こんにちは、LIGブログ編集者の朽木です。僕は学生時代からフリーライターをして日銭を稼いでいたのですが、生活費に原稿料を当て込んでいると、往々にして悲劇が起きることがありました。
請求書の記載ミスで本来の期日までに支払いがされなかったり、そもそも請求書を送り忘れていてやはり本来の期日までに支払いがされなかったりすると、翌月の振込日までもやしとか豆腐とかを食べて過ごさなければいけないわけです。
気をつけているつもりでも、何かとうっかりしがちなのが請求書。これはコンテンツ制作にかかるすべての工程をひとりでしなければならないフリーランスならではの悩みだと思います。
世間には請求書のテンプレートなるものも溢れていますが、とくに僕はExcelを上手に使いこなせないので、苦手意識から後回しにしたり、余計にミスも起こったりしがちでした。
そこで今回は、ビジネス向けクラウド請求書ソフト「MFクラウド請求書」のサービス提供をしているマネーフォワード様のご協力を得て、フリーランスが請求書を作成するときの見落とし防止を目的とした各段階別のチェックリストをご紹介します。
そもそも請求書とは
本題に入る前に、そもそも請求書とは何か、書式は誰が決めているのか、ということから説明します。
請求書とは
請求書とは、何らかの行為を求めていることを相手に通知するために発行する文書である。
主に金銭の支払い・行政手続きの執行などを請求するときに発行される。
要するに「あなたはいついつまでにわたしにいくらいくら支払う義務がありますよね」という確認の書類であると思ってください。
そして、今回は請求書の書き方についての記事になりますが、じつはフォーマットが法律で決まっているわけではないのです。
いちおう、国税庁の公式サイトには、以下の5点を記載しましょう、という旨の記載があります。
- 書類作成者の氏名又は名称
- 取引年月日
- 取引内容
- 取引金額(税込み)
- 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
-
- 100万円以下の場合→支払い金額×10.21%
- 100万円超の場合→(支払い金額-100万円)×20.42%+102,100円
参考:No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた|消費税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6625.htm
巷に出回っているExcelテンプレートは、このあたりを網羅しつつ、プラスアルファの項目を追加してフォーマット化したものです。
請求書という条件を満たすために、通常記載しておきたい項目さえ押さえておけば、究極的にはフォーマットは手書きでもいいし、Eメールでも請求書です。
ということで、以下はビジネスマナーとして、取引先と良好な関係を築くための請求書の書き方をご紹介します。
作成
上記の請求書サンプルを参考にしながら確認しましょう!
1. 宛先
□会社名+部署名or担当者名という形式になっているか
まず、請求書の宛先については事前に取引先に確認してから請求書を作成するようにしましょう。
□御中/様の使い分けは適切か
「御中」は団体名や部署名の後に付けます。会社宛に郵送するときに担当者名が分からない場合は、「○○株式会社 御中」もしくは「○○株式会社 △△部 御中」と書きましょう。
「様」は原則として個人名の後に付けます。担当者の名前が明らかな場合に「様」を使用しましょう。ちなみに、御中と様の並記は不可です。
2. 請求番号
□請求番号は設定してあるか
請求書を管理しやすくするための番号です。これは必須ではないのですが、納品書や見積書の伝票番号などとリンクして番号を振ると管理がしやすくなり、相手側から請求書や見積書の再発行の依頼があった場合にも、どの文書に関する再発行の依頼なのかを速やかに特定できて便利です。
例えば「101〜→○○社」「201〜→××社」など、相手ごとに少し大きめの桁数に連番を振るのが一般的です。また、代表番号と枝番号を使うことにより、請求書の作成、区分けがスムーズにできます。
3. 発行日・提出日
□請求書の発行日がいつかを相手側に連絡してあるか
基本的に、個人の場合は請求書を発行した年月日を記述し、会社の場合は締日を発行日として記載します。ほとんどの会社では、発行日として相手側の締日を記載する場合が多いようです。
これについては売り上げの確定などナイーブな問題を含むので、相手側とよく確認をして、余計なトラブルを防ぎましょう。
4. 作成者・提出者
□作成者の名前と連絡先、印鑑が押印されているか
フリーランス(個人)の場合は上記の3項目でOKです。印鑑は押し忘れたり、押し損じると何度でも再提出になるので、できるだけ綺麗に押しておきましょう。
また、電子印鑑が使用可能かについても、前もって確認しておくと書類作成が効率化できます。
5. 請求明細
□金額・桁に間違いがないか
商品名・単価・数量・合計額などが請求明細の内容ですが、更に日付や商品の単位や備考を記述することもあります。
