AWSの勉強に役立ったおすすめ教材9選!効率的な学習法も紹介

AWSの勉強に役立ったおすすめ教材9選!効率的な学習法も紹介

Masaki Yamaoka

Masaki Yamaoka

Technology部の山岡です。AWS(Amazon Web Service)は、インフラの構築の際に用いられるクラウドサービスで、広範なユースケースに対応できることが魅力の一つです。

構築も手軽で、可用性も高くて、障害にも強い。AWSと調べると目に飛び込む文言として、素晴らしいメリットの数々があります。しかし実際に触ってみると……

「あれ、思っていたより設定値が多い……」
「手軽に構築できるにはできるけど、本当にこれでうまく動くの?」
「サービス数が多すぎて何から手をつけていいかわからん」

などなど、思いの外多くの壁があって、困惑されている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、AWS初学者様に向けて、学習ステップおすすめの勉強法初学者向けの資格についてご紹介します。「AWSってどうやって学習を進めたらいいの?」とお困りの方は、ぜひご覧ください。

AWSを効果的に学ぶための4ステップ

学習効果を高めるためには、どのような道筋で勉強を進めていくのか、あらかじめ見通しを立てておくことが大切です。そこで、AWSを効果的に学ぶための4つのステップについて紹介します。

1.クラウドの基礎知識を学ぶ

AWSの具体的なサービスに触れる前に、まずはクラウドサービスがどのようなものなのかについて、理解を深めることから始めましょう。

  • なぜ近年クラウドの需要が増えているのか
  • クラウドサービスを利用する上でメリットとデメリットはなにか
  • 類似サービスにはなにがあるのか

これらの知識を押さえておくことで、AWSの仕組みをより深く理解できるようになります。また、AWS技術の需要を客観的に整理することができるため、今後の学習モチベーションのアップも期待できるでしょう。

2.AWSの全体像を掴む

クラウドの知識について一通り概観を捉えられたら、次は具体的なAWSのサービス……の前に、AWSの全体像を把握することを意識しましょう。

AWSは現在200種類以上のサービスがあり、そのすべてを理解し使えるようにするためには、膨大な学習コストがかかってしまいます。また、実際にはそのすべてのサービスを使うということはほとんどなく、ユースケースに応じて少数のサービスを使い分けることが一般的です。

全体像を掴んでおくことで、「頻繁に利用されるサービスは入念に学び、稀にしか使われないサービスは概要だけを押さえておく」というように、学習の優先順位付けができるようになります。また、ユースケースに応じたサービス選定をするためにも、AWSでなにができるのかについて整理しておくことは非常に重要です。

3.個別のサービスについて深掘りする

AWSの全体像を掴んだら、次は個別のサービスを学ぶ時間です。

具体的な勉強法は後述しますが、AWSはサービスに応じて設定値の数や機能的な拡張性が大きく異なり、学習コストもまちまちです。特定のユースケースにのみ利用が可能なサービスもいくつか存在します。そのため、個別にサービスを勉強する際には、実際のユースケースや他サービスとの連携を意識しつつ、学習を進めるようにしましょう。

4.実践する

AWSスキルの習得は、学習と実践の繰り返しです。AWSではサービスごとにハンズオンチュートリアルが用意されており、基本的な設定についてはコンソール上で簡単に学ぶことができます。

しかしながら、ほとんどのユースケースに対応ができるような多様な構築が可能な点も、AWSの魅力の一つです。そこで、サービスの全体像を理解して(=なにができるのかを知って)、個別のサービスへの理解が進んだあとは、パズルのように知識を組み合わせて、環境構築の実践を進めましょう。

かゆいところに手の届くサービスにするかどうかは、どれだけベストプラクティスを知っているかどうかにかかっています。そのため、実践の機会は頻繁に設けることをおすすめします。

AWSのおすすめの勉強法と9つの教材を紹介

AWSには公式・非公式ともに、非常に多くの学習教材が用意されています。しかし「あまりに量が多すぎて、結局どれから手をつければいいかわからない……」という方も多いのではないでしょうか。そこで、学習を円滑に進めるための4つの勉強法を、参考教材も交えながらご紹介いたします。

AWSの公式の資料を見る

メリット 細かな仕様や最新のアップデート情報が網羅されている
デメリット 専門用語が多く、日本語化されていない記事も多い

AWSは、サービスの利用者向けのナレッジ公開に非常に力を入れています。学習者のレベルに合わせてさまざまな資料が公開されており、ほとんどの疑問は公式ページの中に答えがあります

しかしながら、日本語化されていない資料が多く、専門的な用語も多いため、初学者向きではないと感じる方も多いかと思います。

そんなときは、公式資料のどこを見れば欲しい情報が書いてあるのかについて整理をしておくだけでも、体系的に学習を進めることができます。「読んで良かった!」と思える記事があれば、ブックマーク機能などで整理しておきましょう。

