はじめまして、ライターの廣田です。
今回はテレビやメディアにたびたび取り上げられている話題のレンタルオフィス「アントレサロン」を取材して欲しいという依頼がありました。
レンタルオフィスといえば、1つの建物(フロア)を複数のスペースに分け、利用者がそのうちの1つをレンタルして使用するオフィス形態のこと。賃貸と比べて初期費用が安く抑えられる、オプションで会議室など様々な設備が使える、法人登記や住所利用も可能など、様々なメリットがあります。
どうやらアントレサロンは普通のレンタルオフィスと異なり、起業支援の手厚さで有名なのだとか。実は、僕自身もライター業に加えて美術品のECサイトを立ち上げたいと考えており、さらにはコロナ禍を機に都内から湘南に移住したので、都内のワークスペースを探していたんです。
ただし、僕はコワーキング&ノマドマスター(自称)。独立して以来、全国各地のコワーキングスペースを頻繁に利用しており、話題の施設を取材したことも一度や二度ではありません。最近は仕事の先輩と一緒に、フォトスタジオ付きの事務所も借りました。
つまり、この手の物件に対してちょっと目が肥えている自信があるのです。果たして、アントレサロンは僕のお眼鏡にかなうのでしょうか。
廣田 俊介 ライター、編集者。ライフスタイルとカルチャー全般をフィールドに、雑誌・ウェブ・広告・カタログを制作・執筆している。 |
アントレサロンってどんなレンタルオフィスなの?
今回訪れたのは、「新宿アントレサロン」。新宿駅から徒歩8分、新宿三丁目駅から徒歩1分の立地にあるビルの2階から6階までを利用しています。
ご案内していただくのは、アントレサロンの運営元である銀座セカンドライフ株式会社の野沢さんです。
銀座セカンドライフ株式会社 野沢 広海さん 福祉系資格学校での勤務を経て、銀座セカンドライフ株式会社に入社。店舗運営や交流会関連の業務に加え、起業支援相談も担当するマルチプレイヤー。 |
廣田:今日はよろしくお願いします! まずはアントレサロンの特徴を教えてもらえませんか?
野沢:では、施設をご案内しながらお話しますね!
▲2階の受付。アントレサロンのスタッフが常駐していて、来客対応や郵便物の受け取りも行ってくれる
野沢:弊社は起業支援事業から始まり、今年で創立15年目を迎えました。レンタルオフィスは創業2年目からスタートし、現在は10拠点14店舗を運営しています。
廣田:店舗数が多いんですね!
野沢:銀座、東京駅、赤坂、新宿、渋谷、池袋、横浜、桜木町、川崎、大宮と都内近郊が主で、いずれも駅から徒歩すぐの場所に店舗があるのも特徴です。
スタートアップ企業や個人事業主を中心に2022年10月現在で約1.2万社に利用いただいています。20代の若手起業家から定年を迎えたあとに起業したベテランの方まで、利用者の年齢層も幅広いです。
▲レンタル制の会議室。新宿店では8名利用の会議室を2つ用意しており、1時間1,000円で利用可能(予約制)
廣田:アントレサロンの会員には、どのようなプランがあるんですか?
