こんにちは、ライターのYUKIです。
いきなりですが、質問させて下さい。
皆さんの仕事やプライベートでのコミュニケーションは上手く行っていますか?
「一生懸命伝えているのに、何故か判ってもらえない・・・」
そういう想いをされている方、おられます?
伝わる言葉、伝わらない言葉
私は日本人の両親を持ち、生まれも育ちも日本で、インターナショナル・スクールに通ったわけでもない、ごくごく普通の日本人だったので、アメリカで社会人デビューしてから、仕事やプライベートの場でコミュニケーションが上手くいかない時、それは文化の相違や言葉のせいだと思っていました。
しかし、日本人はおろか、部署で私を含め東洋人が二人くらいしかいない某英国企業で働いていた時、仲良しの先輩かつ同僚のおっちゃんは、ほぼ全て私の言いたいことをいつも理解してくれていることに気付きました。
ミーティングなどで、私が何かを発言して皆が上の空になると、おっちゃんが
「彼女が言いたいのは・・・・・だよ」
と別の言い方で【アレンジ】すると、皆「なるほど」という顔をしてうなずくのです。
なので、私はおっちゃんに、皆が私を理解できないのは、私の英語のアクセントや、使う言葉が変だからなのかと尋ねてみました。しかしおっちゃんは、君の英語には問題ないと笑いながら答えるだけ。
私に気を遣って、そういう風に言ってくれてるのかもしれないと思い、アメリカ人の友達にも尋ねてみたところ、ほぼ同じ事を言われたので、さらに突っ込んでみると、私が伝えようとしている内容は、とても曖昧で抽象的なので、判りにくいというようなことを言われました。
まさに、目から鱗の瞬間でした。
私にとっては、曖昧どころか可能な限り正確に表現したつもりだったのですが、その表現をアレンジしないと相手には伝わらないことを知ったのです。
表現のアレンジ
例えば、ここに花が一輪さしてあるとします。それを私は
「グラスの花瓶の中に生けてある、
青空を薄めたような色の花びらをした一輪の花が、風にゆれている」
と表現したとします。しかし、相手が聞きたかったのは
「青い花が一輪、グラスの花瓶の中に生けてある」
だった、という感じです。
ま、人によっては、そういう長い説明を好む人もいるかもしれませんが、ほとんどの人はそうではないことを、私はいろいろな企業で働きながら長い月日をかけて学びました。そして、相手側のコミュニケーションのスタイルにも、いろいろなタイプがあることを知りました。
もちろん、一人として同じ感性や価値観を持つ人がいないように、みなさん独自のスタイルをお持ちでしょうが、似通ったコミュニケーションのパターンというものはあるようです。そして、それらを把握しておけば、表現のアレンジャーが必要だった私のようにならずに済むと思うので、今回はそれらについてお話したいと思います。
その際、1921年に産業心理学者デビッド・メリル氏が提唱したコミュニケーション・スタイルで定義されている内容が、私自身の経験に基づいて学んだものと似ているので、名称や説明などはメリル氏が使用されているものを参考にさせて頂きました。
4つのコミュニケーション・スタイル
おおまかに分けて、コミュニケーション・スタイルには以下の4通りのパターンがあります。
- 分析型
- 友好型
- 表現型
- 行動型
1、分析型
なるべく多くの情報を求め、慎重に決断を下し、団体よりも個人でより力を発揮するタイプ。
好き:的確で詳細かつ事実に基づいた情報。
嫌い:抽象的で大まかな情報。
2、友好型
みんなと仲良く協力し合い、明確な目的達成を目指したいタイプ。他人に対しての責任感と忍耐力にも優れている。
好き:助け合い、和の精神。
嫌い:目的や意図が不明確な情報。
3、表現型
社交的で明るく、クリエイティブ。皆の幸せを願い、問題が起きても積極的に解決しようとするタイプ。
好き:大きなビジョン、スピード。
嫌い:細かい内容や、時間のかかること。
4、行動型
指導者的で、決断が早く、人に任せたり、モチベーションを上げるのが得意で、目的を達成するためには他人を無視してでも自分の意思を貫くタイプ。
好き:スピード、結果を出すこと。
嫌い:他人から指図されることや、細かい内容。
実例編
私の勝手な思い込み解釈で、アニメキャラのコミュニケーション・スタイルを分析してみました。
ONE PIECE
- モンキー・D・ルフィ・・・行動型
- ロロノア・ゾロ・・・分析型+行動型
- ナミ・・・分析型+友好型
- ウソップ・・・分析型+友好型+表現型
- サンジ・・・分析型+行動型
- トニートニー・チョッパー・・・分析型+友好型
- ニコ・ロビン・・・分析型
- フランキー・・・分析型+表現型
- ブルック・・・表現型
ルフィとブルックさん以外は、頭脳派のメンバーが揃っているのに、何となく納得。
サザエさん
- フグ田サザエ・・・行動型
- フグ田マスオ・・・友好型
- 磯野カツオ・・・分析型+表現型
- 磯野ワカメ・・・友好型
- フグ田タラオ・・・友好型
- 磯野波平・・・行動型
- 磯野フネ・・・友好型
- タマ・・・友好型
あまり細かいことには考えない、人の良さが伺われるご家族のようで。
実践編
それでは伝える相手側のコミュニケーション・スタイル別に、表現方法をアレンジして、レッツトライ。
お題課題:
おばあちゃんが入院する日と納品の日が重なって、上司に休みの許可を取らなければならない!
以下は相手である上司のコミュニケーション・スタイル別に表現を翻訳してアレンジした例文です。
分析型:
「家族が入院するので、◯月◯日は休ませて下さい。その日は納品日なので、作業に必要なX時間のうち、自分が◯日までにY時間分の仕事を終わらせます。そして、残りは△さんにお願いしようと思うのですが、よろしいでしょうか?」
友好型
「本当にどうも申し訳ありません! おばあちゃんが入院するので、◯日は休ませて下さい。期日に納品出来るように、△さんと一緒に全ての作業を終わらせるつもりですが、ご助力頂けますか?」
表現型
「家族が入院するので、◯日は休ませて下さい。期日に納品出来るように、自分が出来る限りの作業を片付け、無理な分は△さんに手伝ってもらおうと思っているのですが、どうでしょう?」
行動型
「家族が入院するので、◯日は休ませて下さい。期日に納品するための対策は取っています。どうぞよろしくお願いします!」
これらは、私の個人的な解釈によるものなので、必ずしも適切なものではないかもしれませんが、相手のコミュニケーション・スタイルに応じて、表現方法や内容の優先度を変えるというアレンジ方法があるのだな、と思って頂ければ幸いです。
さいごに
本当は相手も自分も同じ事を考えているのに、単に表現方法が違うせいで判り合えないということは、結構良くある事です。なので、どうしても意思疎通が上手くいかないと感じる相手には、一度、騙されたつもりで、今回のアレンジ法を試してみてはいかがでしょう? この記事が、皆さんのビジネスやプライベートで、円滑な意思疎通と連絡を実現もしくは改善し、より豊かな人間関係を築くきっかけになりますように!
それでは、今回はこの辺で。