以下にAWSの公式サイトをご紹介します。

教材①ハンズオンチュートリアル

Amazon Web Services (AWS) のハンズオンチュートリアル

AWSの各サービスについて、ハンズオン形式のチュートリアルをまとめたページとなります。各AWSサービスの構築方法や運用方法について学ぶことが可能で、さまざまなユースケースに対応している点も特徴の一つです。

教材②AWSドキュメント

Welcome to AWS Documentation

AWSの開発者向けドキュメントをまとめたページです。ハンズオンチュートリアルと比較して、各サービスの詳細な仕様について網羅的に紹介されている点が特徴です。文量が膨大なため、その全てを学習することは難しいですが、実際にサービスを構築する上での辞書代わりとして利用することが可能です。

技術系情報サイトを活用する

メリット 実際の開発事例に触れることができる
デメリット 情報が古くなってしまっている場合も多い

次に紹介するのは、非公式情報サイトを活用した勉強法です。エンジニアの方や多岐にわたるユーザーの残した実務に直結した知識を学ぶことができます。また、新しく登場した機能や、既存のサービスの仕様変更なども頻繁に紹介されているため、最新の情報を常にキャッチアップしたい方にもオススメです。

以下に私のよく利用しているサイトについてまとめましたので、ご紹介させていただきます。

教材③Quita

Qiita

Quita株式会社様の運営するエンジニア向け情報共有プラットフォームで、IT分野の多様な技術知識を実務ベースで学ぶことができるサイトです。初学者の方が書いた記事も投稿されていることから、自分と同じ知識ベースを持つ方の言葉でサービスを理解できる点も、魅力の一つです。

一方で、古い情報を紹介していたり、記事内容に一部間違いがあったりと、情報の正確性については自己責任で見極める必要があります。記事の最新更新日時やコメントで内容の指摘がないかなどを確認した上で、情報を取り入れるようにしましょう。

読んで良かったおすすめの記事を2つ紹介します。

  • 「AWSエンジニアロードマップ2023」
    AWSの学習ロードマップが紹介されている記事です。完全未経験者が3ヶ月でSAA資格を習得することを目標として、非常に細かい粒度で学ぶべき順序が示されています。「AWSを基礎から一つずつ学びたい!」という方におすすめの記事となっています。
  • 「本当のAWS基礎 昭和~平成~令和の時代の変遷システムの変化と今昔物語」
    AWSとは何かについて、インフラの歴史を辿りながら学ぶことのできる記事です。責任共有モデル「マネージドサービス」など、AWSに触れる上で必ず押さえておくべき用語が解説されており、「まずはAWSがどういうサービスなのか知りたい!」という方におすすめの記事となっています。

教材④DevelopersIO

クラスメソッド発「やってみた」系技術メディア | DevelopersIO

こちらはクラスメソッド株式会社様の運営する「やってみた」系のメディアサービスで、AWSのサービス紹介に特に力を入れている企業系Webメディアです。

企業運営ということもあり、情報の精度も高く、また最新のサービスや仕様変更についても頻繁に紹介されています。AWS入門ブログリレー2024では初学者向けにサービス概要の紹介がされていますので、興味のある方はぜひ一度ご覧になってください。

本や書籍で学ぶ

メリット 体系的に学習を進めることができる
デメリット 他勉強方法と比較すると情報が古くなる

最近では、AWSをより深く学びたい方に向けて書籍も多数出版されています。

体系的にAWSを理解することに重きを置いたものが多く、初学者に向けて噛み砕いた表現で説明されていることも多いです。また、公式ドキュメントや情報共有サイトと違い、「まずはこの一冊を読み終える」という明確な目標を立てやすいことも魅力の一つで、ふだんから本を読み慣れている方にはおすすめの勉強法となります。

一方で他の勉強法と比べると最新の情報のキャッチアップには適しておらず、仕様変更などがあっても反映されていないケースがあります。書籍を購入する際には「出版年月日」と「口コミ」の二つを確認するようにしましょう。

ただし電子書籍では情報が更新されている場合もあります。Kindle Unlimited(月額980円、30日の無料期間あり)では、一部のAWS書籍や問題集を追加料金なしで読むことができるので、お手軽にかつ体系的にAWSを学びたい方には、おすすめの勉強法となります。

