こんにちは、もりたです。
Twitterで書体デザイナーの藤田重信さんがアップする、絶賛制作中の筑紫アンティーク(仮)を見るたびに使いたい気持ちが昂って止まりません。
いいなあ〜使いたいなあ〜
使いこなせない気がするけど使いたいなあ〜
1書体から買える和文フォント
まあ指くわえててもしょうがない、世の中には素敵な書体があふれています。いろんな書体を使いたい欲が高まるので、「この値段だったら…買える!買いたい!」と思った、単体でフォントデータを販売している書体を集めてみました。
趣味に偏ってるのはご愛嬌ってことで。
ではどうぞ!
デザインシグナル – 流七
七種さんのつくる書体は、ウォーク系の「はるひ学園」がモリサワパスポートに収録されていて有名ですね。ウォーク系も大好きですが、今回は「流七」を選んでみました。
デザインシグナルの書体は特徴的な書体が多いですが、その中で七書体は背が低く、ヒゲがアクセントになっています。「へん」と「つくり」の大きさがバラバラだったりして、文字の中に強弱がついててレトロな雰囲気がかわいい!
レトロなイラストと合わせて使ってみたいフォントです。フォントの表情が豊かなので、余分な飾りは必要なさそう。ただし収録漢字が常用漢字+人名漢字(他)しかないためJIS第2水準漢字などを使おうとしたら入ってない可能性があります。
使う場所が決まっている場合は、収録漢字をお確かめのうえ、ご購入ください。
書体名 | 流七 |
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値段 | 10,500円(税込・ウェイト展開なし) |
文字セット | 常用漢字+人名漢字他(2286文字)+仮名+約物+アルファベット |
制作 | 七種泰史(デザインシグナル) |
書体詳細 | https://design-signal.co.jp/typefaces/syotaimihon.image/ryushichi_kumi.pdf |
購入 | MOJI フォント/デザイン書体・筆文字フォントの販売サイト / TA-流七 |
かなバンク – フィンガー
個性的なかな文字を作るレーベルとしてタイプバンクが立ち上げた「かなバンク」。
どれもそれぞれのデザイナーの色が出ていて、祖父江さんの「ツルコズ」もすっごい魅力的なんですが(ていうか単体で4000円ですし買っちゃえよ)、今回は和文セットで販売されている永原さんのフィンガーをご紹介します。
文章を書く時、次に来る文字によってペンの流れが変わり、文字の形が変わる…という実感はあまりないですが、自分の文字を見返してみると案外そんな法則が見えてきたりします。そんなふうにフィンガーは、「前後関係に依存」して、字形が変化します。
文字にいくつかのデザインが用意されていて、前後にくる文字によって選択されるデザインが変わるらしいです。というのも、私も実際に使ったことがないのです。。。!
和文セットはウェイトによって漢字に使用される書体が変わり、ウェイトごとの販売となります。4つセットだと52,500円とちょっとお値段張りますが、1ウェイトなら15,750円!一番自分にとって使い勝手の良いウェイトを選んで買ってみてはいかがでしょう。
書体名 | TBかなバンク・フィンガーL,R,B,E,KL,KR,KB,KE |
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値段 | 15,750円(税込・1ウェイト) |
文字セット | かな・カナ・英字・数字・記号・半角カタカナ・漢字 (Std仕様) |
制作 | 永原康史(永原康史事務所) |
書体詳細 | https://www.typebank.co.jp/kanabank/y-nagahara.html |
購入 | フィンガーかなバンク – フォントダウンロードのデザインポケット フィンガーの検索結果:フォント – Font Garage |
たかデザインプロダクション – タカマイン
こちらもモリサワパスポートに収録された「タカハンド」で有名なタカ書体のひとつ。タカ書体は直線が特徴的な書体が多いです。その中でもコミカルなのにヒゲがあるのがかわいい、タカマインをご紹介します。
タカ書体で嬉しいのは、文字の線が自由にいろんな方向を向いてて奔放な印象も持っているのに、大きさや重心にばらつきがないので横組にしても違和感がないことです。
多くのフォントを知っているわけではないですが、横組を前提としたデザインでも、コミカルなデザイン書体だと大きさや重心を揃えるのはなかなか難しいように思います。