野沢:バーチャルオフィスプラン、フリーデスクプラン、個室プランの3タイプをご用意しています。それぞれの特徴は以下の通りです。
バーチャルオフィスプラン | フリーデスクプラン | 個室プラン | |
---|---|---|---|
月額基本料金(全店舗共通) | 3,800円 (税込4,180円) |
9,505円 (税込10,455円) |
50,000円〜 (税込55,000円〜) |
基本セット(※) | ◯ | ◯ | ◯ |
各店舗のフリーデスク利用 | – | ◯ | ◯ |
オープンラウンジ利用 | – | ◯ | ◯ |
個室利用 | – | – | ◯ |
※基本セット……来客の受付対応、事務所住所としての利用、法人登記、郵便物受け取りの4サービスのセット
廣田:え!? フリーデスクプラン、相場よりかなり安くないですか? 一般的なところだと月額20,000円はかかると思うのですが……。
野沢:起業を目指す人が創業期で一番削りたいのは賃料などの固定費です。私たちは起業支援事業も行っていますので、利用者の気持ちに寄り添うべく、料金は低めに設定しています。
各プラン最低6ヶ月の契約が必要ですが、途中でプランの変更も可能。敷金・礼金もかかりません。
▲3階には広々としたオープンラウンジが。来客対応や打ち合わせをしたいときに便利
廣田:Wi-Fiも完備しているし、ビジネスに必要な設備が一通りそろっていますね。
野沢:別料金で複合機やロッカー(月額制)の利用も可能です。
廣田:複合機もあるんですね。僕の場合は取材のときに大量に資料を出力するので、複合機があるかどうかは重要なんです。近所のコワーキングスペースに行ったら家庭用プリンターしかなくて、印刷代がめちゃくちゃ高かった……、ってこともありました。
野沢:アントレサロンの利用者にも、営業先でもらった資料が重たくて持ち運ぶのが大変という方がいますね。フリーデスクプラン会員、個室プラン会員なら全店舗のフリーデスクや設備が使い放題なので、最寄りの店舗に立ち寄って複合機で全部スキャンし、原本はシュレッダーで破棄するといった使い方もできます。
廣田:それは便利! 取材先で時間が空いたときに、毎回現地でコワーキングスペース探して入会金を払って登録するのはメチャかったるいですしね。
野沢:(いつまで手を広げてればいいんだろう……)
▲5階と6階はワンフロア丸ごとフリーデスク。もちろん、各席電源も完備
▲5階は私語や電話・会議禁止で、6階のデスクは電話やウェブ会議OK。利用目的によって使い分けられるのが嬉しい!
廣田:ちなみにフリーデスクの空き状況はどんな感じですか?
野沢:店舗によりますが、日中のコアタイムでもおおよそ6割〜7割のほどの利用率です。「せっかく来たのに作業場所が無い!」ということはまず発生しません。
廣田:一般的なコワーキングスペースだと、フリーデスク1日使い放題のドロップイン利用で2,000円くらいしますし、ここなら月に5回使えば元が取れますね。
セミナーや交流会も多数開催! アントレサロンの交流会に参加してみた
アントレサロンは交流会やセミナーも多数主催しており、今日は新宿アントレサロンで開催される交流会にも参加することになっています。一通り施設を紹介いただいた後、交流会についても聞いてみました。
廣田:交流会にはどういった方が参加されるんですか?
野沢:起業家の方を中心に、様々な業種・年代の方にお集まりいただいています。参加者の情報は弊社が事前にチェックしているので、安心して参加いただけますよ。レンタルオフィスの会員の方以外でも参加できるので、廣田さんも気兼ねなく楽しんでください。
廣田:実は交流会の類に参加するのが初めてなので、ちょっと緊張してます……。
交流会はほぼ毎週いずれかの店舗で開催していて、HPから事前予約して参加します。今回は新宿アントレサロンの3階セミナールームが会場で、18名が参加する予定だそう。
まずは受付をして体調チェックシートを記入。
野沢:感染症対策もしっかり行ったうえで開催しています。アルコール消毒はおかわりがたくさんあるので、好きなだけ消毒していってください!
徐々に参加者が集まり始め、交流会の開始時間に。まずは野沢さんからアントレサロンや交流会について紹介があり、一人1分の自己紹介タイムに移ります。
世の中には開始時間になったら即フリートークという交流会もあるそうです。個人的にはアントレサロンの交流会のように、自己紹介タイムがあるほうがいいですね。参加者の情報を把握できていると話も弾みそうですし。
と思ったのですが、フリートークになった瞬間にひとり取り残されるわたくし。思ったよりも皆さんアグレッシブなので、お目当ての人がいたらダッシュするぐらいの気持ちのほうがいいかもしれないです。
とはいえ、だいたい5〜10分程度で会話はひと段落するので、ご安心を。野沢さんにもサポートいただきつつ、参加者の皆さんと楽しく交流できました。
せっかくなので、交流会の印象について参加者の皆さんに話を聞いてみることに。
まずお話をうかがったのは、尾前損害調査オフィス株式会社の羽角雄基さん。
廣田:こんにちは。お仕事の内容と参加理由について、お話を聞かせてください。
羽角:業務内容は火災保険の損害調査で、いわゆる保険金のもらい残しがないかどうか検証とコンサルティングをする仕事です。不動産オーナーと繋がるのが仕事の第一歩なので、様々な交流会に顔を出させてもらっています。
廣田:アントレサロンの交流会の印象は?
