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独特なアナログ感と美しい発色。リソグラフ印刷を体験してみた

まべ


おはようございます、こんにちは、こんばんは、デザイナーのまべです。

さて、昨年の10月に報道ステーションのオープニングテーマが変わったのはご存じでしょうか?

坂東祐大さんが作曲した有機的なリズムの音楽に乗せて、映像作家のOTPさんの滑らかなアニメーションが素敵な映像です。こちらはCGで作ったデザインをコマにしてリソグラフという印刷機にかけ、ストップモーションで再度映像にするという手法で作られています。

オープニングテーマ変更の詳細はこちらの動画をご覧ください。

グラフィックデザイナーの佐々木俊さん渡辺明日香さんYamanoteyamanoteさんなどが、リソグラフを用いてZINEやポスターを作っていたので以前から興味がありました。せっかくなら自分でも何か作ってみようと思い、動画にも出てくる西小山のリソグラフスタジオ、Hand Saw Pressに今回お邪魔してきました。


画像引用元:Hand Saw Press公式サイト
Hand Saw Press
建築、料理、インテリア、イラストなど色々なバックグラウンドを持ったメンバーで共同運営しているリソグラフスタジオ。
〒142-0062 東京都品川区小山5-8-18
URL:http://handsawpress.com/

リソグラフって何?

そもそもリソグラフとは、理想科学工業が1980年に開発した、孔版印刷方式(版にインクを付けて印刷するのではなく、版自体に穴をあけそこからインクを擦りつける印刷方式)の高速デジタル印刷機です。

リソグラフは、シルクスクリーン印刷と同じ孔版印刷の高速デジタル印刷機です。
1色ごとに印刷の元となる版(マスター)をつくり、内部の印刷ドラムに巻きつけ、紙を通して印刷を行います。
機械に2つドラムが入るので、1回の通紙で同時に2色の印刷が可能です。
シルクスクリーン印刷よりもスピーディーで低コストなため、本やZINE、ポスターやチラシなど、多枚数印刷で手作りな規模の製作に向いています。
※正確で写真のような再現性の高い品質の印刷には向いていませんのでご注意ください。
引用元:Hand Saw Press公式サイト

高精度な印刷はできないけれども、独特の発色や雰囲気が面白く、数年前からグラフィック畑の人を中心に密かなブームになっている印象があります。

データの作り方

まずは印刷するものを作らなければということで、Photoshopでデザインを作ります。もともと僕は普段からコラージュやタイポグラフィの作品を遊びで作ったりしていたので、それをまとめた簡易的なZINEとポスターを作ることにしました。

僕はデザインツールで作りましたが、手書きのイラストからでもプリントすることができます!


まずは左のグラフィックを作り、それを右のモノクロに変換しました。

 

これを使う色のフォルダにレイヤーごとに整理して、Hand saw pressのWebサイトにある上記の色見本を見ながら、各レイヤーごとの色を決めていきます。例えば僕が作成したデザインは、紫のオブジェクトの上に黒い文字が載っているデザインなので、それぞれ”violet”と”black”というレイヤーフォルダを作ります。

 

上記のようにモノクロのデータにフォルダごとにレイヤースタイルで色をつけるようにデータを作り、色付きのイメージとモノクロの入稿データ両方を保存して事前に共有すると、印刷する際にイメージが共有できて良いかと思います。

データの作り方はこちらにも載っていますのでご参照ください。

いざ印刷!


Webサイトから事前にアポを取り、約束の時間に合わせてスタジオへと向かいます。銀座線と南北線を乗り継いで西小山の駅を降り、歩いて5分ほど閑静な住宅街の中にスタジオがありました。

スタジオの中に入ると、壁一面にリソグラフの作品が貼られています。このほとんどがここで印刷されたものだそうです。

データチェック

まずスタジオの方に事前に共有していたデータのチェックをしていただきました。僕のデータで気になるところをその場で教えてくれました。ラップトップを持っていっていたので、その場で修正してAirDropで送信。無事入稿となります。

紙選び

次に紙を選んでいきます。押し入れのようなスペースの一面に印刷用の紙がぎっしり並んでいます。上質紙、中質紙、更紙、画用紙、再生紙、コピー紙、などがあり、紙の持ち込みも可能だそうです(持ち込みの場合は予約の際に事前に確認しておいたほうが良いかと思います)。

今回は白めの紙に印刷したかったので、白さに定評のあるアラベールのスノーホワイトを選び、厚さは、ポスターを少し厚めの160kg、ZINEを少し薄めの110kgで設定しました。

印刷



まずは2層式印刷機に重いカラードラムを2つガッチャンと差し込み、プリント開始です。

 

次にコピー用紙にテストプリントをしていきます。

リソグラフは色の重なる位置がズレたりして、そのズレが予期せぬ味になったりするんですが、文字の重なっている部分やトリムマークを基準に慣れた手つきでドンドンと位置を調整していく姿はとてもかっこよく、さすがプロといった感じでした。

位置調整が終わると、いよいよ本番の用紙に印刷をしていきます。

 



スタジオ中にガッシャンガッシャンというコピー機のような音が響き渡り、刷り上がった紙がドンドンと左側の作業台に積まれていきます。目の前に重なった色のプリントがドンドンと積み重なっていくのは印刷の醍醐味ですね。

 

こちらはインクの濃度を1%刻みで調整したカラーチャート。

リソグラフはベタ塗りをあまり得意としていないので、僕は今回色ベタを使ったデザインにはしなかったのですが、ベタ塗りのデザインは濃度を95%程度にすると綺麗に印刷できるそうです(95-100%の間はほとんど差がないことがわかります)。

 

スタジオの壁には、リソグラフにまつわる色々な資料や作品が貼られています。このスタジオではプロのデザイナーさんから趣味の方まで、幅広くリソグラフを楽しんでいるそうです。

完成

30分ほどで、4種類×10枚の作品が刷りあがりました。






様々な色の仕上がりが見たかったので、グラデーション、写真、タイポグラフィなどいろいろな種類の手法を試してみましたが、どれも独特の色の重なり、ノイズのようなカスレなど、アナログ感のある仕上がりが良い雰囲気を醸し出し、とても気に入りました。

まとめ

いかがだったでしょうか?

国内外を問わず多くのアーティストを魅了するリソグラフの作品は、インスタグラムの「#risograph」タグでも作品を見ることができますし、理想科学工業のWebサイトにはリソグラフの印刷ができるスタジオリストがあるので、興味を持った方はぜひお近くのスタジオで挑戦してみてください!

でき上がりを見るとここをこうしたほうが良かったというものが必ず出てくるもので、僕は今回の反省点を生かして、もっとロットを増やしまた挑戦してみたいなと思いました。

それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました!

P.S
個人的なことで恐縮ですが、今回で僕の記事執筆は最後になります。これまで読んでいただいた方々、そして編集部の皆さんありがとうございました!またどこかでお会いしましょう:)