こんにちは、イケダハヤトです。
このたび、高知から東京に移住して、LIGでお仕事をさせていただくことになりました。さようなら高知、こんにちは東京。いま改めて、東京の魅力をまとめる形式で、転職の経緯を語りたいと思います。
1. 東京には、おでこに爪楊枝を刺して燃やすような人はいない
ぼくは2014年の6月に高知に移住しました。で、移住して一週間後くらいに、歓迎会があったんですよ。
すごいびっくりしたんですが、参加者のおっちゃんが、突如ぼくのおでこに爪楊枝を突き刺して、その先端にライターで火をつけて「炎上ブロガーようこそ!」とかやってきたんですよ。しかも一回じゃうまく刺さらなくて、3回くらい突き刺されました。初対面の人に爪楊枝刺して燃やすとか、なんなの高知県民。
高知の人と飲んでたら爪楊枝おでこに刺されたでござるの巻。3回も。東京帰りたい…。
— イケダハヤト (@IHayato) 2014, 6月 17
後日、この話は高知新聞のインタビューでも大々的に取り上げられました。2時間近く移住とかクリエイターのキャリアとかについて熱く語ったのに、なぜそこをフィーチャーして取り上げるんでしょう。なんなの高知県民。
高知新聞の一面にイケダハヤト@IHayatoさん! pic.twitter.com/8BGmkVV4YH — ゆき/雪書.jp (@_xxyk) 2014, 7月 3
東京には、“初対面の人間のパーソナルスペースを侵略して、おでこに爪楊枝をズバズバ刺して燃やして喜ぶような人”はいないので、ほっとしています。さようなら高知!こんにちは東京!
2. 東京の飲み会は「自分のペース」で飲める
高知は「飲酒費用」が圧倒的トップで、真っ赤になっています。高知県の場所がわからない人でも、この図を見れば即座に理解してもらえるので重宝します。「真っ赤」を超えて、もはや何らかの臓器を思わせる「赤黒さ」。
引用元:飲酒費用 [ 2012年第一位 高知県 ]|新・都道府県別統計とランキングで見る県民性 [とどラン]
このデータからも分かる通り、高知は飲み方がちょっとおかしいです。たとえば、見てくださいよこの画像。これは戦後から続く、由緒ただしいお祭り「どろめ祭り」の風景です。
引用元:【高知】路上に畳とコタツを設置して飲みまくる!9日間に渡って繰り広げられる祭り「おきゃく」が楽しすぎる【治外法権】
毎年4月、太平洋を舞台に赤岡町の浜辺で地曳き網でとれたてのドロメ(注:生しらす)を味わいます。メインイベントとして、男性は一升(1.8リットル)、女性は五合(0.9リットル)を一気に飲み干す「大杯飲み干し大会」があります。「飲み干す時間」「飲みっぷり」の総合得点を競います。「これこそ土佐人」のイメージを全国に広めた豪快でユニークな祭りです。
何を言っているかわからないと思いますが、こういうお祭りが公然と開催される治外法権が高知県です。
高知には「返杯」という文化もあり、これがひどい。悪魔の儀式です。
- お酒を飲ませたい相手にお猪口を持たせ、日本酒を注ぐ
- グイッと飲ませる
- 飲み終わったお猪口をそのまま受け取り、相手に日本酒を注いでもらう
- グイッと飲み干す
- 再び相手にお猪口を持たせ、当然のように日本酒を注ぐ
- グイッと飲ませる
- 飲み終わったお猪口をそのまま受け取り、相手に日本酒を注いでもらう
- グイッと飲み干す
- 上記のプロセスを酔い潰れるまで繰り返す
まったく自分のペースで飲むことができません。お酒の味を楽しむ余裕もありません。東京はその点、上品にお酒が飲めていいところですね。
ついでにいうと、高知では「おきゃく」と呼ばれる春のお祭りにおいて、路上飲酒が解禁されます。コラじゃないですよ、これ。アーケード商店街にこたつを設置して飲むというクレイジーな飲酒文化があります。
引用元:【高知】路上に畳とコタツを設置して飲みまくる!9日間に渡って繰り広げられる祭り「おきゃく」が楽しすぎる【治外法権】
3. 東京にはセブン-イレブンがたくさんある
高知にはセブン-イレブンが全然ないんですよ。長らく未進出エリアだったので、こんなネタ画像も出回る始末で……。だからセブン-イレブンは無いっつってんだろ!
