もう迷わない!採用につながる情報発信術【イベントレポート】

もう迷わない!採用につながる情報発信術【イベントレポート】

Mako Saito

Mako Saito

こんにちは、LIGブログ編集長のまこりーぬです。

採用広報にお悩みのご担当者さま必見!

……なイベントが先日開催されたのをご存じでしょうか?

ベイジ枌谷氏・note徳力氏登壇!リアルに「採用」につながった「情報発信」事例を公開 ※4/11(火)13時開催

インバウンドリクルーティングを体現されているベイジ・枌谷さん、いまや採用広報ツールとして欠かせない存在となっている「note」プロデューサーの徳力さん、そしてLIGの3社で「採用につながる情報発信」をテーマにお話ししました!

参加できなかったというみなさまに向けて、今回の記事ではイベント内容の一部を大公開。後半のパネルディスカッションのトークをあますことなくお届けいたします。

  • 認知度の低い企業がとるべき採用戦略は?
  • 手間がかかる「社員インタビュー記事」を作る意義とは
  • 採用広報にKPIは必要?設定するならおすすめは?
  • 採用広報の媒体の選び方
  • 全社で採用広報をするために「社員を巻き込むコツ」
  • 採用広報の「最初の一歩」はどうする?

これから採用広報に力を入れていきたい、情報発信に課題を抱えているご担当者さまはぜひご覧ください。

登壇者

登壇者:株式会社ベイジ 代表 枌谷 力 氏1997年に株式会社NTTデータ入社。2001年にデザイナーに転職し、2つの制作会社でデザイナー、ディレクターとしての経験を積んだのち、2007年にフリーランスとして独立。2010年にベイジ起業。デザイナーとしてのキャリアを軸にしながら、BtoBマーケティング、UX、オウンドメディア、SNS、コンテンツ、経営、採用、キャリア、組織作りなど、様々なテーマで活動。2021年にはインフラ構築やシステム開発を手掛けるクラスメソッドのCDOにも就任。
登壇者:noteプロデューサー/ブロガー 徳力 基彦 氏NTTやIT系コンサルティングファーム等を経て、アジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの1人として運営に参画。代表取締役社長や取締役CMOを歴任し、現在はアンバサダープログラムのアンバサダーとして、ソーシャルメディアの企業活用についての啓発活動を担当。並行してnoteでは、noteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業におけるブログやソーシャルメディアの活用についてのサポートを行っている。個人でも、日経MJやYahooニュース!個人のコラム連載等、幅広い活動を行っており、著書に「顧客視点の企業戦略」、「アルファブロガー」等がある
登壇者:株式会社LIG マーケター 齊藤麻子(まこりーぬ)1992年生まれ。2014年九州大学芸術工学部卒業後に採用コンサルティング会社へ新卒入社。法人営業から新規事業推進、マーケティング業務に従事したのち、2018年にLIGへ。2021年にマネージャー、2023年にLIGブログ編集長に就任し、現在は自社のマーケティング、オウンドメディア運営に携わる。副業ではライターとして活動中。

情報発信の猛者が集結

まこりーぬ:まずは自己紹介と、どのような採用広報を行っているのかお聞かせください。

枌谷:ベイジではBtoBのサイト作成を強みにWeb制作事業を展開しています。30人ほどの会社ですが、そのほとんどが自社サイトから採用してきました。今でも月に100~140もの応募が自然と集まる状況です。

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枌谷:今回は、情報発信で会社を知ってもらう「インバウンドリクルーティング」の経験からお話しできればと思います。

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徳力:私は20年近くブロガーをしていまして、現在は企業にnoteを活用してもらう取り組みも精力的に行っています。個人向けのサービスとして始まったnoteですが、実はここ数年で企業が利用するケースが増えており、なかでも採用広報の一環として活用いただくことが非常に多いんです。

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徳力:私たちが企業の採用広報をお手伝いするときにいつも言っているのは、「まずは社員に向けたメッセージを書いてください」ということ。採用広報と聞くと「自分たちを知らない何千人に読んでもらう記事を書かなきゃいけない」と思っている方もいますが、そんなことはありません。

マーケティングの基本はコアなファンからアプローチすることであり、会社の一番のファンは社員のみなさんですよね。社員の方が読みたい、もしくは読んで面白い記事というのは、将来社員になるような人も読んで面白いと思うはずです。

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徳力:今回は、そのような採用広報におけるノウハウを紹介していければと思います。

まこりーぬ:最後に私たちLIGの採用広報についても少し紹介します。LIGは創業から16年間、LIGブログというオウンドメディアで積極的に情報発信をしてきました。Web制作会社として、Webディレクションやデザイン、技術開発系のノウハウを発信しており、その文化は今も根強く残っています。