タカ書体全体に言えることですが、可読性は高くないのでウェブだとなおさら小さい文字には使えません。といってもタカマインはウェイトはDBとBだけですし、ロゴなどに使用してみたいです。
書体名 | タカマイン DB,B |
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値段 | 15,750円(税込・1ウェイト) |
文字セット | JIS第1水準の全漢字、第2水準のうちたかデザインプロダクション独自の選定漢字 433~443字(書体により違いあり/以下)と両仮名 13区の特殊記号、ギリシア文字、ロシア文字を除く非漢字 |
制作 | 高原新一(たかデザインプロダクション) |
詳細・購入 | TAKA DESIGN PRODUCTION |
味岡伸太郎 – 小町丸ゴシック
お次はタイプバンクの味岡伸太郎かなシリーズから、小町丸ゴシックです。
このシリーズのかなはとても特徴的な形で、どれも好みなんですが、ウェブは基本横組なんですよね…。小町も築地に比べると横組の可読性が低くなりますが、行成や良寛と比べたらまだいけるんじゃないかな!?ということで、ピックアップしました。
でもやっぱり縦組で使いたいフォントであることは間違いないです。
普通のゴシック体もきちんとした感じがある一方、丸ゴシックは丸みが優しさを増しててほんわりしています。成人女性向けのコンテンツに使ってみたいです。
書体自体は落ち着いていますが、色合いを工夫すればきっと活発な印象も与えられるんじゃないでしょうか。こちら、販売は仮名だけなので、漢字は何か丸ゴシックなどと合わせる必要があります。
サイトの見本ではTB丸ゴシックを使用していますね。これが一番合うんだろうなあ…。
残念ながら、TB丸ゴシックは小町丸ゴシックが入っているセレクトパックプラスのラインナップに含まれていないので、お持ちでない場合は別途購入する必要があります。
すみません…記事の趣旨と微妙に外れてすみません…。
書体名 | 小町-丸ゴシック R,H |
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値段 | 15,750円(税込・パックの中から5書体を選択) |
文字セット | かなのみ |
制作 | 味岡伸太郎 |
書体詳細 | https://www.typebank.co.jp/fonts/ajioka/r-gothic/kmrg.html |
購入 | TypeBank Select Packについて – TypeBank |
大日本印刷 – 秀英初号明朝
100年の歴史を誇る秀英明朝。
活版時代、見出しに使われた「初号」サイズの活字をベースに作られたフォントです。
秀英自体が超有名フォントですし私が語れることなんてないですが、初号の躍動感のある仮名や力強いウロコから生まれるコントラストがうっとりするほど美しいですね…。
見出し用に作られた文字だけあって、ウェブで長い文章に使うと濃淡がついて読みづらいですが、大きく使うと文字だけで説得力を持たせることができそうです。もういっそ白ベタにこの文字だけでいいんじゃないですかね(べたぼれ)
今回は初号をピックアップしましたが、「秀英明朝」もやはり読みやすくて美しい…。
「秀英初号明朝」「秀英明朝」どちらもモリサワパスポートに収録されているので、単体の場合はモリサワのセレクトパックを購入する必要があります。
今回紹介している他のフォントと比べると、お値段が2万円代とちょっとお高いですが、それだけの価値はあると思います。
書体名 | 秀英初号明朝 |
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値段 | 21,000円(税込・ウェイト展開なし) |
文字セット | Adobe-Japan 1-3 |
制作 | 大日本印刷 |
購入 | Select Pack | フォント製品 | 株式会社モリサワ |
最後に
一応単体の販売で1万円〜2万円台の書体を選んでみたのですが、お値段や取扱い形式のために選ぶのがなかなか難しかったです。特にフォントワークスのものを入れたかったんですが、そうですね、LETSのライセンス取るのが一番ですね。
あとウェブデザイナーなんで、どうしても本文より見出し向きな書体に目が行ってしまいました。ウェブフォントを表示できる環境がもっともっと整って、ウェブでも本文のフォントに凝れる時代が早くきてほしいなあ。
余談ですけど昔『ファウスト』っていうミステリ雑誌があってですね…。
長くなるからこの話は次回にしましょう。したっけ!
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