こんにちは、財務経理部のじょうです。
今回は連結決算のおもしろさについて、自らの体験をお伝えしたいと思います。私がおもしろいと思った理由は、「業務がスムーズに効率化できたこと、見えない数字が見えるようになり、晴れ晴れしたすっきりとした気持ちになった」からです。
単体決算を合算して、その合算から内部取引を消去して、連結決算が完成します。
連結パッケージとは?
連結決算とは、親会社を含む企業集団(企業グループ)を「一つの会社」とみなした財務諸表(連結財務諸表)を作成する決算業務であり、親会社の経理担当者が行う業務です。
〜中略〜
連結パッケージとは、連結決算を行うためのデータ収集用のフォーマットのことです。
連結パッケージは、連結PKGと記載されたフォルダの中にあるスプレッドシートを使って作ります。フォルダの中には、「01_LIG」「02_LAMP」「03_PHL]「04_VNM」と書かれたスプレッドシートと「連結精算表」と書かれたスプレッドシートがあります。
PHLはフィリピン子会社のことで、VNMはベトナム子会社のことです。
「組替後」データを作る
「04_VNM」のケースで説明します。単体の勘定科目はすべてベトナム政府があらかじめ決めていますので、ベトナムの勘定科目(勘定コードと勘定名称)を、連結の勘定科目に組み替えていきます。
例えば、「63213 Cost of Goods Sold: Services」を、「6101原価」に組み替えます。
「04_VNM」のスプレッドシートに「試算表」データを貼り付けると、単体の勘定科目を連結の勘定科目へ組み替えた、「BS組替後」データと「PL組替後」データが完成します。
また、海外子会社の場合は、為替レートを反映します。報告通貨をVND(ベトナムドン)からJPY(日本円)へ計算します。
為替レートは、貸借対照表の勘定科目の場合は、決算日レート(CR:Current Rate)を使います。損益計算書の勘定科目の場合は、期中平均レート(AR:Average Rate)を使います。
「連結精算書」スプレッドシートへデータをインポート
「04_VNM」の「PL組替後」データは、IMPORTRANGE関数で、「連結精算書」スプレッドシートの「04.VNM_PL」に即時反映されます。
BEFORE
AFTER(IMPORTRANGE関数で即時反映後)
「連結精算書」スプレッドシートにすべての会社の「組替後」データが反映されると、連結勘定科目毎に「単純合算(橙色部分)」が計算されます。次に「内部取引の消去(黄色部分)」を整理し、最後に「連結財務諸表」(緑色)が計算されます。
内部取引の消去とは?
内部取引は、親子間取引を考えるとわかりやすいと思います。大まかに4種類あります。
- 取引高の消去:[親]が[子]に外注する場合
[親]外部委託費/[子]売上高 - 債権債務の消去:[親]が[子]に貸付をする場合
[親]貸付金/[子]借入金 - 投資資本の消去:[親]が[子]を100%子会社化する場合
[親]投資有価証券/[子]資本金など - 未実現利益の消去:[親]が[子]に棚卸資産を販売しその棚卸資産が[子]に残っいる場合
LIGの場合、「④未実現利益の消去」はあまり発生しませんが、それ以外の①〜③は毎月発生しています。
まとめ
面白い点について、もう少し具体的に書くと、以下の3つです。
- 連結PKGを使えば、単体4社の決算データの合計から内部取引を消去するだけで、連結決算が出てきます。誰でもいつでも業務を引き継ぐことができるほどに、スムーズに効率化できます。
- 親子間の取引が消去され、親会社が調達した資金がどこの事業部で使われ、儲かっているのか儲かっていないのかがわかるようになります。
- 単体の単純合計では、[親]と[子]の取引がすべて合算されて、貸借対照表と損益計算書が大きくなります。一方連結決算では重複部分が消え、すっきりとした決算の見え方になりスマートな経営判断ができます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!