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まこりーぬ:一方でLIGブログの認知度を大きく高めたのは、面白記事です。社員を砂浜に埋めたり、水中で麻雀をするといった記事を投稿したことで「面白いブログを運営している会社」というイメージを強く持ってもらうことに成功しました。

このLIGブログは、採用面においても強い武器となっています。「いつもLIGブログに助けられています」とクリエイターの方に好印象を持ってもらうことが多く、採用に有利に働くことが多々ありました。

しかし一方で、LIGブログが採用活動の足かせになっている面もあります。「LIGさんって楽しそうでイケイケの会社ですよね。私には文化が合わないかもしれません」と辞退されるケースが多いんです。今後、いかにイメージを変えていけるかが課題ですね。

認知度の低い企業がとるべき採用戦略は?

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まこりーぬ:はじめに「認知度が低い企業はどのような採用戦略をとればいいか」という質問に回答していければと思います。

枌谷:あまり有名でない企業が採用ブログを始めても、すぐに採用に影響を与えるような成果を期待できるわけではありません。そのため、一番手堅いのはWantedlyや求人サイトのような有料のメディアにしっかり投資することですね。

そこで自社を認知してくれた人を誘導して、より知ってもらうためのチャネルとして採用ブログなどを活用するのがおすすめです。認知度の低い会社は、そのように有料の求人サイトとの合わせ技を駆使していかないと認知を得るのは難しいと思います。

私たちが今ほど有名ではなかったころに「Web制作 採用」キーワードで検索表示1位を3年くらい維持していた時期がありました。しかし、それでも月に1人応募がくるかどうか。SEO対策だけで求職者を集めるのは難しいので、しっかり採用専門のサイトを使うのがおすすめです。

まこりーぬ:徳力さんはどうお考えですか?

徳力:どれくらいの期間で成果を求めるかによって、戦略も変わってきます。今年もしくは来年度の応募者を増やしたいなら、広告を打ったり、採用イベントに出展したりするしかありません。しかしその効果は一時的なため、毎年同じような施策を続ける必要があります。

もしも2年以上先を見越して、安定的な採用活動をしていきたいのであれば、オウンドメディアであれnoteであれ、採用メディアを始めるのがおすすめです。短期的には大きな成果が得られないこともありますが、地道にコンテンツを蓄積していけば、安定的に応募者を集められるようになるでしょう。

とくに最初に作って欲しいコンテンツは、ふだん面接で話している内容をまとめたもの。それを面接前に読んでもらえれば、これまで毎回10分ほど話している時間を節約できますよね。その記事単体で応募者を集めることはできませんが、すぐにでも面接を効率化できるというメリットを得られます。

まこりーぬ:会社によっては「面接前に読んでもらう記事セット」を作っているケースもありますよね。一回の面接を10分短縮できるとしたら、数百回の面接をして数時間分もの人件費を削減できるため、大きな効果があると思います。

手間がかかる「社員インタビュー記事」を作る意義とは

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まこりーぬ:採用メディアの鉄板企画である社員インタビューについて、お二人はどう考えていますか? 私たちも社員インタビューを作っているのですが「本当に成果に繋がるのかな」と疑問で。制作サイドだけでなくインタビューを受ける側にも負担をかけるので、続けていくべきか悩むときがあります。

枌谷:コンテンツ単体を見て「成果に繋がった/繋がらなかった」と評価するのはあまり意味がないと思っています。コンテンツにはそれぞれ「認知度を高めるもの」「応募・入社に繋げるもの」など役割がありますよね。

認知度を高めるコンテンツはトラフィックが多くても応募には繋がりませんし、逆に応募に繋げるコンテンツはトラフィックが少ないこともあります。つまり、目に見える直接的な効果だけでなくアシスト的な間接的な効果もあるので、数値だけを見て単純に評価できません。

おっしゃる通り、社員インタビューは手間がかかるわりに、トラフィックが伸びないため意味がないようにも見えます。たしかに効率的ではないかもしれませんが、効率性にこだわってコンテンツを作っている会社ほど、うまくいっていない印象があります。目に見える効果は少ないかもしれませんが、それでも私は社員インタビューは重要だと思いますね。

なぜなら、応募意向が高い訪問者が自分事化して、その会社への関心を高める可能性が高いコンテンツだからです。訪問の総数だけを見ているとわかりませんが、重要な役割を担うコンテンツになりえると思います。

まこりーぬ:たしかにメディア作りに成功している会社は、あまり効率性にこだわっていないかもしれませんね。しかし一方で、効率性を求めずにメディアを運営するには、経営層の理解を得たり、全体を見ながら運営する仕組み作りが必要で、余計に難易度が高いようにも感じました。

