「新しいツールを導入するらしいよ」
社内にこんな噂が飛び交ったとき、皆さんはどういう反応をしますか?
「へー、便利になるのかなぁ」「また覚え直し!?」「使いこなせないよ……」
ですよね。ただでさえ手一杯な業務を抱えながら新しいことを学習して新しいツールを使いこなすのは大変です。
そして、そんなことを言われるとわかっているのに「新しいツールの導入、頑張って!」と仕事を振られたら!?
まず、自分がツールを理解しないといけないですよね!!!!
社内への導入方法については色々ネット記事がありました。マニュアルを整備する、イーラーニング、習熟度チェック……
いやそんな時間、あります?あったらもうこの記事は読まなくていいです。
この記事では、ベンチャー企業が気合いで新しいツールを導入するときに、どうやってツールを使いこなせばいいのか、私がこの1年で9つの新ツールと向き合った経験からまとめてみようと思います。初めて使った9つのツールのうち、3つは全社導入のサポートをしました。
ツールのことを理解する
ツールを作っている会社が作っているPRサイトから見始めます。
サイトに書いてあることをざっくり読む
PRサイトには、夢と希望が溢れています。何かを劇的に変えてくれるかのような、期待。そういう心動かす何かがないと、新しいツールを導入するなんて腰が重くてできません。
なのでまずはPRサイトに希望をもらいます。
このツールがどんな思いでどんな問題を解決するために作られたのかを推測する
大抵のPRサイトには、こういう現状を、ツールの導入でこのように変えることができました! という実例が簡単にまとめられていることが多いです。
自社が抱える課題と照らし合わせて、課題解決後の姿を想像します。
作っている人とも打ち合わせする
ツール導入時、営業マンはよくサポート打ち合わせをしてくれますが、開発チームの人が入ってくれる余地があれば一緒に打ち合わせをしてもらってみてください。
「ここは私が作ったんですが……」なんて話が聞けるだけで、急にそのツールに対する親近感が湧いてきます。
このツールを作るために数々のMTG、顧客からの厳しいフィードバックを受けていることを想像する
営業マンが売る、顧客からのフィードバックを開発チームに伝える、開発チームが改修する、改善されたものをまた営業マンが売る……。顧客からは「使いにくいところ」「見た目が……」「なんでこんな仕様にしたんですか」みたいな厳しいフィードバックを受けることもあると思います。
でも、頑張って作ったんですよ。そうして世に出て、今はたくさんの会社で使われているんですよ。やりましょう、私も社内にこのツールを広めてみせましょう!!!!
ツールの理解には想像力が必要不可欠です。ツールの利用の仕方に関しての想像力、ツールを作った人たちに対しての想像力……。
極論、そのツールを好きになれば社内への導入の先導はまったく苦ではなくなるので、大変おすすめです。
実際にツールを触る
上層部から「こんな感じに使いたい」という話が来て、アカウントが発行されたらさっそくログインしましょう!
最初はまったく馴染みのない画面、何をしたらいいのかさっぱり分からない画面、それが数ヶ月後には何もかも見知った友人のようになるのです。楽しみで震えませんか?
マニュアルは最初は見ない!
マニュアル見たら寝てしまいます。
動画マニュアルに一通り目を通したこともあるのですが(全部2.5倍速で)、途中で意識が飛びかけました。マニュアルは眠いんです。なぜかというと、受動的だからです。
ツールを触ってみて、わからなくなったときにマニュアルを検索しにいくという方法が一番いいと思います。
最初はツール制作会社独特の検索ワード(内部の人はよく理解しているけど、初見の人間にはわからないあの感じ)のくせを見抜くまでが大変ですが、ツールを触る、壁にぶつかる、マニュアルを見るを繰り返します。
このツールで何をして、何が解決されて、社内の他のツールとはどう連携するのか考える
全体的な業務の流れが見えてくると、「あれ、ここはあのツールと被ってる?」「ツールとツールの間がすっぽ抜けるな」など、ツールどうしの関係性や社内にある他の情報との兼ね合いが見えてきます。
ここを運用でどうカバーするのか、ツールの切り替えが必要か、不要なツールがあったら解約して経費削減も! さまざまな方面に手が伸びてきますが、部屋を片付ける前に一回めちゃくちゃ散らかるのと同じことだと考えてください。
会社として叶えたいことを理解する
ツールにはそれぞれ特徴があります。全部を完璧に網羅するツールは残念ながらありません。それこそ自社開発で長い期間をかけて作るしかないんじゃないでしょうか。
このツールで会社がやっていきたいことはなんなのか。ここを常に頭に入れておくことをお勧めします。
入っているつもりでも、気づいたらすっぽ抜けている……というか、社内から「なんのためですか?」とよく聞かれるので回答できるようにしておいたほうがいいと思います。
社内で共有する
いよいよ理解も深まってきた! というか、サポート期日が切れるし課金もしているしそろそろ社内に共有だ!!!!!!!
これもいくつか新規ツールを導入してわかりましたが、全社員が完璧に理解してからスタートするなんて無理です。あとは走りながら学ぼう、です。
徹底したサポートを心に決めてください。たとえ何度質問されても、毎回完璧に回答してみせる。こんなツール嫌い、そう言う人がいても必ず助ける。
説明会
ツールの導入意図、会社としてこのツールで叶えたいこと、そして現場は何をやらねばならないのかを明確にして、全体の流れと、現場担当が対応する箇所のみ詳細使用方法を一通り説明します。
でも、説明会ではほとんど人の記憶には残らないと思っていてください。
ただ、いつか、実際にツールを使うときにデジャブのように頭によみがえってくれればいいな……。
動画を残しておく
何度も繰り返し説明することになるので(新入社員が入るたびに説明も必要ですし)、録画しておくことをおすすめします。
質問への回答は動画を撮影する
こんなときどうしたらいいですか? という社内からの質問があったとき、導入担当者であるあなたには「あぁっ、これね!」とすぐに思い当たるはずですが、「5つくらい工程があるな……」「これ全部スクショとって文字とか入れても実際伝わりきらないんだよな……」
そんなときは画面収録しましょう!!!!!! MACではコマンド+↑+「5」です!
これなら10秒もかからない収録で、すぐに共有して、質問者も10秒で内容確認ができます。
まとめ
各ツールでも操作マニュアルはあるのに、それを自社Ver.にする意味とは……? って思いますよね、マニュアル作る時間もあまりないですし。
社内向けマニュアルは局所的な作り方でいいと思います。ツールは同じでも、会社によって「誰が」「いつ」「何をするのか」は異なるはず。ツール制作会社の操作マニュアルにはその部分の記載がありません。
「誰が」「いつ」「何をするのか」、ここにフォーカスしたマニュアルを作って、今後のツール対応が楽になっていくように引き続きがんばります!
ツールの導入に関して「まずツールを好きになろう」なんて変な角度からの記事はこれまでなかったと思いますので、いきなり担当者になった方の参考になれば幸いです。新しいツールを社内に落とし込んで、楽しく仕事ができるようになりますように。