Webサイト多言語化サービス「WOVN.io」って翻訳会社やほかのツールと何が違うの?運営会社に突撃

Webサイト多言語化サービス「WOVN.io」って翻訳会社やほかのツールと何が違うの?運営会社に突撃

Hiroyuki Kikuchi

Hiroyuki Kikuchi

こんにちは。LIGのテクニカルディレクターのおきくです。

最近、多言語対応するサイトが増えたり、ブラウザの翻訳機能が使えたりなどで、言語の壁はあまり感じられなくなりましたね。ですが、その翻訳精度には差があります。Webブラウザの翻訳機能が勝手に動作し、「おかしな日本語」が表示されることも。それがフフッと思わず笑ってしまうこともあるのですが、せっかくであれば、そのサイトに書かれていることを正しい日本語で読みたいなと常々感じていました。

これは海外の人にとっても、同様の悩みですよね。日本語は海外の人にとっては修得するのが難しい言語と言われているので、せっかく日本の企業やサービスに関心を持ってもらっても、そのページが正しく読めなければ、その魅力の伝わり方も半減してしまいます。

そんな中、Webサイト翻訳を圧倒的に行いやすくするということで今、さまざまな企業が採用しているのが、Wovn Technologiesが提供するWebサイト多言語化SaaS「WOVN.io」です。

前の記事では、いろいろな翻訳サービスを比較し、WOVN.ioの優れた点が見えてきました。今回は、運営会社に突撃し、WOVN.ioとはどんなサービスなのか。またほかの翻訳サービスと何が違うのかなど、その実態に迫ってみたいと思います。

WOVN.ioの運営会社Wovn Technologiesに潜入

さっそく、Wovn Technologiesのオフィスがある青山にやってきました!

Wovn Technologiesは2014年設立と、まだ設立から10年にも満たないベンチャーながら、三菱UFJ銀行や三越伊勢丹、川崎重工(KHI)、立教大学などをはじめ、すでに18,000サイト以上で導入されているんです!

実際、WOVN.ioのHPに飛ぶと、右下に日本語とEnglishの切り替えがあります。Englishを選択すると、英語のページに切り替わります。これをあっという間に実装する、WOVN.ioについて、もっと詳しく聞きたい!

(実は、のちほどの説明でわかったことですが、日頃、英語で表示している人は選択をすることなく英語のページが表示されるんです。すごいですよね!)

入口から見えるオープンスペースでは、多言語化サービスを提供するだけあって社員さん同士の会話の中でも日本語、英語以外の多言語が飛び交っています。

おお、会社もグローバル……!

おきく:お邪魔します!

森山:お待ちしていました。

Wovn Technologies 森山真一さん

総合商社にてERPパッケージシステムの導入・運用、R&D業務などに従事。その後、リクルートグループにて機械学習技術を活用した新規事業プロジェクトに初期メンバーとして参画。事業開発・顧客データ分析・商品企画等を手掛ける。2021年1月Wovn Technologiesに入社。マーケティング責任者として、WOVN.io導入を推進している。

WOVN.io公式サイト:https://mx.wovn.io/

WOVN.ioってどんなサービスなの?

おきく:よろしくお願いします! まず、WOVN.ioというサービスについて教えてください!

森山:一言でいうと、Webサイトをいろいろな言語に変換できるSaaSです。特徴は、今あるサイトを英語や中国語に変換して終わりではなく、コンテンツが追加されるたびに、それを自動的に吸い上げて、翻訳したい言葉に変換して表示できること です。

おきく:基本は、企業向けに提供されているソリューションなんですよね。

森山:そうですね。コーポレートサイトやECサイトで使われることが多いですね。とくに増えているのが、ECサイトです。EC市場は拡張傾向にありますが、日本だけを見ると少子高齢化により、購買力が減っています。そのため日本のEC事業者は海外に打って出ようとしているのです。そこで必要になるのが、翻訳です。ECサイトは非常にページ数やコンテンツ数が多い。中には100万ページもあったりします。それをいちいち、翻訳会社に頼むと、ビジネスとして破綻してしまう。そこでWOVN.ioを導入するというケースです。

また、SaaSプロダクトなどに組み込まれるケースも増えています。他にも、API連携が必要にはなりますがデータベース内のテキストデータや、社内のイントラネットを翻訳するなど、WOVN.ioはいろいろな使い方ができるSaaSなんです。

おきく:なるほど。先ほど、追加したコンテンツも自動的に吸い上げて翻訳するという話がありましたが、動的コンテンツの翻訳もできるんですか?

