こんにちわ。メディア事業部のしぶです。
最近、少し肌寒くなってきたおかげで自転車通勤が快適です。ただ、毎日25kmぐらい漕いでいるのに、あまり運動不足が解消できていないのが悩みです。もっともっと体に負荷をかけて、自分の体をいじめたいですね。でへへ。
さて、僕は普段メディアサイトを運営するディレクターという立場なので、ライターの方に対していつも記事の執筆をお願いしています。
ただ残念ながら、毎回質の高い記事ばかりが集まるというわけではなく、中には質の悪い記事が含まれていたりもします。
ここでいう質の悪い記事とは、たとえばライターの主観のみで書かれている内容であったり、顔文字が大量にあったり、そもそも何を伝えたいのか分からなかったり、といったものです。
それらを全て修正しようとするとライター側はもちろん、運営側(編集側)にも相当な時間が必要となってしまいます。ある程度は仕方ないとはいえ、やはり運営側としては記事の編集にかける時間はなるべく少なくしたいというのが正直なところです。
そこで今回は、どのようにライターの方たちに依頼をすれば最初から良質な記事があがってくるのか、について考えてみたいと思います。
「どうすれば高いパフォーマンスをあげてくれるようになるか」というのはマネジメント全般に共通する課題ですので、メディアのディレクションを担当されている方以外もぜひ参考にしていただければ幸いです。
仕事の依頼をする際に伝えておきたい7つの基本事項
以下、実際にライターの方や別メディアを運営しているディレクターの方から直接聞いた内容を踏まえつつ、紹介をしていきたいと思います。
僕自身まだまだ勉強させてもらっている身なので、半年後にはまた違う考え方になっているかもしれませんが。
1. ターゲットを明確にする
「誰に向けて書いてほしいのか」をきちんと伝えないと、なかなか記事は書きづらいものです。とにかく大勢の人に読んでほしい、というのが希望であったとしても、「あらゆる年齢層をターゲットにしてください」というのでは仕事の指示になっていません。
ターゲットはできる限り具体的に伝えるようにしましょう。ペルソナなどがあれば、それを共有するといいですね。
2. メディアのコンセプトやクライアントの意向を伝える
メディアのコンセプトとズレがあったり、クライアントが発信したい内容から外れてしまっていては、読み物として完成度が高い記事であっても掲載はできません。
編集をしようにも、全文リライトする以外に手段はないということに。
特にコンセプトはとても大切ですので、ライターの方にきちんと共有するようにしましょう。そして、定期的に何度も確認をしましょう。最初は一致していたはずの認識がだんだんズレてしまう、ということも珍しくないからです。
3. 参考にしてほしい記事のURLを送る
「文章のトーン」というのは、とても伝えづらいものです。たとえば「固めの文章でお願いします!」と言っても、どの程度の固さがいいのか、言った本人しか実際にはわからないと思います。
他のサイトの記事でもいいので、サンプルとなるような記事のURLを送り、ライターの方との認識をできるだけ近づけておくようにしましょう。
4. 検索キーワード(SEO対策)を送る
原稿の依頼をするとき、狙いたい検索キーワードも一緒に伝えてあげるようにしましょう。ここでいう検索キーワードとは、メディアが戦略的に上位表示させたいキーワードを指します。
あらかじめ検索キーワードを伝えることで、SEO対策につながるのはもちろん、ライターの方もネタを見つけやすくなります。
(※ただし、検索キーワードを指定されると逆に書きづらくなるライターの方もいるので注意が必要です。)
5. 入れるべきファクター(要素)を伝える
記事の中で絶対に入れておきたい要素を、一番最初の段階でライターに伝えます。こちらも後から「こうして欲しかった」と伝えると、余計なリライトや戻し作業が必要となり、双方で無駄な工数が発生してしまいます。
場合によっては記事を大幅に修正せざるを得なくなり、信頼が損なわれてしまう場合もあります。十分注意しましょう。
6. 記事の構成を伝える
記事の構成についても最初に伝えましょう。例えば「1.導入、2.見出し、3.見出し、4.見出し、5.まとめ」のような、ごく簡単な構成のイメージで問題ありません。
この辺りを指示しなかった結果、見出しやまとまりがない長文原稿が提出されてしまい、編集側で見出しをつける・テキストをまとめるなどの作業をおこなうことになり大変な思いをした編集者を知っています。(僕です)
Webでのライティングに慣れているライターの方であっても、認識をあわせる意味で、やはり最初にしっかりと伝えるようにしましょう。
7. 納期・ギャラを伝える
ライターの方にも当然予定や都合がありますので、スケジュール(納期)はしっかりと、無理のない期日で設定をしましょう。こちら側としても、編集や校正をする時間を考えれば、ある程度余裕をもった締め切りを設定しておきたいですよね。(実際はなかなかそうならないのですが。)
あわせて、ギャラの額やその支払いサイトについては、最初にしっかり同意をとっておかないと後々トラブルになってしまう可能性があります。絶対に最初に伝えておきましょう。
番外編:こんな編集者は嫌だ!
今回の趣旨とは少しずれてしまうのですが、実際の現場のライターから「こんな編集者は嫌だ!」というリアルな声をよく耳にしているので紹介させていただきます。いいメディアを一緒に作っていくうえで、ライターとの信頼関係の構築は重要です。ぜひ参考にしてください。
1. 取材の日時だけを送ってくる
いきなり連絡がきたかと思えば、取材予定の日時と「この日行けますか?」という確認だけ。
まずはライター側の予定を押さえたかった、というのは編集側の都合としてあると思いますが、話を詳しく聞かないことには即答できない質問です。
結局、何の取材なのか、記事の目的は何なのか、などの確認をいちいちライター側からせねばならず、とても面倒だそうです。
必要な事項は、一度にきちんと伝えられないといけませんよね。
2. SNSだけで連絡してくる
プライベートでFacebookやLINEを使ったやりとりは多いと思いますが、仕事上での利用も最近は増えています。そういう僕もFacebookで仕事のやりとりをしょっちゅうやっています。
しかし、あるライターの方からは「一文一文を小分けにして連絡されると面倒!まとめてメールで送って欲しい!」という連絡をもらいました。
確かにメールだと後から検索しやすいですし、まとまっていれば確認も簡単です。また、エビデンスという意味でも信頼できます。
何より(もちろん個人差はあると思いますが)、SNSだけで全てを完了させる、というのはあまり誠実な印象を持たれないかもしれません。
3. ライターへの対応が高圧的
こちらが依頼する側とはいえ、編集者とライターの関係はビジネスにおけるパートナーです。高圧的な態度で接するような相手と、気分よく仕事はできません。その結果、記事に対してのモチベーションも下がり、思うように原稿が進まなくなってしまうことだってあります。
相手のモチベーションを上げ、よりよいクリエイティブが生まれる関係を構築するのも、運営者としての大切な役割ですよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
こちらが意図する記事をあげてもらうためには、まずは最初にいろいろと指示を出すことが重要になります。
面倒だと思われるかもしれませんが、これをしないまま提出される原稿をリライトしたり戻したりする作業のほうが、結局もっと面倒なことになります。
効率的かつ質の高いコンテンツをつくるための基本だといえるでしょう。
また、今回は編集者とライターの関係に絞って紹介をしましたが、記事を「仕事」、ライターを「後輩」や「部下」に置き換えれば、そのままビジネスにも当てはめられる内容になります。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。それでは、また!