採用で面接官に悪い印象を与えてしまう、応募者の6つの発言

採用で面接官に悪い印象を与えてしまう、応募者の6つの発言

安達裕哉

安達裕哉

こんにちは。ライターのあだちです。ジメジメとした日が続き、早くカラッと晴れてほしいものだと思っていたら、いつの間にか梅雨が明けました。

さて、今回のテーマは「面接」についてです。私はコンサル会社勤務の前職でも、今でも「採用活動の手伝い」を数多く担当しています。その中でも、特に「面接」は多くの方にとって、非常に大変な仕事だったと思います。

限られた時間の中で、応募者の方がどのような方なのかを見極めるのは至難の業です。
「この人はどのような人なのか」「実績は本当か」「うちに入ってもらったとして、仕事をきちんとやってくれるだろうか」そんなことを1時間程度で判断しなければいけません。

ここで考えてみたいのは、面接官のほとんどの方が「面接のプロ」ではなく、他に業務を持っている素人であるということ。面接官の態度の悪さに悪評が立つような会社もありますが、面接官もまた面接の際にはかなり「緊張」しており、相手の発言にとてもナーバスになっていることは考えておかなければいけません。

そんな状態の時に「面接官に嫌われる発言」をしてしまうと、印象が固定されてしまいます。そして、悪い印象がついてしまうと、短い時間の中では挽回が難しいのも事実です。

そこで、多くの会社で見た、「面接官に悪い印象を与えたこと」と、その時の対処法を挙げてみたいと思います。なお、下に挙げる例はあくまでも「一般的な事例」なので、あてはまらないケースもあり得ると思います。面接官の様子を見て、使い分けてください。

採用で面接官に悪い印象を与えてしまう、応募者の6つの発言

1. 前職の会社の悪口

悪口を聞きたい人はほとんどいません。仮にそれが事実であったとしても、悪口はプラスの印象とはなりません。面接の時間は短いので、悪口に時間を割くヒマはないのです。

とりあえず、ポジティブな表現、もしくは向上心を感じる表現を心がけてください。

例えば、どうしても前職を辞めた理由を説明しなければいけなくなったら、下記のような言い換えをしてみてもいいかもしれません。

例)
「同僚の能力が低かったので」⇒「同僚は能力不足で悩んでいたようで」
「給料が安くて」⇒「条件面でもっと上を目指したいと思い」

2. やれません・できません

基本的に「やれません」「できません」だけで会話を終わらせてしまうのは、印象が良くありません。
もちろん、できもしないことを「できる」と言ってしまうのは絶対にNGですが、「できない」をストレートに言い過ぎない工夫、あるいは「できない」をカバーする工夫は必要ではないでしょうか。

例)
「できません」⇒「経験がないので判断が難しいのですが、頑張りたいと思います」「それはできませんが、代わりに●●をすることで貢献できると思います」
「やれません」⇒「できるだけのことをやろうと思います」「やってみたいことではありますが、●●の方が得意です」

事前の情報収集で、どちらがいいのかを確かめておきましょう。

3. 将来の年収はいくら位になりますか?

面接官にとって、将来の年収がいくら位になるか、というのは答えにくい質問の1つでもあります。なぜなら、人によって大きく異なるからです。
管理職になればそれなりにもらえるかもしれませんし、あまり給料が上がらない方もいるかもしれません。また、会社を取り巻く環境によっても給与は変動します。

こういう場合は、人事制度について質問するといいでしょう。このとき、人事制度についてきちんと教えてくれない会社は、あまりいい会社とは言えません。

例)
「30歳で、年収はいくら位になりますか?」 ⇒ 「御社の人事制度は成果型ですか?年功型ですか?」「成果型(年功型)の詳しい内容を教えてください。」

また、将来の給与を聞きたいのであれば、内定をもらってから、それを承諾する前に社員の人に面談のチャンスを貰い、直接聞くのも手です。

4. どんな教育制度がありますか?

多くの会社は、公式、非公式に関わらず「社員研修」を行っています。しかし、これはあくまで経験を通した印象ですが、入社する前から「自分が施される教育」のことばかり聞かれると、「うーん」と心良く思わない面接官が多かったと思います。

これは、多くの会社員が「会社は学校と違い、教育は与えられるものではない」と感じているからではないかと思います。

基本的に「自分で勉強せよ」が多くの会社員の意見だと思った方が、少なくとも面接の場においては、適切なのではないかと思います。したがって、ここでは「社員がどのように勉強しているか」を聞くのが一番妥当です。

例)
「御社にはどのような教育研修制度がありますか?」 ⇒ 「社員の方は勉強熱心なのでしょうか?」「どのように自己研鑚している人が多いのでしょう?」

5. 聞かれていることに答えていない、聞かれていないことまで答える

面接の時間は有限なので、面接官は「判断材料をきちんと集める」ことに全力を注いでいます。それにもかかわらず、応募者が「聞かれたことに対して答えていない」「余計なことまで答えている」と、面接官はひどく時間が無駄になったと感じがちです。

聞かれたことに簡潔に、結論から答える。これが面接の最大の秘訣と言ってもいいでしょう。

例えば、次の会話を見てください。

面接官 「志望動機を話してください」

応募者 「私はこれまでアパレルショップでチーフをしてきました。時には大変なこともあったのですが、仲間と相談して、困難を乗り越えることができました。前職で学んだことが●●です。その経験が、御社の営業職で…」

このとき、面接官は間違いなく、「結論から言ってほしい」と感じていると思います。

同じ内容を結論から話すと、次のようになります。

面接官 「志望動機を話してください」

応募者 「はい。私が御社を志望した理由は、営業として貴社の●●の仕事をやりたいと思ったからです。それは、私が前職のアパレルショップでチーフをしていたときに、●●を学んだ経験が、御社の営業職で…」

このように、面接官と自分の時間を最大限に効率良く使うことが重要です。回り道をしているヒマはありません。

6. 質問しない

ほとんどの面接では、面接官の質問がひと通り終わると、「応募者の質問時間」が取られます。そして、「応募者からの質問」を重視している会社は非常に多いです。

「どのような視点でウチを見ているのか?」「なにに疑問を持っているのか?」「表面的なことでなく、本質的なことを質問できるか?」といったように、質問からは非常に多くの情報が得られます。

したがって、質問しないこと自体がマイナス、というよりも「質問によってアピールできる時間があるのに、使わないのはもったいない」ということです。必要であれば、面接中に筆記用具を使う許可を得て、質問のネタを書き留めておくと良いと思います。

まとめ

もちろん会社のカルチャーによって、その他にもNGとされていることは数多くあります。が、上の事項はほとんどの会社の最大公約数として認識されていると感じます。

1つ1つの面接の時間は非常に短いです。そして、面接だけでは本当に知りたいことをなかなか知ることができないのも事実です。

しかし、最低限「悪い印象を与えるNG事項」を回避することで、上手く面接というハードルをやり過ごすことも重要ではないでしょうか。

これから面接を受ける方の参考になれば幸いです。頑張ってください。

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あだちゆうやと申します。コンサルティング会社のDeloitteで12年間、仕事をさせていただきましたが、「人材育成」というテーマの仕事を全力でやりたいと思い、退職して個人向けに学習塾、法人向けに採用・人事コンサルティングを行う会社をつくりました。 IT、学習、教育、マネジメントについてブログを書いています http://blog.tinect.jp

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