こんにちは、LIGブログ編集長のあかねです。
先日「LIGのオウンドメディア運用の問題点と今後の課題をまとめてみた」という記事を書きました。今回の記事は、LIGブログの問題点について、kintoneというツールで解決を図った結果、どうなったかをまとめた後編となります。
人気オウンドメディア「サイボウズ式」運用の秘訣はkintone
本編に入る前に、少しだけkintoneを使うことになったきっかけをお話しします。
それぞれオウンドメディアを運用するサイボウズ式編集部とLIGブログ編集部には以前から交流があり、共同勉強会を開催しました(下記写真)。その中で、具体的にそれぞれがどのようにメディアを運用しているかが議題にのぼったのです。
LIGブログ編集部の課題解決のために、サイボウズ式編集部が紹介してくれたのが、「すべての情報を、一括運用する」というモデル。具体的には記事のタイトルやコンセプト、スケジュールに進捗状況 etc. 運営にまつわるすべての項目をkintoneで管理しているそうです。
実際に運営画面を見せてもらうと、「(タイトル案や記事公開スケジュールなど)これがチェックできるツールがあれば超便利なのに…」と日頃から妄想していた機能が全部詰まっており、私たちはその日一番の盛り上がりを見せたのでした。
そもそも、ツールや情報が分散していることって、効率的じゃないんですよね。その本質的な部分の解決は、このような抜本的な対策でしかできない!と私は思います。
さて、以上がLIGブログのkintone導入の経緯でした。
ここで、LIGブログの今後の課題について振り返っておくと、
- 各自のタスクが共有されていない
- 記事の入稿管理がシステム化されていない
- 連絡手段が集約されていない
の3点が挙げられます。では、 実際にkintoneはどのようにLIGブログ編集部の悩みを解決してくれたのでしょうか…?
kintone導入によるLIGブログ編集部のビフォアー・アフター
LIGブログ編集部がkintoneを使って大きく変わったのは、以下の3点です。
- 各自のタスクが共有されていない
→チーム内でのタスク状況が視覚化され、現状を追いやすくなった - 記事の入稿管理がシステム化されていない
→今まで様々なツールに分散していた記事情報を、一括で管理できるようになった - 連絡手段が集約されていない
→kintoneさえ見れば、外出/自宅作業/在社時などいつでも最新情報がわかるようになった
効率化のなにがいいかといえば、「タスクが早く・楽に終わる」こと。IT/WEB業界は超過勤務や残業が当たり前みたいな風潮もありますが、kintoneによって私たちの朝はちょっとゆっくり、帰宅後はちょっとのんびり、という余裕のある生活が実現できるようになりました!
「本当かな?」「どうやって?」と疑問に思った方もいらっしゃると思うので、以下に詳細をご紹介します。
kintoneってどんなツール?
kintoneとは
Webデータベース型のビジネスアプリケーションを使用できる、サイボウズ株式会社が提供するツール。目的に合ったアプリがストアになければ、すべてノンプログラミング、マウス操作のみでアプリを作成できる。
kintoneの機能は大きく分けて「アプリ」「スペース」の2つ。
- アプリ…データ共有、ワークフローの受け渡しなど、業務上のやりとりに必要な機能を自分で選択し、専用のアプリを自作できる。kintoneの「アプリストア」には、今すぐ使えるビジネスアプリが40種類以上そろっている。
- スペース…プロジェクトや個人ごとにすべての情報を集約できる「場」。特定のテーマでスレッドを立てて、参加者同士でコミュニケーションをすることもできる。
「アプリ」を使えば、気兼ねなく有休が取れる?!
kintoneのアプリでできることは、「情報共有」と「履歴を残すこと」。共有したやりとりや経緯はすべてアプリ内に蓄積されるため、「自分がいなくてもメンバーが情報共有で困ることはない」という安心感が生まれます。気軽に有休だって取れてしまいそう!
「あれってどうなったっけ?」を防ぐオススメアプリ
まずは最初の課題である「タスク管理」について。LIG編集部では、クライアント企業といっしょに記事企画を作っています。おかげさまでいろんな企業とコラボレーションを進めているのですが、案件に関するタスクがあふれるようになっていました。
そこで、kintoneの「案件管理」アプリを使うことにしました。ある案件に対して「いつ」「誰が」「どのような」アクションをとったかを記録できます。LIGブログ編集部では、すべての案件をここに登録しました。このアプリだけを見ていれば全案件の進み具合が分かり、タスク管理もできます。
顧客情報と案件情報が集約されたこのアプリ上で、PV・売り上げを集計したり、案件の報告や途中経過もリアルタイムに共有できてしまいます。
このアプリをみんなが見るようになったおかげで、わざわざミーティングの時間をもうけて進捗を報告する、といった煩雑なプロセスの必要がなくなりました。
メディア運営の案件管理で大事なのは、「言った」「言わない」を防ぐこと。お互いに良好な関係を維持するために「履歴を残す」ことは非常に重要なのです。
LIGブログの課題だった「タスクの共有」は、この「案件管理」アプリだけで解決です。
「この機能があったらいいのに…」は、自分でアプリを作って実現!