現実にはそんなことはないとは思いつつ、「明細と違うから支払わない」と言われることもあり得はしますから、余計な誤解を生まないように正確に記入しておきましょう。
6. 税
□「内税」「外税」のどちらで請求するのか
内税とは消費税込みの報酬総額を指し、外税は別に消費税があることを意味します。契約時に“税込み”か“税抜き”とかをしっかり確認しておきましょう。
もし明記されていない場合は、基本的に税抜きであることが多いようです。ちなみに相手に、端数は切り捨てにする場合が多いようです。
□自分の請求内容は源泉徴収の対象となる報酬かどうか
フリーランスとして受け取る機会が多いであろう原稿料/講演料/デザイン費用/モデル料/カメラマン料は源泉徴収の対象になるので、この機会に覚えておきましょう。ちなみに、HTMLなどのコーディング費は源泉徴収の対象外です。
また、源泉徴収の金額は以下の計算式で算出できます。
7. 振込先・振込期限・振込手数料
□振込先口座の情報や振込期限を明記しているか
支払い期限を明記しなければ、当然、いつまでに入金されるのかのメドがつきません。契約時に特に取り決めがなければ、支払日は相手側の社内規定により、たとえば“月末締翌月末払い”の会社なら、今月末までに請求した代金は来月末に支払われることになるでしょう。
希望の振込み依頼日や支払期限については前もって明確に把握しておかないと、当てにしていた入金がなくてピンチ、ということが起こり得るので注意が必要です。
□振込手数料を先方に負担してほしい場合は、その旨を明記しているか
先方から特に指定や契約上の取り決めがなければ、振込手数料については支払う側が持つというのが一般的です。
もし、これまでの関係性によって振込手数料を先方に負担させたくない場合は、支払い請求書に「恐れ入りますが振込手数料はご負担ください」などと明記することをおすすめします。
送付
繰り返しますが、基本的にはフォーマットはありません。メールでも送付可などの条件は相手側次第です。確認しておきましょう。
8. 郵送
□「請求書在中」と封筒に記載したか
「請求書在中」の文言は絶対に必要、という訳ではありませんが、企業宛のDMなどと間違われてしまうと困りますし、相手側の社内でもスムーズに伝達されるようにするのがマナーです。
横向きの封筒なら右下、縦向きの封筒なら左下にスタンプで押すか、手書きしましょう。基本的には朱書きです。
9. 会計処理
□売掛金を記帳したか、入金後に消込をしたか
フリーランスにとって頭が痛いのが確定申告。請求書を出して終わりならそれでいいのですが、適切な会計処理をしておかなければいけません。
まず、請求書を発行すると、売掛金をたてる仕訳を作成する必要があります。また、実際に売掛金が入金されたら、消し込みをする必要があります。
その他
10. 案件の進捗管理
□納品後はなるべく早く送ろう
請求書(自己の技能を用い、注文を受けて、物を製作し又は自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権)の法的な有効期限は2年であると定められています。
しかし、締め日をまたいでしまうなどすると、相手側の担当者、経理などに迷惑がかかるので、案件が終了したら速やかに請求書を送りましょう。
フリーランスだからこそ、効率化を
さて、ここまでフリーランスが請求書を作成するときに見落としがちなことを10個にまとめてみましたが、ここであらためて思うのが、やっぱり面倒くさい、ということ。
そこで、1.〜10.が簡単にできるビジネス向けクラウド請求書ソフト「MFクラウド請求書」についてのご紹介です。
MFクラウド請求書とは
「MFクラウド請求書」は、見積書/納品書/請求書を簡単に作成、管理できるソフトです。用途に応じたテンプレートに必要な情報を埋めていくだけで、見落としなく各種の書類を作成することができます。
テンプレートは見やすく、デザイン性が豊かなものが随時追加されており、ロゴや印影を入れて自由にカスタマイズすることが可能です。
消費税や源泉徴収の計算も自動でしてくれるだけでなく、1クリックで入金を管理することが可能で、姉妹サービスであるMFクラウド確定申告と連携すると、自動的に記帳・消込されるようになっています。
そしてなんと、こちらのソフトで作成した請求書を、郵送ボタンをクリックするだけで請求先に郵送できる機能がリリースされました。
面倒な請求書の印刷、封入、発送作業は全て「MFクラウド請求書」が代行します。これでもう「請求書を送り忘れた」なんてこともありません。
まとめ
いかがでしたか?現在僕はLIGの社員になったため、請求書を作成する機会は以前よりは大分減りました。でも、基本的にこのようなビジネスマナーの背後にあるのは、ビジネスパートナーを尊重し、一緒に気持ちよくお仕事をするという姿勢なのではないかと思います。
くれぐれもお取引先にご迷惑をかけたり、恥ずかしい思いをすることがないように、請求書の送付の際にはこのチェックリストをご活用ください。それでは、また!