こんにちは。外部メディア運用チームLIGMOのハマです。
私は昔、とある検索エンジン会社のスパム対策チームに所属していました。スパムサイトと認定するためのガイドラインの内容は多岐に渡りましたが、根本的に共通していたルールが2つあります。
- オリジナルコンテンツを有するサイトはスパムではない
- より良質なオリジナルコンテンツを有するサイトをより上位に配置する
というものです。まあ、何とも当たり前のことですね。ただ、そう一筋縄ではいかないのも事実です。
例えば、先日、Googleがパンダアップデート 4.0を実施しました。結果、他のサイトより質の高いオリジナルコンテンツを有するサイトが順位を落としたケースも見られたようです。「一時的な揺れ」との見方もありますが、対応に追われたメディア担当者の方も多いのではないかと思います。
一体、Googleはどのような基準でサイトの良し悪しを判断しているのでしょうか。せっかくの機会なので、一緒におさらいしてみましょう。
Googleはどんなアルゴリズム更新をしているの?
まず、今回も実施されたGoogleのアルゴリズム更新の種類ですが、大きく分けて以下の2種類があります。
パンダアップデート
パンダアップデートの方針を大まかにいえば「ユーザーの役に立たない低品質なサイトは消えてしまえ」です。
低品質なサイトには、
- 広告が多数表示されるサイト
- 他のコンテンツをコピーしただけのサイト
などが該当します。
ペンギンアップデート
ペンギンアップデートの方針を大まかにいえば「不自然なリンクを過剰に増やして検索順位を上げようとしているサイトは消えてしまえ」です。
例えば、「リンクの売買をして上位に食い込もうとしているサイト」などが該当します。
なお、余談ですが「ペンギン」や「パンダ」という名前の由来には「白黒はっきりさせる」との意味合いが含まれているとのことです。
Googleはどんなサイトをスパムと認定するの?
さて、上記のアップデートの大前提として、Googleはどんなサイトをスパムとして認定しているのでしょうか。
そこで参考になるのが、Googleが公開している「品質に関するガイドライン」です。
Google 品質に関するガイドライン
https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja#3
以下のようなものがスパムサイトの手法として挙げられています。
- 自動生成されたコンテンツ
- リンクプログラムに参加すること
- クローキング
- 不正なリダイレクト
- 隠しテキストや隠しリンク
- 誘導ページ
- 無断で複製されたコンテンツ
- 十分な付加価値のないアフィリエイトサイト
- コンテンツに関係のないキーワードをページに詰め込むこと
- フィッシングや、ウイルス、トロイの木馬、その他のマルウェアのインストールといった悪意のある動作を伴うページを作成すること
- リッチスニペットマークアップを悪用すること
- 自動化されたクエリをGoogleに送信すること
様々な種類がありますね。
ただ、ガイドラインの説明文を読んでいただければ「当然、そんなことしたらスパムと思われても仕方ないんじゃないかな」と納得できるものばかりではないでしょうか。
Googleへスパムサイトを報告する方法
ただ、上記のガイドラインですべてのスパムサイトを自動的に消し去れるかといえば、そうはいきません。アフィリエイト目的の真っ黒なサイトが、より良質なコンテンツを有するメディアよりも上位に君臨しつづけるということも実際にあります。
そんなときには「Googleウェブマスターツール」からスパム報告をしましょう。
Googleウェブマスターツール スパム報告ページ
https://www.google.com/webmasters/tools/spamreport
Googleによれば「すべての報告に対して手動による対策を講じるとは限りません」としていますが、「場合によってはスパムサイトをGoogleの検索結果から完全に削除することがあります」とも書かれています。
やらないよりはやっておいた方が良いでしょう!
体幹の強いメディアをつくるために
ざっとおさらいしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
どのようなサイトが検索エンジンから悪質と判断されてしまうのか。それをちゃんと知ることで、無用な損をしてしまうことだけは避けたいところですね。
SEOはあくまで手段であって目的ではない
ただ、Googleの「品質に関するガイドライン」には「基本方針」として、以下のような言葉が掲げられています。
検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する
まさに金言です。
- オリジナルコンテンツの品質が何よりも重要
- ただ、それを必要とする読者へ適切に届けるたに、SEO界隈の知識も欠かせない
- でも、SEOはあくまで手段であって目的ではないよね!
あくまで検索エンジンではなく、ユーザーのために。そんな視点に、改めて気づかせてくれます。
Googleのアルゴリズムが更新されるたびに、メディア担当者がSEOの改善対策に駆け回る。それは決して間違いではありませんし、私もその1人です。ただ、そればかりに終始し、肝心のコンテンツ設計が甘くなってしまうとしたら本末転倒です。
ましてや「こうなったら良質なリンクを買ってでも応急的に順位を上げて、コンテンツ設計の時間を作り出すぞ!」などと血迷うことは絶対にやめましょう(いないとは思いますが)。巨大な白黒ペンギンが、満を持して立ちはだかるはずです。
コンテンツ イズ キング(Content is King)の大原則へ立ち返る
急がば回れ。そんなときだからこそ、腰を落ち着けて「良質なコンテンツとは何か」をじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。
彼を知り己を知れば百戦殆からず。必要不可欠なSEO対策を迅速に検討しつつも、自分が手掛けるサイトの既存コンテンツとも改めて向き合ってみましょう。そして、「コンテンツ イズ キング(Content is King)」との大原則へ立ち返ってみる。
もしかしたら「悠長なことをやっている場合か」と言われてしまうかもしれませんが、それがGoogleのアルゴリズム更新にいちいち惑わされない「体幹の強いメディア」を創るための第一歩なんじゃないかな。
そんな風に、自戒を込めつつ勝手に考えています。
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