WEBディレクターの定義は曖昧です。プロジェクトの舵取り役として、コンセプトから仕様検討、デザイン、設計、プロジェクトマネジメント、マーケティングなど広範囲な業務に携わります。広範囲な業務だからこそ曖昧になりそうな職種ですが、デザイナー、エンジニア、マーケター等、チームから信頼されるために必要な知識をまとめてみました。
プロジェクトを上手に進めるために必要な知識
WEBサービスの知識
WEBの世界は日進月歩で変化していきます。RSSやソーシャルフィルターなど、自分なりに最新の情報をキャッチできる環境を整える事が大事です。クライアントからの信頼を得るためにも、最新のWEB事情やイケてるデザインをパパっと提案の中に組み込めるといいと思います。情報は大きな武器になるので、アンテナは常に立てておくことをオススメします。
大まかな設計の知識、インフラの知識
データベースの構成やサーバ構成などは最低限理解が出来た方がいいです。プログラムをスラスラと書けなくてもいいですが、システムが絡むプロジェクトでエンジニアと話す際、大まかな動きやロジック、データベース構造のイメージをお互いに共有しながら詰めていくと、やり直しの工数を低く抑えることができます。
交渉や提案をおこなうためのコミュニケーションスキル
プロフェッショナルとして意見や提案を伝えること、仕事の対価としての金額交渉をすることはディレクターのお仕事です。チームのモチベーション管理やクライアントとの関係構築など会話の組み立て方、ポジティブリスニングなど、プロジェクトを前進させるための伝え方、話し方などコミュニケーションスキルが高いディレクターのプロジェクトはスムーズに進行するはずです。
WEBマーケティングの知識
SEO(SEM)、リスティング、クロス・マーケティング、アクセス解析、LPO、コンテンツマーケティングなどWEBマーケティングの知識が高いディレクターはチームやクライアントからの信頼を得ることが出来ます。また、クライアントは「キレイなデザインより、Webで集客できるノウハウを欲している」ことが多いです。その際にプロとして提案出来るだけの勉強はしておきましょう。
色彩、デザインに関する知識
色彩はある程度まではセンスではなく色のパターンや色による連想イメージを知っているかなど、知識や経験でカバーできると思っています。日常生活からパッケージデザインや、ポスター、広告、雑誌など色使いや写真の配置、使い方はWEB以外でもヒントを得ることができます。
UI/UXの知識
UI (user interface)とUX(user experience)の違いと、それらを向上させるための知識。UIはユーザが使いやすい画面設計やデザイン面のことで、UXはユーザがどのように感じて反応するかを定義しています。最新のデザインやWEBサービスを取り敢えず登録して使ってみる事で勉強できると思います。
インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針
この本はまだ読み途中ですが、面白いです。
コピーライティングの知識
WEBコンテンツの中では、写真と同じくらいにコピーライティングは重要だと思っています。キャッチコピー、タイトル、サブタイトルの付け方は慣れておく必要があります。
情報設計の知識
大規模なサイトになるほど、重要になるのが情報設計です。多岐にわたるページをロジカルに情報設計することは、優れたUIのサイトをつくる上で重要です。
プロジェクトマネジメントの知識
プロジェクトには大小様々なアクシデントがつきものです。アクシデントは起きても動じない、納期までの工数の割大方やリスクヘッジを兼ねたスケジューリング、クライアントを含めたプロジェクトに関わるメンバーを巻き込んだプロジェクトマネジメントの知識が必要です。
工数計算・見積の知識
見積を出す上で工数計算は欠かせません。工数を算出するにはデザイン工数、HTMLコーディング工数、システム開発工数、デバック/テスト工数など、実際に掛かる工数を把握出来る必要があります。
WEBに関する心理学
同じ写真でも並べ方や大きさによって、ユーザが受け取る印象は違います。行動心理学の知識はデザイン制作をする上で知識としてあった方がいいと思います。
優れた企画やヒット商品の動向
提案に行き詰まったりコンセプト変更時には、代替案を出す必要があります。国内、国外問わず何が流行しているか、どういう企画がユーザにウケるかの知識が必要です。CMや広告賞受賞作品、話題になっている本や映画等、なぜ流行っているのかを自分なりに解釈しておくといいと思います。
ストーリー・コンセプト立案の知識
ユーザを惹きつけるコンテンツをつくるために、表面的なデザインやキャッチコピーではなく、バックグラウンドやサービスの本質を捉える必要があります。例えば温泉宿のHPをつくる際、綺麗な室内や温泉を伝えるだけではなく、創業100年の歴史から育んだこだわりの客室、心のこもった接客、伝統の料理、名物女将など、ドラマチックに盛り上げるストーリーやコンセプトを作れる必要があります。
ターゲット設定
ペルソナ定義的な感覚が必要です。このサイトはどういった人がどういったシチュエーションでなんの目的のために見るサイトなのかを自分なりにまとめられる必要があります。
ヒアリングのスキル
競合はどこか?シェアは?市場規模は?ターゲットは?一番売れている商品は?なぜ買うのか?なぜ喜ぶのか?何を解決するためのサービスなのか?競合は何処なのか?ビジネスモデルは?などクライアントの問題解決に繋がる可能性のある疑問点をヒアリング出来る必要があります。
オフィス系ソフトの知識
パワーポイント、ワード、エクセルの最低限の知識は効率良く業務を回していくためには必要です。
経営的な感覚
飲食業界の場合、フランチャイズなのか直営なのか。人材業界の場合、人材派遣なのか人材紹介、ヘッドハンティングなのか。クライアントのビジネスモデルを理解できる経営的な基礎知識があるとヒアリング時に話が早いです。決済者迄のフローや組織体制など、クライアントの当たり前は自分の当たり前ではないので、認識を合わせる上でも最低限の知識はあった方がいいと思います。
その他 参考になるリンク
10個あった、バカWebディレクターとWebディレクターバカの違い
「デキるWebディレクター」と「デキないWebディレクター」を12項目で比較してみた
まとめ
パラパラと箇条書きにしてしまいましたが、ディレクターに必要な知識は広範囲にもっと色々あると思います。プロジェクトの指揮者として、クライアントの御用聞きではなくチームやクライアントから信頼されるディレクターになるために必要な知識を吸収していきたいと思います。
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