こんにちは、LIG広島のWebディレクター、玉城です。
Webマーケティングの手法として広く知られるLP(ランディングページ)。LIGでもこれまでにさまざまな企業さまからご相談いただき、多くのLPの制作をお手伝いしてきました。
今日は、ユーザーに“本当に刺さるLP”をつくるためのポイントについて、LIGの制作実績も参照しながら解説します。
目次
LPとは
LPとは、Landing Page(ランディングページ)の略称で、本来はユーザーが「最初に着地するページ」という意味。キーワード検索や広告からの流入でユーザーが訪問する入り口となるWebページのことをいいます。
Webマーケティングの世界では業界用語化していて、狭義では「ユーザーのコンバージョンを促す目的に特化して作られた独立したページ」をLPと呼びます。
この記事では、狭義の意味でのLPについて解説していきます。
LPの目的
LPの目的は、ユーザーの「購入」や「資料請求」「問い合わせ」といった購買につながる行動を引き起こすこと。マーケティング用語を使うと「コンバージョンにつなげること」です。
企業ホームページの場合、購買行動を引き起こす以外にも、その前段階となる「認知の獲得」や「イメージの向上」さらには「人材募集」など、さまざまな目的をもちます。また、オウンドメディアやECショップといった他のページに誘導する起点としての役割も果たします。
これに対し、LPは非常に明確なひとつの目的を達成するために制作するものといえます。
LPの特徴
LPには、コンバージョンの獲得という目的に特化するために、次のような特徴があります。
縦長1ページの構成
トップページにカテゴリを設けて複数のページで構成する企業ホームページとは異なり、LPは独立した縦長の1ページで構成されます。そのなかで、商品・サービスの特徴や利用するメリット、信頼性のアピール、費用感、対象となるユーザーが抱える悩みをどのように解決できるかといった内容を、セクションに分けて伝えます。
ちなみに、「対象となるユーザー」とはマーケティング用語でいう「ターゲット」のことですが、個人的にあまりこの言葉が好きではないので……この記事では「対象となるユーザー」「対象ユーザー」と表現します。
他ページへのリンクを貼らない
LPには、企業ホームページやサービスサイトといった他ページへのリンクは基本的に貼りません。余計な導線をなくすことで、「申し込む」「予約する」「資料を請求する」「問い合わせる」といったコンバージョンにつながる行動に誘導します。
簡潔な説明
LPでは、商品・サービスの情報をすべて細かく説明する必要はありません。想定する対象ユーザーが求める情報を、短い文章でわかりやすく説明し、写真やイラスト、グラフィックなどのビジュアルとともに伝えることで、ユーザーが離脱しない、没入感のあるページを制作できます。
LP制作の進め方
ここでは、LP制作の流れを簡単に解説します。
1. 事前設計
はじめにおこなうのが事前設計。ここがとても重要です。どんなユーザーを対象として、何を訴求していくのかをディスカッションして企画の方向性を定めていきます。
事前設計では次の3つがポイントになります。
とことん話す
私がLP制作のディレクションをするとき、クライアントの担当者さんとたくさんお話をして、商材のことだけでなく会社のスタンスや価値観も含めて理解することを大切にしています。それにより、企業側のビジネス感覚と消費者側の客観的な感覚を融合した企画の設計が可能になります。
あまりコミュニケーションがとれず、制作会社側に委ねられてしまうと、形式化した企画になってしまいがちです。コンバージョン獲得につながる最適なLPは、私たち制作会社とクライアントさんのコラボレーションではじめて実現できると考えています。
全方向ではなくある程度尖らせる
商材ごとに、対象となるユーザー像は複数存在します。
カップラーメンを例に出すと、食費を抑えるために購入する学生もいれば、空いた時間に自宅で手軽にお腹を満たしたいと考える人、常に新しくて刺激的な商品を探しているラーメンマニア、災害用の非常食として備える家庭など……。
LPを制作するうえでは、複数のユーザー像に向けた全方向的な企画にするのではなく、そのなかから対象を絞った企画にすることが重要です。全方向的な企画にしてしまうと、照準の定まらない当たり障りのないコンテンツになってしまいます。
対象のユーザー像を絞って訴求するポイントも削ぎ落とし、ある程度尖ったコンテンツにすることで、商材の価値が端的に伝わり、コンバージョンの獲得につながります。
コンバージョン率の目標を設定する
LP制作にかかわらず、コンテンツマーケティングの基本的な考え方として、しっかりと目標を設定することも重要です。
しかし「LPのコンバージョン率は●%を目指すべき!」といえるものではありません。商材の価格や見込まれるアクセス数を踏まえて経営的な視点でコンバージョン率の目標を設定しましょう。
過去にLPを公開している場合は、そのときの効果を検証することで比較して目標を設定できます。
2. 構成検討
事前設計で決まった対象ユーザーと訴求ポイントを踏まえて、LPのページ構成を検討していきます。
LPの目的は「コンバージョンにつなげること」であり、「ページを最後まで読ませること」ではありません。そのため、必ずしもストーリー立てて上から順番に説明する必要はなく、対象ユーザーにもっとも刺さる内容から並べ、各所に「申し込む」「予約する」「購入する」といったリンクを配置していきます。
3. ライティング・デザイン
決まった構成に従ってキャッチコピーや本文のライティングとデザイン作成を進めていきます。キャッチコピーは複数アイデアを出し、組み合わせたり並べ替えたりしていく場合もあります。
デザインもライティングと足並みを合わせ、コピーのイメージがビジュアルで伝わるように、イラストや写真、グラフィックなどを使って作成していきます。
4. コーディング
仕上がったページデザインをもとにエンジニアがコーディングをしてWebページを制作します。
5. 公開・効果測定
事前設計・構成検討・ライディング・デザイン・コーディングを経ていよいよLP公開!