徳力さんはどうお考えですか。

徳力:枌谷さんの言うように、採用マーケティングには大きく「認知度を上げるコンテンツ」と「採用に繋げるコンテンツ」の2種類があります。そして、後者でもっとも効果があるのが社員インタビューです。

どんなに社員インタビューを公開してもバズることはありませんが、入社するか悩んだときに参考になるのは社員インタビューですよね。「この人と一緒に働いてみたい」と思ってもらうことで、求職者の方の背中を押してくれます。

一方で認知度を上げるコンテンツは、記事である必要はありません。広告でも認知度は上がりますし、SNSで趣味の投稿をして会社の認知度が上がることもあります。

しかしいくらSNSの投稿がバズっても、それだけでは入社には繋がりませんよね。人はやっぱり人が好きなので、採用広報をしていく上で社員インタビューは欠かせないと思います。

まこりーぬ:社員インタビューの重要性を感じた事例などがあれば教えてください。

徳力:たとえば飲料メーカーのキリンさんは、採用マーケティングを始めたころ、商品を中心にしたコンテンツを多く発信していました。しかし取り組みを続けていくなかで、商品を宣伝する記事よりも、その裏側の開発秘話が読まれていることに気づいたそうなんです。

それから社員インタビューなど人物にフォーカスした記事を上げることで、より成果が出るようになりました。「誰と働くか」を重視して転職活動をしている方は多いので、社員インタビューは欠かせないと思います。

採用広報にKPIは必要?設定するならおすすめは?

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まこりーぬ:採用広報のKPIについて、お二人がどう考えているか聞かせてください。

枌谷:私は「いわゆるKPI」は設定しないほうがいいと思っていますし、採用広報で成功している企業の中にはKPIを設定していない企業も多いです。採用広報で重要なのは継続すること。小手先のテクニックよりも、質の高い情報発信を続ける文化を作ることが成功の鍵だと思います。

加えて、KPIからブレークダウンして作った記事は単純に面白くないですよね。それよりも「こんなタイトルの記事だったら読みたいよね」と書き始めた記事のほうが、結果的に成果に繋がると思います。

まこりーぬ:私もメディアの成功企業様にインタビューする機会が多いのですが、枌谷さんと同じことを話している方が多い印象です。そういう会社は記事を書くことが社員教育に繋がると考えているケースが多く、さまざまな副次効果があるように感じました。

徳力さんはいかがですか?

徳力:枌谷さんの仰るとおりです。私から補足させてもらうと、成果を出している企業はKPIは設定していませんが、コンテンツ数の目標設定と進行管理をしているはずです。「今月は○本公開する」という目標に対して計画を立てることで、継続的な情報発信を実現しています。

それでもKPIがないと不安だという方もいるかもしれません。そのような方におすすめのKPIが「1年間の合計インプレッション」です。それなら「1記事の平均インプレッションが○○だから、何記事だそう」と計画を立てて、努力次第で達成できますよね。

もしも記事単体のインプレッションにフォーカスしてしまうと「なんで最近の記事はインプレッションが伸びないんだ」とプレッシャーになってしまい、継続するのが難しくなってしまいます。全体のインプレッションをKPIにしておけば、個別の記事で悩むこともありませんし、作成する記事数の目標を決める参考にもなるでしょう。

採用広報の媒体の選び方

まこりーぬ:採用広報をnoteですべきか、オウンドメディアですべきかという議論もよく聞きますが、お二人はどのように考えていますか?

徳力:結論から言うと、応募者が集まる媒体はすべて活用したほうがいいですし、自分たちが始めやすいところから始めたほうがいいと思います。

求職者はどこから来るかわかりません。Google検索経由で来るかもしれないし、SNSで目に止めてくれるかもしれない。だからこそ、応募者が集まる場所はぜんぶやったほうがいいですし、始めやすいところから始めればいいんです。

まこりーぬ:枌谷さんの考えも聞かせてください。

枌谷:私が採用広報をお手伝いしている会社に、強力なオウンドメディアを持っているのに、あえてnoteで採用広報を始めた企業があります。その理由は「手軽に運用できる」「すぐに始められる」という理由からでした。

媒体を選ぶ際は、とかく「トラフィックを集められるか」という観点で選びがちですが、運用のしやすさや、使いやすさも重要です。トラフィックだけでなく、どんな課題を解決したくて、どんなふうに運用していくかを考えると、適切な媒体が見えてくると思います。

まこりーぬ:お二人の話を聞いていると、目的に合わせて媒体を使い分けるのが重要な気がしてきますね。

LIGでは社員インタビューもノウハウ記事も、LIGブログにまとめて掲載していて、それが強みになっていました。しかし一方で、それぞれの目的に沿った成果を求めるなら、今後は媒体を分けて発信することも検討していこうと思います。