森山:たとえば、ECサイトのリコメンドなどですよね。もちろん、WOVN.ioなら多言語化して表示できます。もう一つ、重要な特徴があります。ECサイトの場合、個人情報などは私たちSaaS提供側に知られたくないですよね。個人情報など知られたくない情報は、吸い上げないようにするという設定ができるようになっています。

おきく:情報漏洩の対策も、ちゃんと施されているんですね。

WOVN.ioを使うと数分で多言語化が完了するってどういうこと?

おきく:WOVN.ioを使うと約5分で多言語化が完了するという話ですが、それって本当ですか? というか、どんな仕組みで簡単に多言語化ができるんですか?

森山:本当です! WOVN.ioの導入は、1行のコードをWebサイトのHTMLに埋め込むだけで多言語化が完了します。この作業を5分で完了と言っています。

どんな仕組みかとても簡単に言うと、1行のコードをHTMLに埋めると、WOVN.ioのサーバーがHTML内のすべてのテキスト情報を吸い上げて、サイトに表示されているテキストデータに対して機械翻訳をかけ、ユーザーのアクセスがあればそれを表示するという処理をしています。しかもWOVN.ioは、ユーザーが言語切り替えボタンを押さずとも、普段使っている言語を最初から表示することもできるんです。

導入方式は次の3種類。1行のコードをHTMLに埋め込むだけで簡単に導入できる「スクリプト方式」と、お客さま側のWebサーバーにインストールする「ライブラリ方式」、さらにスクリプト方式とライブラリ方式のいいとこ取りをした「Proxy方式」があります。

ライブラリ方式の特徴は多言語に翻訳した内容が検索エンジンにインデックスされるので、SEOの効果を出せること。

Proxy方式はWebサーバーへのインストール作業は不要で、しかもSEO対策も可能という特徴を有しています。Proxy方式であれば、検索エンジンへのインデックス登録準備も可能、かつ導入作業も5分で完了するという、スクリプト方式・ライブラリ方式両方のメリットを持っています。

おきく:翻訳される言語数も多いですよね。

森山:今は43言語に対応していると公表しています。実際、社内では118言語まで試しています。

おきく:やはり企業が導入することが多い言語は英語ですか?

森山:そうですね。第1位は英語ですね。続いて、中国語(簡体・繁体)、韓国語という順番でしょうか。

おきく:業界や業種によって何か違いはありますか。経済の流れとして、多言語化対応する企業が増えているイメージがありますよね。

▲導入企業の一部

森山:製造拠点を置いているメーカーやECサイトなどでは東南アジア系の言語を導入するケースも多いですね。翻訳する言語は目的によって異なるかも知れません。たとえば航空会社のインバウンド訪日対応言語としては、英語、中国(簡体・繁体)、韓国語が基本となっています。

また、IR目的も増えています。会社の時価総額が200億円を超えてくると、海外投資家を振り向かせることが必要になるので、どんな会社かその魅力を伝えるには、有価証券報告書などの静的情報だけではなく、HPなどの動的情報を多言語で見せることが必要になります。ダイバーシティ経営を表明するために多言語化も必要です。単純に多言語対応する企業が増えているというより、質が変わってきています。

Google翻訳やDeeplとは何が違うの?

おきく:では、ズバリGoogle翻訳やDeeplとどこが違うのでしょう?

森山:Googleが目指しているのは、インターネットユーザー全員が便利に使える世界。つまり見る人が使う側の機能を開発して提供しています。多言語化に関しても、ユーザーが便利になる・困らなくなるものが提供できれば良いのだと思います。

一方、WOVN.ioが目指しているのは、情報を伝える側が伝えたい言葉で伝えられるようにする世界です。たとえば産業用ロボットのメーカーであれば、他国の人にいかに魅力的なロボットなのか、自分たちの言葉で伝えることが重要になります。それができるのが、WOVN.ioです。Google翻訳に任せてしまうと、語順がぐちゃぐちゃになったり、誤訳するなどして、伝えたいメッセージがまっすぐ伝わらない可能性があります。

たとえば、「月~金」という言葉をGoogle翻訳にかけると、”Moon~Gold”と訳されたりします。日本の人であれば、曜日の”Monday〜Friday”と文脈でわかりますが、ユーザー側の翻訳行為でそういう誤訳をされても修正はできないですよね。そのほかにも名前など、日本語を残しながら英語を表記したいと思っても、Google翻訳はできません。ですが、WOVN.ioならそういうカスタマイズが可能です。自分たちで見せ方をコントロールできるのです。

おきく:確かに。英語のページをGoogle翻訳にかけると、おかしな日本語が表示され、なんとなく伝わるような、伝わらないような経験をしたことがあります。そういう違いがあるのですね。

森山:それだけではありません。Googleは以前、無料のトランスレーションキットを提供していましたが、19年にサービスが停止されました。無料にかかわらず、Webサービスは止まる恐れがあることから使いにくいという課題がありました。ですが、WOVN.ioはエンタープライズ企業が使い続けられることをベースに開発しており、サービスが止まったり、変わったりすることのないように運営しています。またそれを可能にできるよう、累計約54億円の資金調達もしました。

おきく:ぶっちゃけ、WOVN.ioは変換ミスしないんでしょうか?

