【初心者向け】アプリ開発の流れを6ステップで解説

【初心者向け】アプリ開発の流れを6ステップで解説

山口 菜月

山口 菜月

テクニカルディレクターの山口です。

アプリ開発をするには何からはじめればいいのか知りたい方や、アプリ開発の流れをサクッとおさえてスムーズに進めたい方に向けて、エンジニアとして開発現場に携わってきた経験をもとに、アプリ開発の流れや進める上での注意点をまとめました。

アプリ開発を成功させるには…
アプリ開発の成功には、実績のある依頼先を選ぶことが大前提です。アプリ開発の実績豊富な会社はこちらの記事でまとめています。

アプリ開発の流れを6ステップで解説

アプリ開発は以下の流れで進みます。

  1. 要件定義
  2. 外部設計
  3. 内部設計
  4. 開発
  5. テスト
  6. リリース

それぞれのステップを詳しく解説していきます。

ステップ1:要件定義

要件定義とは、簡単にいうと「どんなものを作るか決める」ことです。ここで決めたことが今後の工程の基盤となるため、とても大切なステップです。

欲しい機能をリストアップするだけでなく、セキュリティ要件・おおまかなスケジュール・必要なリソースなどもこのフェーズで固めます。アプリ開発を外注する場合は、開発会社と納品物のイメージやスケジュールをしっかりすり合わせ、後々齟齬が出ないようにしましょう。個人で作る場合も、要件を最初に固めておくことで開発がスムーズに進みます。

外注した場合の責任範囲は発注側になります。どんなものを作りたいかは発注側が主体的に決める必要があるためです。

ステップ2:外部設計

要件定義で決めたことをもとに、外部設計をおこないます。「基本設計」と呼ばれることもあります。

外部設計では、ユーザがアプリを使用する際の操作手順や画面デザインなど「外から見える部分の設計」をおこないます。その他、具体的なセキュリティ対策方法・工数・費用などもこのフェーズで決定します。

外注した場合の責任範囲は契約にもよりますが、発注側となることが多いです。画面に必要な項目など、発注側が提供するべき情報が多いためです。

ステップ3:内部設計

外部設計をもとに、内部設計をおこないます。「詳細設計」とも呼ばれます。

内部設計は、プログラムの構造やシステム内部でのデータ処理など、「外から見えないシステム内部の設計」をおこないます。実際に開発をおこなうエンジニア向けの設計です。

専門的な内容となり、外注した開発会社が主体となっておこなう設計なので、外注した際の責任範囲は、開発会社となります。

ステップ4:開発

設計が終わるといよいよ開発フェーズ、つまりプログラミングに入ります。

設計がしっかりできていればスムーズに進みますが、このフェーズで機能追加や仕様変更が多いと、せっかく設計で固めたものが崩れ、スケジュールが遅れたり予算がかさんだりします。

外注した際の責任範囲は、開発会社です。

ステップ5:テスト

テストのフェーズでは、できあがったアプリに不具合がないか、仕様通りに動くかを確認します。

まずはテストケース(どんな操作をしてどんな結果を期待するのか)を漏れがないように作成し、そのテストケースに沿ってテストを進めます。

責任範囲は開発会社ですが、受け入れテスト(*)の場合は発注側です。

*受け入れテスト: 本番に近い環境で納品物が問題なく動作するか、発注側が実施するテスト

ステップ6:リリース

いよいよリリース。作ったアプリを世に出す作業です。

アプリの種類(詳しくは後述)によってリリースに必要な工程が変わってきます。Webアプリの場合は、環境を用意すればすぐにリリースできます。

スマートフォンアプリの場合は、Apple store や Google Play Store に公開申請し、審査を通らないとリリースできません。

責任範囲は契約しだいです。外注した開発会社がリリースも請け負う契約だった場合は開発会社となります。

アプリ開発を進める上でのポイント

要件定義をしっかりとおこなう

要件定義は、家を建てるときの土台だと思ってください。要件定義で決めたことは、のちの工程すべてを導く方針になります。

そのため、工程が進んでから要件定義の内容を覆すと大変なことになります。余計なコストをかけないためにも、要件定義の段階で作りたいもののビジョンをしっかり固めましょう。

こまめに進行管理をする

どれだけ綿密に要件定義や設計をしても、検討漏れしていた機能が後から出てきたり、設計通りにいかないことはでてきてしまいます。こまめに開発チームと意思疎通して情報を共有し、問題があったらキャッチアップできる体制を作りましょう。

十分なテストをおこなう

バグがないプログラムは存在しないと言われています。リリース後に不具合が見つかると、一時的にアプリを利用できない状態にしなければ修正できないケースもあります。

だからこそ、リリース前にテストをしっかりおこない、できるだけ不具合を減らすことが大切です。

アプリに合わせた会社選びをする

開発を外注する場合は、会社選びも大切です。まずはどんなアプリを開発したいかしっかり検討した上で、そのアプリの分野を得意とする会社を選びましょう。

ゲーム系が得意な会社、金融系が得意な会社など、実は会社によって得意分野が違うのです。その会社が何を得意とするかは、ホームページなどに載っている開発実績で確認できます。

弊社が同業者目線でおすすめできるアプリ開発会社をまとめた記事がありますので、外注先にお悩みでしたらぜひご覧ください!