全社で採用広報をするために「社員を巻き込むコツ」

まこりーぬ:採用メディアを運営していく上で、社員を巻き込まなければならないシーンもあると思うのですが、そのためのコツがあれば教えてください。

枌谷:過去に社員を巻き込めずに失敗した経験があります。社員に自律的に記事を書いてもらうメディアを作ったのですが、半年もせずに更新されなくなってしまって。社員はみんな自分の業務を持っているため、仕事が忙しくなると記事を書いている時間がとれなくなったのです。

その経験から学んだのは、編集部が徹底的に管理すること。今も同じようなメディアを作っており、リーダーの私が「誰が、いつ、何の記事を書くのか」公開スケジュールを決めて管理しています。業務が忙しいときは公開日をずらすときもありますし、逆に業務をずらすなどして対応しています。

社員が自発的に記事を書く文化ができるまでは、編集部がそこまで徹底して管理することが重要だと思いますね。

まこりーぬ:私たちも同じように管理しています。記事がよくバズっていたときはみんな前向きに書いてくれていたのですが、メディアの露出が下がるにつれて、みんなのモチベーションが下がっていた時期があって。

そのときに立て直した方法が「誰がいつまでに何を書く」というリストを全社で公開すること。80人分くらいのスケジュールを立てて、提出しない人がいると周りから一目瞭然でわかりますし、マネージャー経由で催促の連絡をしていました。そのような取り組みを徹底して行ったところ、提出率が20%から100%に改善されました。

全社を巻き込むには編集部の強いコミットが必要になると思います。

徳力:お二人の話はとても面白いと思う一方で、それでも書きたくない人というのはいると思います。そんな人に無理強いしてしまうと、メンタルを崩しかねません。そのような場合におすすめなのが社員インタビューです。

インタビューすることで、その人の面白い面を引き出して「インタビューされてよかったな」と思われるクオリティの記事を作ってください。写真もしっかり撮ってあげて、家族に自慢したくなるような記事に仕立てるんです。

そうしていくうちに「自分もインタビューされたい」という人が出てきますし、なかには発信が得意な人も出てきます。そのような人にはSNSも組み合わせて発信してもらえるよう促していくことで、全社での発信が強化されていきます。

日本人は目立つのを恥ずかしがる方も多いので、まずは一人ずつ前向きな姿勢を増やしていくことが重要です。少しずつ盛り上がってくると、祭に参加したくなる人が現れるので、それまで辛抱強く続けてみてください。

採用広報の「最初の一歩」はどうする?

まこりーぬ:最後に、採用広報の最初の一歩を教えてください。

枌谷:まずは求人サイトに募集を出すなど、エントリーに繋がるところから始めるべきだと思います。転職サイトに最低限の採用サイトを用意して、そこで書ききれない情報は、後々オウンドメディアなどで補完させていきます。

私が支援している会社でも、たった7ページの最低限の採用サイトでもしっかり応募につながっている事例があります。まずは小さなサイトから作って、徐々に内容を充実させていけばいいのではないでしょうか。

徳力:枌谷さんの話に付け加えるなら、まずはオンラインでの情報発信に慣れることから始めるといいと思います。情報発信というと「大勢の人に読まれるものを書かなければいけない」と身構えてしまう人も少なくありません。

そんなにハードルを上げてしまうと負担になるので、まずは自分のメモでもいいので、Twitterやnoteで発信する。たとえば今日のイベントでの学びを発信してみるのもいいと思います。

いきなり「バズらせよう」と思うのではなく「誰にも読まれなくていいや」という気持ちで、まずは情報を発信することに慣れることから始めてみてください。

さいごに

LIGでは不定期に、コンテンツ制作やマーケティングに関するセミナーを開催しています。

今回のような採用広報にフォーカスしたセミナーをはじめ、「GA4移行」や「ChatGPT活用術」など最新のテーマを扱ったものまで、毎回マーケティングに携わるみなさまに役立つ内容です。イベント開催情報はLIG公式SNSでも発信しておりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

また、弊社LIGはお客様のオウンドメディア運用も支援しています。もし少しでもご興味があれば、事業紹介ページをご覧ください。

 
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Mako Saito
Mako Saito In-house Marketing / Manager / Marketer / 齊藤 麻子

1992年生まれ。2014年九州大学芸術工学部卒業後に採用コンサルティング会社へ新卒入社。法人営業から新規事業推進、マーケティング業務に従事したのち、2018年にLIGへ。2021年にマネージャー、2023年にLIGブログ編集長に就任し、現在は自社のマーケティング、オウンドメディア運営に携わる。副業ではライターとして活動中。あだ名は「まこりーぬ」。著書『デジタルマーケの成果を最大化するWebライティング』(日本実業出版社)

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