森山:WOVN.ioは実際のWeb画面を見ながらその場でテキストや画像の修正を行う機能が備わっています。ライブエディターと呼ばれる機能なのですが、これにより変換ミスをしても手動で直すことができます。

さらにGoogle翻訳を使用したら文字数が変わってレイアウトが崩れるなんてことも日常茶飯事にありますね。それもWOVN.ioならライブエディター機能で実際の画面を見ながら直接修正をできるので、デザイン崩れにも強いですね。変換ミスの多寡というより、変換ミスがあっても簡単・迅速に対応できる、そういうところが大きな特徴のひとつ、と言えるでしょう。

翻訳会社に依頼するより早くて精度が高いのは本当?

おきく:だから翻訳会社に依頼するよりも「早くて精度が高い」という噂があるのですね。

森山:「早くて精度が高い」という表現は正しいようで、正しくないような気がしますが、翻訳会社より早くて、同じコストであれば精度が高いというのが事実です。というのも機械翻訳と人力翻訳のコストは1万倍異なるからです。先ほども言ったようにECサイトのような膨大なページを翻訳会社に頼もうとすると、非常に大きなコストと納期がかかるため、現実的ではありません。一方、先に話したように、機械翻訳をそのまま利用することは、エンタープライズ企業にとっては難しい。このような課題を解決するのが、WOVN.ioです。

WOVN.ioではお客さまがこう翻訳したいという用語集を用意して、機械翻訳にかけます。しかも機械翻訳の精度を高めるため、テキストや言語の特性により、複数の翻訳エンジンを使い分けて翻訳処理します。こうすることで、一つのツールよりも翻訳品質を高めることができます。

また商品のコピーなど、人が翻訳した方がよい部分はあらかじめ、識別して機械翻訳にかけます。つまりどこを機械、どこを人力で翻訳するかを事前に判断して取り組むヒューマンコンピュテーションなので、投資コストが抑えられ、早くて精度の高い翻訳が可能なのです。

おきく:素朴な疑問なんですけど、43言語に対応しているということは、43言語それぞれ対応する人材を社内に抱えているんですか?

森山:社内にも主要言語には対応できるようローカライゼーションチームはあるのですが、すべての言語に対応しようとするとやはり自社だけでは難しいと思うんですよ。そこで、外部の翻訳パートナー企業と連携して、翻訳精度を担保しています。

おきく:そうですよね! 人材を抱えてしまうと、コストに反映されますよね。

森山:あともう一つ、翻訳精度を高めるために、ピボット翻訳という機能を最近、リリースしました。

おきく:それはどんな機能なんですか?

森山:たとえばドイツ語に翻訳する場合、日本語から直接ドイツ語に翻訳するのではなく、日本語からまずは英語に翻訳し、英語からドイツ語に翻訳するという方法です。英語を元言語に翻訳する方が、教師データも多いので、翻訳品質を高められるという結果があるからです。この機能を提供することで、よりWebサイトのグローバル化を加速できると考えています。

他社ツールと比べて国際特許を取得しているすごいテクノロジーなの?

おきく:WOVN.ioは国際特許も取得しているんですよね。それってすごいことだと思うのですが、まず国際特許ってどういうものですか。

森山:国際特許と、世間では言われますが、そういう名前の特許は存在しないんですよ(笑)。当社は日本だけではなく、アメリカと中国、シンガポールで特許を出願し、取得したということです。

おきく:日本だけではなく、アメリカや中国、シンガポールでも特許を取得できたということは、それだけ独自性のあるすごい技術ってことですよね。具体的にどんな技術ですか。

森山:端的にいうと、動的コンテンツの未翻訳箇所を自動検出する技術です。コンテンツを更新したり、動的コンテンツが表示された際に、未翻訳箇所を自動で検知して、WOVN.ioのサーバーと直接通信して翻訳情報を取得し、ユーザーのアクセスをトリガーにそれを表示します。この技術により、Webサイトが常時監視状態となり、動的サイトであっても翻訳が反映されるようになります。また人力で翻訳を行う場合は、ほかのページでもその人力による翻訳が流用可能になるため、動的コンテンツにて生成されるページに対しても、精度の高い翻訳が利用できるというわけです。先ほど、動的コンテンツでも翻訳できるといったのは、この技術を開発したからなんです。

