STEP4 「いまやっていること」を聞く
興味を持っていただいた理由を聞くと、大体の場合「今抱えている課題」が見えます。課題が見えれば提案ができる…と思った方、焦ってはいけません。ここでいきなり「こんなことをできますよ」と提案してしまうと嫌われます。基本的に人は「営業的な提案をされたくない」からです。
ですので、課題が見えたら「それに対して、今なにかやっていますか?」と聞いてみましょう。
「今、ホームページの改定するための担当者を決めた」であったり、「情報収集をしている」といった答えが返ってくればGoodです。
逆にここで、「何もしていない」という場合は「重要な課題ではない。優先度が低い」と思って結構です。大抵の場合「課題と思っていることに対して、今は何もしていない」ということは殆どありません。
優先度が低い課題はお金が出ません。お金になるのは「今自分たちでやっているけど、上手くできていないこと」です。
STEP5 「ちょっと難しいなというところ」を聞く
「今やっていること」を聞くことができたら、いよいよ佳境です。
やっていることに対して、「うまくいってますか?」と聞きたくなるのですが、グッとこらえてください。「うまくいっていない」と素直に答えられる人ばかりではありませんし、失礼にあたるかも知れません。
そうではなく「基本的には上手くいっている」という前提のもとに、「ここは難しいな、という所はありますか?」と聞きます。あくまで主体はお客様で、我々はアシストに徹するという態度を貫くと良いと思います。
ここまでくれば、もし困っている仕事(つまり課題)があれば、それについて語ってくれるでしょう。
これが聞ければ、ゴールは間近です。
STEP6 「ご興味ありますか?」と聞く
もし「課題」が皆様の商品にマッチしていれば、ここが「皆さんがお手伝いできること」をお客様に提示していただく場面です。素直に、「それについては、○○というお手伝いができますが、ご興味ありますが?」と聞きます。
ここまで来ていれば、お客様に「興味ある」といっていただける可能性は五分五分です(残念ながら100%ではないです)。興味を持っていただいた商品については、簡潔に課題に対して訴求します。
そして、一連の説明を終えた後、お客様にこうお声がけしてください。
「○○をやりたいと思いますか?」
「やりたい」といっていただければ、仕事をいただくことは難しくありません。営業の役割はこれでおしまいです。
ただし、「うーん…」と渋っていたら深追いするのはやめておきましょう。ここでこちらから話しかけるのは厳禁です。その方は意思決定できる立場では無いかもしれませんし、商品の良さが上手く伝わっていないのかもしれません。単に自分の中で考えをまとめているだけかもしれません。
いずれにしろ、この場面では向こうから話しかけてくるのを待ちます。
この場合、追加で質問をいただくこともあります。端的に回答し、「質問されたことだけに答える」を貫きましょう。追加で質問が来れば、比較的確度は高いと言えます。また、「社内で検討します」という回答や、「考えておきます」という回答をいただくこともあります。
この場合はあまり確度は高くないですが、「いつまでに回答をいただけますか?」と聞いておきましょう。
おわりに
以上で営業ヒアリングについてはすべてお伝えしました。
くどいようですが、これはあくまでも標準的なシナリオです。自分のスタイルがある人や、型が嫌いという人は無理にこのシナリオ通りにやる必要は全くありません。
ただ、無形のものを売るということはサービス業にとっては非常に重要なプロセスなので、営業ヒアリングが苦手という人はこのような型から入っても良いと思います。