>>同業者おすすめのアプリ開発会社13選|選び方のポイントも解説

【ちなみに】デザインは内製したほうがいい?

外注か内製かどちらがいいか、一概には言えません。

内製の方が時間とお金が節約できるイメージですが、デザインのためのツール購入やデザイナーの人的リソースの確保などが必要なのであれば外注の方がお得な場合もあります。

一方で、外注だとクオリティが高いものができそうな気がしますが、うまく完成形のイメージを共有できないと、思い通りの納品物にならない可能性もあります。

ご自身の条件と照らし合わせてみて、合っている方を選ぶことが大切です。弊社のようにデザイナーも在籍している会社にアプリ開発を外注する場合は、相談してみるのも手です。

アプリ開発に関する基礎知識

アプリの種類

アプリと言われてぱっと思いつくのはスマートフォンのアプリですが、実は「アプリ」という言葉はアプリケーション(Application)の略で、パソコンやモバイル端末上で使用できるプログラムやソフトウェアのことを指します。アプリは大きく分けて次の3種類に分類できます。

  • ネイティブアプリ
  • Webアプリ
  • ハイブリッドアプリ

続けて各種アプリの特徴を見ていきましょう。

ネイティブアプリ

スマートフォンのアプリがこれにあたります。iPhone・Androidなどのモバイル端末や、パソコンにインストールすることで使えるアプリです。

インターネットに接続しなくても使えることや、カメラ機能やGPS機能などネイティブ機能(端末が持つ機能)を使えることなどがメリットとして挙げられます。

ただし、ネイティブアプリをリリースするためには、各アプリストアに公開申請して審査を通過しなければならず、各ストアに登録料を支払わなくてはいけません。一方で、ストアを通せばユーザーに認知されやすくなるという利点もあります。

Webアプリ

Google Chrome や Microsoft Edge などのWebブラウザ上で動作するアプリです。Webブラウザからアクセスすればインストールなしで使うことができます。WebブラウザからアクセスできるGmailやAmazonショッピングサイトなどもWebアプリです。

パソコンからでもモバイル端末からでもアクセスでき、リリースにあたって審査などは不要です。

開発やメンテナンスのコストもネイティブアプリより低いことが多いです。デメリットとしては、インターネットに接続しないと使えないことや、ネイティブアプリよりも動作が遅いことなどが挙げられます。

ハイブリッドアプリ

その名の通り、ネイティブアプリとWebアプリを組み合わせたアプリのことです。ネイティブアプリという容器にWebアプリが入っているイメージをもっていただくとわかりやすいと思います。

開発コストが低いというWebアプリの利点を持ちながら、ネイティブアプリの利点であるネイティブ機能を使った実装ができます。

実体としてはネイティブアプリなので、リリースするにはストアを通す必要があります。また、Webアプリの技術を使って開発されているため、ネイティブアプリより動作が重くなったり操作性が悪くなったりする可能性があります。

ネイティブ機能を駆使したい場合や、サクサク動くゲームなどを作りたい場合は向いていません。シンプルな機能のネイティブアプリを低コストで開発したい場合などに検討すると良いでしょう。

開発手法について

アプリの開発手法には、ウォータフォール開発アジャイル開発があります。上記で述べたアプリ開発の流れは、ウォーターフォール開発を採用した場合の流れです。開発するアプリによって向き不向きがあります。

ウォーターフォール開発

ウォーターフォール開発は 【要件定義 > 設計 > 開発 > テスト】の流れに沿って進み、次の段階に進んでから前の段階の戻ることはありません。まさにウォーターフォール、滝です。

スケジュールや予算の見積もりがしやすいというメリットがある一方で、仕様の追加変更に柔軟に対応できないというデメリットがあります。

よって、作りたいものの要件がしっかりと定まっている場合に向いている開発手法といえます。

アジャイル開発

アジャイル開発は、アプリの要件や機能ごとにスプリントと呼ばれる小さな単位に分け、スプリントごとに【設計 > 開発 >テスト】をおこない、発注者のフィードバックを得る開発手法です。

仕様の追加変更にも柔軟に対応できるというメリットがありますが、それゆえにスケジュールが読みづらかったり、延々と仕様変更が続いてしまったりする可能性があります。

よって、作りたいものの要件が曖昧な場合や、市場の変化などに合わせて柔軟に開発したい場合に向いている開発手法といえます。

関連記事:アジャイル開発とウォーターフォール開発の違いについて

開発期間はどれくらいかかるの?

アプリの要件しだいです。ざっくりとですが、各ステップ1ヶ月くらいかかるとして、多くの場合6ヶ月〜1年は必要です。できるだけ開発期間を短縮するためにも、上記で挙げたポイントをしっかりおさえて進めましょう。

さいごに

以上、アプリ開発の流れとポイントについてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?

この記事を通して、少しでもアプリ開発に関する疑問を解消していただけたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!

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山口 菜月
山口 菜月 テクニカルディレクター / Yamaguchi Natsuki

前職ではSEとしてスマートフォンゲームアプリや業務系webアプリの開発に携わる。2019年にLIGにジョインし、セブ拠点でテクニカルディレクターとして従事。産休・育休を経て復帰し、母親業をこなしつつ現在は上野本社にて鋭意勤務中。

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