しかし、これで終わりではありません。公開後にどれだけの人がサイトにアクセスし、どれくらいコンバージョンにつながったのかを分析し、効果を測定していくことで、次の施策に活かすことができます。
LIGでは、LPの制作だけでなく、効果測定やその後の運用までお手伝いすることも可能です。
LIGのLP制作事例
最後に、LIGがこれまでにご依頼いただいたLPの制作実績を2つご紹介します。
freee様
https://www.freee.co.jp/lp/kaigyou/04/
1つ目は、私がディレクションを担当したクラウド会計ソフト「freee開業」のLP制作事例です。
このLPでは、面倒な開業手続きに躊躇する個人の方を対象に、freeeを使えば簡単に、しかも無料で開業手続きができることを訴求しました。Webのリテラシーが高くない人でも、頭で咀嚼しなくても情報がスムーズに入ってくるように、文字数や漢字とひらがなのバランスまで、かなり意識しました。
結果として、リニューアル後の無料体験申し込み数125%、検索流入数113%を達成し、コンバージョン率は過去のLPを大きく上回ったと聞いています。
▼詳しくはこちらの記事をご覧ください もう伸びないと思っていたCV率が限界を突破できた理由とは。「freee開業」LP制作裏話
メンズリゼ様
2つ目は、男性の脱毛に特化した医療脱毛専門「メンズリゼ」の事例です。こちらはディレクションは別の方が担当し、私はアシスタントとして関わりました。
最初に相談を受けたとき、以前制作していたLPは、形式化された全方向向けのコンテンツで、あまり効果が得られていなかったというお話でした。そこで、事前設計でディスカッションを重ね、想定する対象ユーザーを2パターンに絞ったうえで、それぞれに向けたLPを制作しました。
パターン1
https://www.mens-rize.com/hige/lp/02/
対象ユーザー:全身脱毛を考えてサービスの比較をしている30代
訴求ポイント:「サービスを比較したい」と考えているユーザーに向けて、メンズリゼの特徴や他サービスとの違いをアピール。ゲーム全盛の世代である30代後半の男性を意識してRPGゲームの世界観を表現し、ストーリーのなかで「読ませる」ことを意識
パターン2
https://www.mens-rize.com/lp/body_fs/
対象ユーザー:オシャレの一部として少ない金額で部分的な脱毛に興味をもつ20代
訴求ポイント:手頃なプランでライトにはじめられる部分脱毛という選択肢があることを訴求。モデルを起用して撮影したスナップ写真を交えながら雑誌風の世界観に仕上げ「脱毛はファッションの一部」という価値観を伝えた
メンズリゼの事例では、異なるコンセプトで2つのLPを公開することで、その後の効果検証にも役立っているようです。
さいごに
コンバージョンに直結する、“本当に刺さるLP”を制作するためには、事前設計をしっかりと行って対象ユーザーの仮説を立て、訴求ポイントを洗練させていくことが重要です。
また“尖ったLP”を制作することは、その後の効果検証をしやすくするという点でも意味があります。
よく見るありきたりなLPではなく、本気でコンバージョンにつながるコンテンツの制作を目指す方は、ぜひLIGにお問い合わせください!
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