羽角:他の交流会よりも会社代表の方が多いので、決定権を持っているため仕事の話もスムーズに進みますね。またセカンドキャリア層も多いので不動産を所有している人が多く、私の仕事にマッチしています。
廣田:今回が初参加ですか?
羽角:いえ、以前も参加しましたが、今日は初めてお会いする人ばかりです。この交流会は新顔と常連さんのバランスがいいですね。
廣田:なるほど……! そもそも保険の損害調査という仕事の存在自体知りませんでしたから、確かに見聞が広まった気が。こうやって異業種のことを知るにつれ、新しい仕事のアイデアや新しい需要に気づくのかも。ありがとうございました!
続いてお話を伺ったのは、有限会社種屋の橋本勝彦さん。名簿によると「営業の不安解消コンサルタント」だそう。業務内容は一目瞭然ですので、参加理由を訊ねてみましょう。
廣田:この交流会ならではの特徴ってありますか?
橋本:起業予定や起業直後の方がたくさん参加しています。今後の営業に関する不安を抱えている人も多いでしょうから、私のスキルが役に立つと思っています。
廣田:交流会での出会いが仕事の役に立ったことはありますか?
橋本:もちろん。ここで知り合った人にセミナーに参加していただいたこともありますし、個別相談の依頼を受けたりしたこともありますよ。
廣田:直接仕事につながるチャンスもあるんですね。お話いただきありがとうございました!
ちなみに後日、橋本さんからは直筆のお礼状が自宅に届いておりました。さすが……!! ちょっと感動したので、僕も機会があれば真似してみようと思います。
そのほか、顔出しNGという方にもお話を聞いたところ「ひとつのテーブルに数人が座って20分ぐらいでメンバーを入れ替えていく方式の交流会より、アントレサロンのようにフリートーク形式のほうが良い」という声や「このぐらいの規模感がひとりの人としっかり話せて好き」という声も。
僕自身も初めて交流会に参加しましたが、初めて異業種交流会に参加するという人にも自信をもっておすすめできます。
初めての起業でも安心! アントレサロンの起業支援サービスを紹介
交流会でお話を聞いていると、やはり起業を支援してくれる人が身近にいると心強いなとあらためて思いました。そういえば、施設を紹介してもらっている際に「アントレサロンは起業支援事業を行っている」というお話がありましたね。なんでも、起業に必要な事業計画作成のサポートをしてくれたり、融資や補助金の手続きについても相談に乗ってもらえるそうです。
僕もEC事業を立ち上げたいと思いつつ、寝かしっぱなしになっているのが現状……。そこで事業を立ち上げるべく、交流会のあとにふたたび野沢さんにお話を聞いてみました。
起業支援の専門家によるセミナー&個別相談
廣田:さきほどお話にあがった起業支援について、もう少し詳しく聞かせてください。起業支援といえば、個別面談や資金計画書や事業計画書の書き方指南や添削、勉強会やセミナーの開催などが多いですが、アントレサロンさんの場合は?
野沢:廣田さん。
廣田:はい?
野沢:いま挙げた内容は全て網羅しています。
廣田:なんと!想像以上の回答でした……!
