個人に刺さるストーリーが必要です。
とにかくユーザー数が増えれば増えるほど「面と向かって対話する」ということ以外の方法で、人の気持ちにリーチして、ユーザーとの関係の構築していく必要がありますね。

しかし、人材採用支援や企業と人のマッチングのサービスは、テクノロジーによる自動化が進んでるのではないでしょうか。

植川
「あなたに向いている仕事を見つけます」みたいなサービスは、この1、2年で腐るほど出現したと思うんですよね。
それは「求めているものを紹介します」というより「あなたはこういう人ですね。だから、この仕事が合っていますよ」というような。個人が求めているものと、過去たまたま認識していたものの周辺にあるものを、ただマッチングさせるというサービスが多い。

だからこそ、スローガンが目指すことは「その人がまだ認識していない未来や選択肢を増やすこと」と植川氏は語ります。

植川
ユーザーの可能性を引き出し、提示していきたいんです。もともと私たちがこの仕事をしている理由は、ユーザーがそのときまで求めていなかった未来を「それ、おもしろいかも」と思ってもらいたいから。
Goodfindに出会う前には思ってもいなかったことを考えはじめて、今までは想像もしていなかったようなキャリアが開けていく。そんなサービスにしたいんです。

「結果が出ないと、いくら体裁が整っていても意味がない」プールにバケツで水を汲むようだった

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“その人がまだ認識していない未来や選択肢を増やす”ことを目標にしているスローガンですが、植川氏と岩立氏はなぜ同社を選んだのでしょうか。

岩立
大学院生として最終年度の12月の冬、本当にあと数ヶ月でみんな社会人になるタイミングまで、僕は全く就活をせずプラプラしていました(笑)ちょうどそのとき、大学院の友人がスローガンでインターンをしていまして「就活に困っているなら、うちにちょっと来てみない?」と誘われたことがきっかけです。
スローガンに共感したポイントは、何をすべきなのか、なぜその事業をやっているのか、という意識を強くもってサービスを運営をしていくところですね。
植川
前職はスローガンよりも非常に堅くて大きな企業で働いていました。そこで6年半も勤めると「閉じ込められている」という、怒りにも似た感情が芽生えまして(笑)
大企業とか役所のクライアントさまが多かったので、形式とか、体制とか、そういったものは特に大事でしたね。無意味なことではないんですけど、例えば報告書のページ番号を見て「フォントのサイズ、何で10.5ポイントじゃなくて14ポイントなんだ?」と、お叱りを受けたこともありますし。

そして、植川氏は当時の経験を「プールにバケツで水を汲むようだった」と例えます。

植川
前職の職場が数千人規模の大企業だったということもあって「自分のした仕事が成功だったのか、失敗だったのか、よくわからない」みたいなこともありました。クライアントさまも大きい組織なので、パッと決まってパッと実行できる、という環境ではないんです。
例えばですけど、バケツで水を1杯入れたところで、プールの水位はあまり変わらないじゃないですか。そういう物足りなさがありました。

このように大企業からベンチャーへの転職経験をもつ植川氏ですが「組織が違えば、仕事における価値観が全く異なる」と話します。

植川
今の仕事は結果が出ないと、前職のようにいくら体裁が整っていても意味がない。本当に信頼してくださっているお客さまだと「これでやらせてください」といえる仕事ができるんですね。その代わり、うまくいかなかった場合は結果に対する責任が発生します。
確かに、つらいこともありますよ。でも、スローガンはすぐに仕事を決めて、すぐにやってくれるし、成功しても失敗してもすぐに結果が明らかになる。それがいいですね。

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