おきく:WOVN.ioのすごさが解りました! 実際のユーザーさんからはどんな声が聞こえていますか。

森山:単純にホームページの訪問者の数が増えたり、在留外国人のユーザーが増えたという声のほか、「翻訳にかかる総コストが90%削減でき、運用にかかる時間は70%も削減できた」と、翻訳作業に対する内部工数が下がったという声が多数、届いています。なぜなら、WOVN.ioはUIの使い勝手の良さにこだわって開発しているからです。

またコーディングを知らない人でも管理できるので、ユーザーのリテラシーにも依存しません。しかも複数ドメインを一つの管理画面で運用できます。

サービスの導入で気になるのはサポート。その充実度は?

おきく:プロダクトでもサービスでも、新しく導入する際は、サポートがどれだけ充実しているかが気になるのかなと。その辺りについて、ユーザーさんからの評価はいかがでしょう。

森山:実はWOVN.ioを導入したユーザーからは、「サポートが手厚い」「かゆいところに手が届く」など、当社のサポートに対する好意的な声が多数届いているんですよ。実は、私も前職でWOVN.ioのユーザーだったんですが、当時からサポートの品質にはすごく満足していて。いろいろ相談してみて他社とのサポートと比較のうえ、導入を決めました。

おきく:具体的にはどんなサポートを提供しているのでしょう。

森山:WOVN.ioの価値を最大化して活用していただくため、多様なサポートコンテンツを用意しています。サイト制作時は専任の担当者が課題や要望をヒアリングし、Webサイトを確認しながら導入プラン・運用フローを提案します。翻訳時はネイティブの翻訳者が文化背景に配慮した翻訳をアドバイス。コンテンツの更新頻度にかかわらず、都度、発注不要の定額翻訳も提供可能です。リリースしたら終わりではありません。運用開始後も、多言語Webサイトの構築・運用に関する実績豊富な専任の運用サポートチームが改善をサポートするんです。

おきく:おお、サポートフローがしっかりあるんですね。

森山:多言語化は目的ではなく手段ですからね。運用開始後も安心して活用していただけるよう、組織体制や課題、習熟度に応じて多様なサポートコンテンツを用意しています。

おきく:運用開始後のサポートが充実していることも、ユーザーの高評価に繋がっているということですね。

森山:オンラインサポートやヘルプサイトはもちろん、個別トレーニング、ビジネスレビュー、お客さま向け勉強会、UI/UXヘルスチェック、トレーニング動画などを提供しています。またユーザー同士が日々の運用や活用方法について話せる交流会をなども定期的に開催しています。他社でここまでのサポートを提供しているところはないと思います。導入前にその良さをお伝えできないのは、もどかしいところですが。おそらく導入していただければ、その良さを実感していただけると思います。

多言語展開を考えている、現在の多言語対応に課題を抱えている企業は、ぜひ、検討してほしいですね。

まとめ

今回、お話をうかがったWOVN.ioは、Webサイトの多言語対応を進めるだけではなく、企業内の多言語対応を進めるツールとして活用できることがわかりました。

それに、導入も簡単。コストも翻訳会社に頼むよりは、圧倒的な削減が可能になります。しかもほかの機械翻訳に比べても、翻訳品質が高く、エンタープライズ企業にとって満足のいく仕上がり。こだわりたい文言は、自社でカスタマイズすることもできます。動的なコンテンツなど、未翻訳箇所を自動的に検知し、翻訳するので、翻訳漏れもありません。

機械翻訳の力を最大限生かしつつ、機械に任せられないところは人間がチェックする。まさに現在のAIの正しい使い方を見たような気がしました。

「WOVN.io」はこんな企業にオススメ

・多言語対応を検討している

・現在の、多言語対応に満足がいっていない

・翻訳にかかる工数を下げたい

・社内の情報資産を多言語化したい

こんな課題を持っている企業の方は、ぜひ、WOVN.ioを検討してみてはいかがでしょうか。

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Hiroyuki Kikuchi
Hiroyuki Kikuchi Technology / Leader / 菊池 裕之

2004年大学卒業後に大手SIerにて組み込み系エンジニアとして10年従事。一度はIT業界から足を洗う形にはなるものの、2016年からSES企業にてサイドエンジニアとしてチャレンジ。2020年からLIGにジョインし、様々な案件のテクニカルディレクター並びにプロジェクトマネージャーとして参加する。

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