デザインの指示を出す際にWebディレクターが気をつけているポイント

デザインの指示を出す際にWebディレクターが気をつけているポイント

Kenichiro Harashima

Kenichiro Harashima

こんにちは、Webディレクターの原島です。

私はふだん、お客様、デザイナー、エンジニアとチームになり、Webサイト制作のプロジェクトを進めています。

Webディレクターは、お客様と制作メンバーの間に入ってコミュニケーションをとることが多い職種です。Webディレクターがいかにスムーズに齟齬なく、密にコミュニケーションを取れるかが、プロジェクト成功の肝になってくると考えています。

今回は、コンセプトづくりの段階からなにかとやりとりの多い、デザイナーとのコミュニケーションについて書いていきます。

より良いクリエイティブを作るために気をつけているポイントを、以下のようにデザイン前後の段階に分けてご紹介していきます。

  • 【デザイン前】デザイン指示を出す際のポイント
  • 【デザイン後】デザインフィードバックをする際のポイント

Webディレクターの役割

まずWebディレクターの役割についてご説明します。簡潔に表現すると、お客様が実現したい目標ややりたいことがあったときに、Webディレクターは目標達成を監督する立場にあると思っています。

建築に例えると、家の土台づくりから内装外装まですべて監督し、お客様へ受け渡すところまで見届ける立場です。

家づくりはひとりではできず、効率的な家事動線を考えて設計を行う人、夏は涼しく冬は暖かい屋根や壁を作る人、好みのデザインの内装を形にする人など、それぞれ専門の業者に依頼します。Webサイト制作の場合はデザイナーやエンジニア、必要に応じてカメラマンや動画クリエイターをアサインします。

Webディレクターは、チームの誰がどのように動いて制作を進行していけば、より円滑に進みお客様が求める品質のものをお渡しできるかを考え、監督する立場です。また、監督といっても上から指示を出すのではなく、制作メンバーと並走してプロジェクトを進めていきます。

【デザイン前】デザイン指示を出す際のポイント

Webサイト制作のプロジェクトでは、ワイヤーフレームの作成が終わり、コンセプトを作るところから実際のページを制作していく過程で、ディレクターからデザイナーへ指示を出す場面が多くあります。

ここからは、デザイン前における指示を出す際のポイントについてご紹介します。

ターゲットと意図、目的など要件をしっかり伝える

お客様からの要望や要件はしっかりと伝えるようにしていて、とくにターゲットと意図・目的は正確に伝えるようにしています。

たとえばメインビジュアルであれば「ターゲットがはじめてページを訪問したときに、どういう印象を持ってほしいか」「最初にどの場所を見てほしいか」は重要なポイントとなります。なので、誰になにを訴求するのか、画面で一番大事なものはなにかという優先度を伝えるようにしています。

このとき、デザイナーから「本質はここだと思うから、こうしたほうがいいんじゃないか」など逆提案をもらうこともあります。互いに提案をしてブラッシュアップすることで、より良いものを制作できると思っています。

デザインの主導権はデザイナーに握ってもらう

お客様からの要望や要件はしっかりと伝えたうえで、デザインの裁量についてはデザイナーに任せるようにしています。

今回も家づくりに例えると、どれぐらいの大きさでどんな素材の家をどんな流れで作るのか、お客様と議論をしながら大枠はディレクターが決めますが、そこから細かいレイアウトについてはデザイナーに考えてもらうようにしています。

お客様から「光がたくさん入る家にしてほしい」と要望があった場合、光にも自然光やライトニングなど種類があります。また、窓から光が差し込むようにするとしても、たくさん光が差し込むように大きな窓にするのか、窓の数を増やすのか、はたまた窓の向きはどうするのかなどたくさんの選択肢があります。ディレクターはお客様に「なぜ光がたくさん入ってほしいのか?」ということをヒアリングし、どのように目的を達成するかについてはデザイナーに考えてもらいます。もちろん、一緒に考えることもあります。

実際に、デザイナーに広く裁量をもたせたことによってお客様に喜んでいただけた例もあります。過去にLP(ランディングページ)を作るプロジェクトで、デザイナーから「サイトの軸を作るためにキャラクターを作りたい」という提案がありました。実際にお客様にご提案し作ったところ、かなり気に入っていただき、Webサイトにとどまらず今でもそのキャラクターを使っていただいています。これはデザイナーに任せたからこそ生まれたアイデアです。

LIGのWebディレクターは共通して、要になる情報を伝え、デザイナーに創造性を発揮できる余地を残しています。こうすることでチームでより良いクリエイティブを作ることができます。

【デザイン後】デザインフィードバックをする際のポイント

デザインが完成し、お客様にデザインを提案する前後にフィードバックをする機会も多くあります。デザインフィードバックにおいて気をつけているポイントをご紹介します。

指示を出したときの意図と相違ないか確認する

デザイン指示を出したときに伝えた意図と、あがってきたデザインに相違がないかを確認します。

相違があった場合でも、なぜそうしたのかというデザイナーの意図を聞き、理由に納得できたらそのままお客様に提出することもあります。「ターゲットを考えるとこういう見せ方のほうが要件をクリアできるのではないか」というデザイナー視点のアイデアもあったりするので、慎重に対応するようにしています。

また、最初に決めた要件に合致したデザインを提出しても、お客様のほうで「なにか違う」というフィードバックをいただくこともあります。その際はデザイン全体なのか、文字のサイズ感なのか、選んだ写真の雰囲気なのか、どこが思ったものと違ったのか深堀りしてヒアリングをおこないます。言語化できない場合でも、参考デザインなどでお客様とのイメージをすり合わせるようにしています。

ネガティブなことだけでなくポジティブなことも伝える

フィードバックというと、どうしても修正などネガティブな内容になりがちですが、ここがよかったというポジティブな感想も必ずセットで伝えるようにしています。

Webディレクターは監督のような存在だとお伝えしましたが、自分が想像していたアウトプットよりもよいものがあがってきた場合は、そのことを必ず伝えます。またディレクターのみ参加している場でお客様からデザイナーやエンジニアのアウトプットをお褒めいただいた際も、伝えるようにしています。ポジティブな意見もネガティブな意見もお客様と制作側で共有することで、プロジェクトに一体感が出ると考えています。

テキストではなく直接話すようにする

簡単なテキスト変更など、間違えようがないときはテキスト上でコミュニケーションをすることもありますが、そういった簡単なものを除き修正をお願いしたい際には、必ずミーティングを組んで、デザイナーと話すようにしています。

テキスト上ではニュアンスがうまく伝わらず、間違えて伝わってしまって無駄な修正が発生してしまうとWebディレクターの責任なので、認識のずれがないようにコミュニケーションをとっています。

さいごに

今回の記事では、ディレクターがデザイナーとのコミュニケーションで意識しているポイントについてお伝えしました。

LIGでは日々プロジェクトの成功のために、制作メンバーとお客様側で認識のずれが起こらないよう、コミュニケーションをとっています。Webサイト制作やリニューアルをご検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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デザイン事務所にてセールス兼ディレクターとしてキャリアをスタート。2018年、WebディレクターとしてLIGに参画。コーポレートサイトやプロダクトサイト、大規模サービスサイトなど、様々なWeb制作案件にて、ディレクター兼プロジェクトマネージャーとして従事。

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