残るLIGブログの課題は、「記事の入稿管理がシステム化されていない」こと。システムがないために、「作った記事をどうチームで確認するのかわかりにくい」「公開スケジュールが正しく共有できない」といった点が課題になっていました。
システム化と言えばプログラミングを思い浮かべますよね。ですが、私を含めた編集部メンバーには、アプリケーションの設計や各種の運営設定をする技術がありません。アプリストアを見ても、この課題を解決してくれそうなアプリは見当たらない。ピンチ……。
もし皆さんがLIGブログ編集部と同じく、悩めるメディア関係者であっても、心配は無用です。kintoneではドラッグ&ドロップ操作だけで、簡単にチーム専用のアプリを作ることができるからです。
今回、LIGブログ編集部では、「記事広告」というアプリを制作してみました。
左側にあるアプリの項目から、記事のやりとりに必要なフォームやボタンを設置します。具体的には、クライアント名を入力するフォームや公開日を選べるカレンダーフォームを配置していきます。
項目名の変更や文字数の制限、入力スペースの変更も、こちらの画面1つでできます。ある程度PCを使える人であれば使い方で迷うことはありません。
この記事広告アプリは、原稿のやりとりを履歴として残せますし、一般の記事制作に必要な「記事の目的」や「KPI」「記事内容」も入力できるようになっています。
このように、LIG編集部のニーズに特化したアプリとして簡単に作れるため、「記事の入稿管理がシステム化されていない」という悩みも解決です!
ちなみに、プログラミングの心得がほんのすこしでもあれば、ToDoアプリをカスタマイズして、ガントチャートも表示できるみたいなので、ちょっと勉強してみよう、と思っています。
参考:To Do をガントチャートで表示する – cybozu.com developer documentation
https://developers.cybozu.com/ja/tutorial/sample3.html
みんなでわいわい打ち合わせできる「スペース機能」
最後の課題は「連絡手段の集約」です。これはkintoneのスペースを使いました。
スペースは、LIGブログ編集部全員が参加する情報共有の場のようなもので、参加者同士で連絡や議論ができます。LIGブログチームでは、スペースをチャット機能のように使っています。
スペースには、kintoneのアプリにストックしたデータ(グラフやリストなど)を自由に貼り付けられます。アプリに入力した各種数字をベースに、スペースという情報共有で話し合いや議論ができてしまうんです。ここに、データを分散せずに集約できるkintoneならではの特徴が生かされていますね。
また、SNSのように「いいね」もつけられます。仕事と関係のないやりとりでわいわいしやすく、そこから仕事の新しいアイデアが生まれることもあります。他のツールよりも、参加者同士の心の距離が近くなる気がします。
このスペースに、社外の顧客や取引先などを招待して情報を共有できるようにしたのが「ゲストスペース」機能です。外部ライターさんに執筆をお願いした案件の進捗を確認するようなときにも便利です。
これまでの編集部では、こういったやりとりをメールやFacebook、Excelなど複数のツールで進めていました。ですが、kintoneを使うと、それらのツールを併用しなくてもよくなったんです。
さて、これで「連絡手段が集約されていないこと」も解決。
LIGブログ編集部は再び、オウンドメディアとして更なる発展を目指して歩み始めたのでした!
まとめ
いかがでしたか? おかげさまでPVも右肩上がりで、順調なメディアのように見えるLIGブログですが、同時にたくさんの問題が発生するようになっていました。体制を整えるだけでなく、便利なツールを取り入れて、無駄の少ない運営をしていきたいです。
メディアを運営している人はもちろんですが、今回ご紹介した「システム化」「タスク共有」「連絡手段の集約」は、チーム内のマネジメントや、外部とのやりとりといったあらゆるビジネスシーンを効率化してくれるはずです。
みなさんもいろいろなツールで試行錯誤を重ねて、各自の課題に最適な解決方法を模索してみてはいかがでしょうか。それでは、また!
前編記事「LIGのオウンドメディア運用の問題点と今後の課題をまとめてみた」はこちら
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