以下に、実際に私が読んでみたおすすめの書籍をいくつかご紹介します。

教材⑤『いちばんやさしい新しいAWSの教本 人気講師が教えるDXを支えるクラウドコンピューティング』

AWSの全体像の解説やクラウド知識について学ぶことのできる教材で、Kindle Unlimitedで無料で読むことができます。

諸学者にもわかりやすい言い回しや図が多用されているため、AWSを一から学びたい方のニーズに応える内容となっています。

教材⑥『AWS認定資格 ソリューションアーキテクト-アソシエイトの試験対策から学ぶ!超クラウド入門書』

AWS認定資格の一つであるソリューションアーキテクト-アソシエイト(SAA)の対策教材で、Kindle Unlimitedで無料で読むことができます。

各サービスの設定値や試験に出されやすい知識について網羅的に解説してくれているので、実務に活きる知識を身につけることのできる内容となっています。電子書籍のメリットも活かして頻繁に更新がされていますので、最新の情報を取り入れたい方にもおすすめの書籍です。

教材⑦『AWSインフラサービス活用大全』

AWSによるインフラの構築と運用方法について広く解説されている書籍で、無料利用枠を用いたハンズオン形式で学べる一冊となっています。発売日も2024年2月28日と比較的新しく、最新の仕様に対応した教材であることも魅力の一つです。

購入者特典として、サービス構築時のサンプルコードも配布されており、クラウドフォーメーションについても学ぶことができます。

動画やオンライン講座で学ぶ

メリット 目と耳で学ぶため記憶に残りやすい
デメリット 自分のペースで進めづらい

AWSの需要が高まるに従って、動画による解説教材も近年増加傾向にあります。書籍での学習と同様に学習目安をつけやすく隙間時間を有効に活用してAWSに触れることができる点も魅力の一つです。

AWS公式YouTubeやオンライン学習サービスなど、さまざまなプラットフォームで魅力的な動画が上げられていますので、ここではいくつか抜粋してご紹介させていただきます。

教材⑧AWS公式YouTubeチャンネル

Amazon Web Services Japan 公式 – YouTube

AWS Japan公式の運営するYouTubeチャンネルで、初学者向きの解説動画から上級者向けのサービス紹介まで、幅広いニーズを満たすコンテンツが提供されています。

AWSが開催するAWS Summitのストリーミング配信などもおこなわれており、AWSがどのような目的で構築されたサービスなのか、今後どういったサービスを展開していく予定なのかについても触れることができます。

教材⑨Udemy

オンラインコース – いろんなことを、あなたのペースで | Udemy

Udemyは20万以上の学習コンテンツを配信するサービスで、IT分野に限らずさまざまなジャンルのスキルを身につけることができます。

AWSカテゴリーでは、初学者や資格習得を目標とした方に向けて学習コースが設定されており、動画や試験形式の問題でAWSサービスへの理解を深めることが可能です。コースごとに料金分けがされているため、自分の学習目的に合ったコースを選ぶようにしましょう。

初学者向けAWS関連の資格3選

資格の習得は、スキルの証明だけではなく、実務に必要な知識を学ぶ上でも重要なものです。AWSは、ユーザーのサービス理解度や運用スキルを測るために「AWS認定資格」を提供しており、学習の成果を証明したい、明確な目標を持って勉強を進めたいという方には、おすすめの指標となります。

ここではAWS認定資格のうち、初学者向けの資格を3つご紹介します。

AWS Certified Cloud Practitioner

AWSサービスの基本的な知識・用語を問われる資格です。認定資格の中でも最も習得難易度の低い資格として知られており、クラウドキャリアを構築したい方向けに設計されています。

AWS Certified Cloud Practitioner 認定 | AWS 認定 | AWS

AWS Certified Solutions Architect – Associate

AWSサービスに関する幅広い知識とスキルを問われる資格です。コストパフォーマンスに基づいた設計スキルの証明が可能で、Associate資格のうち、もっとも広範なサービス知識が求められます。

AWS Certified Solutions Architect – Associate 認定

AWS Certified Developer -Associate

AWSサービスの構築スキル・運用スキルを問われる資格です。問われるサービスの知識はSAAと比較して少ないですが、実務的な知識をより深く試される資格のため、ハンズオン教材などを活かしつつ習得を目指すことをおすすめします。

AWS 認定デベロッパー – アソシエイト認定

さいごに

AWSは実用的かつ魅力的なサービスですが、フル活用するためには、知識と技術の両方が重要となります。

本記事で紹介した学習ステップ勉強法は、絶賛AWSを勉強中の私が模索してきた中でも「これよかった!」を集めたものばかりです。AWSの技術をもっと身に付けたい方や、これからAWSを始めたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。一緒に頑張りましょう。

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Masaki Yamaoka
Masaki Yamaoka Technology / Technical Director / 山岡 正樹

Technical Directorチームに所属し、国内大手企業のシステム開発ディレクション業務に従事。AWSを中心としたクラウドサービスの活用に関心があり、最適なソリューションを追求している。大学院で農学の修士課程を修了後、2024年にLIGに入社。

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