野沢:起業にあたってなにから始めればいいか分からないという方の場合は、弊社が開催しているセミナーに参加いただくのがおすすめです。自分ができること、やりたいことをあらためて棚卸しし、起業までの具体的なイメージをつかんでいただきます。
▲セミナーは現在オンラインで開催中。アントレサロンを運営する銀座セカンドライフ代表取締役・片桐 実央氏が講師を務めることも。
野沢:希望者には個別面談による起業相談も受けています。面談を担当するスタッフは全員が起業支援の専門家で、相談料金は一切かかりません。
廣田:個別面談ってコンサルティングやファンドの世界で活躍してきたっぽい感じの仰々しい肩書きの人を相手に、有料で個別相談するケースもありますよね。僕の場合はもっとライトな副業感覚で別事業をはじめたいだけなので、アントレサロンさんだと気軽に相談できそうです。
かゆいところまで手が届く、充実の事務サポート
廣田:会社を設立するためには色々な書類が必要じゃないですか。僕、ぶっちゃけ書類仕事と金勘定と役所対応がなによりも嫌いなんです。
野沢:ご安心ください。面倒な事務手続きも、すべてサポートしています。たとえば株式会社の法人登記を弊社に依頼すると、弊社報酬8万円(税別)+実費で総額30万円ほど掛かります。アントレサロンの会員になれば、弊社報酬を半額の4万円(税別)でご依頼いただけます。
廣田:それはお得! 自分でやると、定款に何を入れたらいいか分からないし、何度も法務局に確認しに行ったりと、とにかく手間がかかるんですよね。
野沢:あとは電話番号の発行から印鑑の用意まで、会社設立にまつわる細々した業務のサポートもしています。
廣田:かゆいところまで手が届きますね。僕も今は個人事業主なんですが、法人化を真剣に検討したくなりました……! ちなみに、僕の場合は株式会社と合同会社のどちらを選ぶべきですか?
野沢:廣田さんの場合はライター業なので堅苦しくない職業ですし、個人の信頼関係でお仕事を獲得していると思います。
廣田:おっしゃるとおりです。
野沢:クライアントからしても、株式会社か合同会社かという観点だけで仕事の依頼先を決めないでしょう。ですから、設立コストを抑えられる合同会社がおすすめです。
廣田:なるほど……。こんな感じで相談に乗ってくれるわけですね。
野沢:まさしくその通りです(笑)。
行政の支援を積極的に活用!
野沢:また、弊社代表の片桐は行政書士です。法人登記に関する相談や依頼も得意中の得意で、行政の支援制度を効果的に活用しつつ起業できる点が最大の特徴です。
廣田:と、いいますと?
野沢:たとえば銀座店と渋谷店は東京都のインキュベーション施設に認定されていて、利用者は一定の条件を満たすことで東京都中小企業振興公社の「創業助成金」に申請できます。
こちらは創業5年以内であれば300万円を限度に必要経費の一部を返済不要で調達できる助成金制度です。
廣田:え、そんな制度があるんだ。知りませんでした。
野沢:そのほかにもアントレサロンは市や区が実施している「創業支援等事業計画」に入っているので、会員は条件を満たせば法人設立時の登録免許税が半額になる制度を利用できたり融資を受けやすくなったりと、様々な支援を活用できます。
さきほど弊社に株式会社の設立サポートを依頼した場合、総額で約30万円ほどかかるとお伝えしましたが、この制度を利用すれば最安で16万7000円で設立可能なんですよ。
廣田:こうした補助金や制度の情報って、調べないと分からないものばかりですもんね。教えていただける人がいることがこんなにもありがたいとは……!
オフィスを借りて起業相談もしたい人はアントレサロンへ!
今回、半日ほど見学させていただいて「独立した直後にアントレサロンと出会っていれば良かった!!」というのが正直な感想。
オフィスの賃料はもちろん、書類仕事など会社立ち上げ時の時間・金銭コストを抑えて起業支援してくれるアントレサロンは、僕のようなノマドワーク中心の個人事業主にピッタリ。
独立当初は仕事の相談できる相手がいないものですが、アントレサロンはアドバイザーが常駐しており、相談できる環境が整っているのも心強いです。
新しい働き方や事業を考えている人は、ぜひ一度足を運んでみては?