高知県民のためのハンドサイン2 pic.twitter.com/y6i4wzSIpS
— みょえもん。 (@myo4921) 2014, 4月 8
しかし!ついに!セブン不毛地帯の高知に、セブン-イレブンが3店舗できたんですよ。今年の3月6日オープンで、今も高知駅では行列が続いておりまして。えぇ。ウソじゃなくて。
やっと高知にセブンイレブン進出してきたwコンビニができると人で賑わう楽しいとこです pic.twitter.com/G8UzV1O3Mm — イバン (@Iban07kg) 2015, 3月 6
東京にはセブン-イレブンがたくさんあるのがすばらしいですね! いつでも美味しいコーヒーが飲めます。
4. 東京の人はよく働く
移住者・転勤者の方は確実に同意する話なんですが、高知で生活していると、仕事をしなくなるんですよ。実際、平成18年の総務省調査によると、平均帰宅時間が全国1位らしいです。
引用元:高知は「帰宅時間の早さ」「出勤時間の遅さ」「労働時間の短さ」が全国トップクラス
ついでにいうと、労働時間の短さは全国3位で「6時間38分」。出勤時間も遅く、「8時41分」と全国2位となっております(総務省調査, 23年度)。
ようするに、高知の人は「のんびり出勤して、あんまり働かないで、さっさと帰る」ということですね。高知で実際に生活してみると、これは肌感覚としてわかります。PM6時には、街に酔っ払いがあふれます。
そんなわけで、高知で生活していると、仕事をしなくなります。実際、移住してからブログの更新量はガクッと減りました。そういえば、午後4時には仕事を切り上げて、お酒を飲んでました。そりゃ更新本数減りますね。もう一度、LIGのみなさんと上野でハードワークをして自分を磨きたいと思います!
5. 東京の人はグイグイ来ない
いや正直、高知の人はグイグイ来すぎなところがありまして、コミュ障のぼくには辛かったんですね。
「田舎の人は閉鎖的だ」とかよく言いますが、高知に関してはむしろ逆で、オープンマインドでグイグイ突っ込んできます。ぼくのパーソナルスペースに、お猪口と徳利を持ってズイズイと乗り込んできます。辛い、これは辛い。記憶がなくなる。気が付いたら朝じゃないか。笑いすぎたのか頬が痛い。
(参考画像:社長のゴウさんと高知で面接がてら呑んだときの写真です)
東京は人間の距離がいい感じに遠くて、自分の腹の中をさらけ出さないで済むのがいいですね。表面上でコミュニケーション取ればとりあえずオッケー、というのは楽です。人間というものは、孤独でいいんですよ、本来。
6. 東京は街が「よさこいムード」に染まらない
「よさこい」はすっかり全国区のムーブメントとなり、いつの間にか高知発祥であることが忘れられていますが、本来的には高知が原点なのです。
この祭りには、全国的な不況の中、戦後の荒廃した市民生活が落ち着きを見せ始めた昭和29年8月に不況を吹き飛ばし、市民の健康と繁栄を祈願し、併せて夏枯れの商店街振興を促すため高知商工会議所が中心となり発足した。
ぼくも高知に移住するまで、高知発祥だと知りませんでした。高知の人に会ったときは、「え?よさこいって北海道あたりのものじゃないの?」と煽ってみてください。炎上して面白いですよ。
こちらは人気チーム「とらっく」のパフォーマンス画像。180人もの人々が、このド派手な衣装で乱舞します。
引用元:最強のよさこいチーム「とらっく」がチーム存続をかけて資金調達中!このチームほんとすごいんです(画像あり)
動画でもどうぞ。期間中、約2万人の踊り子がこのテンションで街中を踊り狂う日本が誇る奇祭です。
そして見ての通り、演舞場となる商店街は機能停止に陥ります。通れない……。
例年よさこいの時期(2015年は8月9日〜8月12日)は交通網が麻痺すると評判で、仕事に支障が出る人も少なくないとか。ぼく、Amazon頻繁に使うんで、配送が遅れて困るんですよね……。街がよさこいムードに染まらず淡々と流れていくのも、東京の魅力ですね。高知の人はよさこい終わると「夏が終わった……」と脱力しちゃいますから。
さようなら高知、こんにちは東京!
いろいろ書きましたが、すごく簡単にいうと、高知で肝臓を消耗しちゃったんですよね……。本当は高知が大好きなんですが、なんせドクターストップが掛かってしまい……うぅ……。肝障害寸前というわけで、当面は養生を兼ねて東京に戻り、LIGさんのもとでお世話になろうというわけです。
「なんでLIG?」という点に関しては、ぼくが貢献できることが多いと思ったんですよね、純粋に。
このブログはすばらしくアクセスを稼いでいますが、コンテンツを見ると割と表面的というか、SEO狙いというか、予定調和というか……あんまり人間としてのリスクを取ってないじゃないですか。せっかく熱い人たちがいるんだから、もっと攻めた方がいいと思うんですよ。
ようするに、みんなでニコニコ「Life is Good.」とか言って砂浜に埋まったりしてる場合じゃなく、もっとその、パッと見はGoodなLifeのダークサイドをガンと凝視して、その結果として生まれる、魂の内面をさらけ出すようなコンテンツをケツからひねりだせ! ということですよ。わかりますか、LIGのみなさん。どうぞ黙って付いてきてください。己の「存在意義」に、当事者として肉薄しましょう。まずはその薄っぺらな皮を焼き尽くせ!
読者のみなさまも、一皮むけて内臓をグシャッとさらけ出すようになったLIGブログを、どうぞお楽しみに。これから、ぼくらは化けますよ。
※こちらの記事はエイプリルフール企画です
【2015年のエイプリルフール企画】